「老成」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
皆さんは「老成」という言葉を聞いたり、見たり、あるいは自分自身で使ったことがあるでしょうか?
使われている漢字を見ると、何となく意味が理解できているような感覚になるかもしれませんが、普段の会話の中ではあまり出てくる機会が少ないかもしれません。
そこで今回は、この言葉について説明をしていくことにします。
目次
- 「老成」の意味とは?
- 「老成」の読み方
- 「老成」の言葉の使い方
- 「老成」を使った言葉と意味を解釈
- 「老成」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「老成」の類語や言い換え(シソーラス)
- 「老成」の英語や例文(解釈)など
- 「老成」の対義語
「老成」の意味とは?
「老成」とは、「経験や年功を積んで達した円熟さ」という意味や「年齢の割には結構大人びている」という意味合いがある言葉です。
単純に年齢を重ねていくだけでなく、それに伴い色々な経験を積んで行くことで自分に厚みを持たせていくようなことを言っています。
「老成」の読み方
「老成」は「ろうせい」という読み方をしますが、決して難しい発音をするわけではないので、素直に読める言葉です。
「老成」の言葉の使い方
「老成」という言葉が使われるシーンとしては、年齢を重ねて、落ちついた言動をする人を指したり、若いのにおじさんのような落ち着きを見せる人のことを言ったりする場合があります。
「老成」を使った言葉と意味を解釈
では、ここで「老成」を使った言葉の意味を少し掘り下げて見て行きたいと思います。
- 「老成している人」
- 「老成円熟」
- 「老成持重」
「老成している人」
もし、あなたが「老成している人」と言われたなら、それはどのような意味で受け止めるでしょうか?
「年の割には老けて見える」というふうに勘違いしないようにしなくてはなりません。
この言葉は、褒め言葉として使われることが多く、「年齢の割りには大人びて落ち着いて見える」という意味があります。
また、「経験を積んで達人レベルのような人」という理解することもでき、決して老けて見えるわけではありません。
「老成円熟」
「老成円熟」とは「豊富な経験に裏打ちされた人柄、知識、技、教養などが高いレベルに達していること」を意味しています。
人は、経験を積んでいくことで、様々なことに長けていくようになります。
そして、その経験により、人格や技量がさらに伸びてきて、豊かな内容(=円熟する)ことになります。
「老成円熟」は、単純に時間や年月が経つだけで、技能が豊かになるわけではありません。
そこには、その人の飽くなき探求心や努力も大きな要因となっているはずです。
「老成持重」
「ろうせいじちょう」という読み方をする「老成持重」とは、「十分に経験を積んでいて、さらに慎重になること」を言っています。
「持重」は、「大事を取る」や「慎重になる」という意味があるのですが、経験を積んで豊富な知識が蓄えられると、物事になる取り組む前に、熟慮するようになってきます。
ここでの「慎重」とは「気弱」になるのではなく、「じっくりと考えて行動できる」ということを言っています。
「老成」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「老成」を使った例文も見ていくことで、具体的な活用法の理解も深めて行くことにします。
- 「老成」を使った例文1
- 「老成」を使った例文2
「老成」を使った例文1
「あいつはまだ20代前半なのに、老成した判断をするな」
この例文に出てくる20代の人も決して老けているわけではないでしょう。
まるで何十年も生きてきたような人しか考え付かないようなことを判断できる賢さが見え隠れしているのですが、かなり苦労をしたのかもしれません。
「老成」を使った例文2
「60代後半になってもなお、身体の鍛練を怠らない父だったか、さらに老成を重ねている」
歳を取ってくると、誰でも老いに対する不安が生まれてくるはずです。
この例文の「父」も鍛えて身体を維持しているのですが、それにも増して「老成」して、円熟さが増している感じがしています。
「老成」の類語や言い換え(シソーラス)
「老成」は、他に同じような解釈ができる言葉としてどんなものがあるでしょうか?
- 「達者」
- 「熟練」
- 「完熟」
「達者」
「達者」という言葉がありますが、「老成」に近い意味を持っています。
「働きの点で優れていること」や「健康なこと」という意味がある他に、「身体のある部分の働きが活発で優れている」や「あることに通じており、熟達の域に達している」という意味合いもあります。
「熟練」
「熟練」も「老成」に近い解釈ができる言葉で、「十分な経験を積んで上手なこと」や「高い技能やと豊富な経験を持っていること」という意味があります。
「完熟」
「完熟」と言うと、「完熟トマト」がすぐに頭の中に浮かんで来る人も少なくないと思いますが、「果実や種子が十分にうれること」という意味があります。
人に対して「完熟」という言葉を使うことは、あまりないですが、言葉の解釈としては、「老成」に近い感覚があります。
峠を通り越しそうなタイミングで、とても脂が乗っている時期の人を指しても理解することができるかもしれません。
「老成」の英語や例文(解釈)など
「老成」を英語で表現すると、“mature”という言葉で訳すことができます。
直訳すると、「円熟した」という意味がある言葉です。
「老成」の対義語
「歳を重ねて、豊富な経験と卓越した技能や知識を持つ」という「老成」と反対の意味を持つ言葉としては、「未熟」という言葉が挙げられます。
先に挙げた「完熟」の対義語的な意味で「果物などがまだ熟さない」という解釈の他に「技術や教養などが、まだ熟練していないこと」、「1人前でないこと」という意味で使われます。
若いうちは、まだまだ「未熟」であってもおかしくはありませんし、そのことから来る失敗もある程度は許されることが多いです。
むしろ、若いうちに何でもそつなくこなせるような「老成さ」があると、逆に不気味に感じるかもしれません。
若い時は、その若さのパワーで動き回ることもいいのではないかと思います。
「老成」という言葉には、「長く苦労の人生の連続」を乗り越えてきた人のたくましさやしたたかさを感じます。
しかし、単純に歳を取るだけではそのようなことはあり得ないでしょう。
若いのに時から具体的な目標を持って生きていくことで、多くのことを学んで自分の中の中に蓄積していくことができるのではないでしょうか?
それができて初めて「老成」という言葉が当てはまる人に成長していくのだと思うのです。
今からでも1つひとつのことに意識を傾けて、情熱を注いで行ってもらいたいのです。