「応酬」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
会社で「応酬する」という言葉を聞いて何となく雰囲気で意味を理解している人も多いのではないでしょうか。
正しい意味と使い方をしょうかいしますので参考にして下さい。
目次
- 「応酬」の意味とは?
- 「応酬」の読み方
- 「応酬」の言葉の使い方
- 「応酬」を使った言葉と意味を解釈
- 「応酬」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「応酬」の類語や言い換え(シソーラス)
- 「応酬」の英語(解釈)など
「応酬」の意味とは?
「応酬」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「お互いにやり取りすること」の意味
- 「相手から受けた行為に対してやり返すこと」の意味
- 「相手から送られてきた手紙や詩歌に返事をすること」の意味
- 「応酬」の言葉の成り立ち
「お互いにやり取りすること」の意味
相手との間に何かの共通点があり、お互いにやり取りを繰り返していることを言います。
この場合よかれと思ってやり取りをしているのですが、半分はどちらも「早く終りにしたい」と思っている状態が含まれます。
飲み会でお互いがお酒を注ぎ合って中々手を止めない時や、会議で意見が対立して相手が何か言ったら即反論をすることを繰り返している時などに使われます。
「相手から受けた行為に対してやり返すこと」の意味
相手からなんらかの行為を受けて、こちらが納得しないと思った時にやり返すことを言います。
一般的にネガティブな行為が多く、お互い敵対心をもってやり合っている状態です。
相手からSNSなどで批判をされたことに対してこちらもSNSで反論を書き込んだり、直接暴力を振るわれたので暴力でやり返す時などに使います。
「相手から送られてきた手紙や詩歌に返事をすること」の意味
昔の日本の風習で、送られてきた手紙や詩歌などに返信をすることで親交を深めることを言います。
こちらの意味は現在ではあまり使われていません。
「応酬」の言葉の成り立ち
「応酬」の意味は言葉の成り立ちからも理解できます。
「応」は「こたえる」と読み、「問いや呼びかけに対して返事をすること」という意味があります。
「酬」は「むくいる」と読み、「それ相応のお返しをする」という意味があります。
この2つの言葉が組み合わさり「相手から受けた行為に対して相応のお返しをする」という意味で使われる様になりました。
「応酬」の読み方
「応酬」は「おうしゅう」と読みます。
読み方はそれほど難しくないのですが、「酬」という漢字が中々書けないという人が多くなります。
「応酬」の言葉の使い方
「応酬」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 相手が存在すること
- 説明する言葉が必要
- 第三者目線で使う
相手が存在すること
「応酬」は「相手の行為に対してこちらからも返すこと」という意味です。
必ず相手が存在していて、何かしらの行動を起こしていることが必要であり、一方的にこちらから相手に向かって行動を起こしている時には使われません。
説明する言葉が必要
「応酬」は「お互いお返しをしあっている状態」を表すので、「何をやり合っているのか」を明確にする言葉が必要です。
一般的には「〇〇の応酬」として前に説明が付くことが多くなります。
第三者目線で使う
「応酬」をしている時は、お互いがそのやり取りに集中しているので自覚がありません。
自分の行動に対して「応酬」が使えるのはそのものごとが一段落した後でのことです。
目の前でそのやり取りを見ている第三者が使うことが多くなります。
「応酬」を使った言葉と意味を解釈
「応酬」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「応酬を繰り広げる」【おうしゅうをくりひろげる】
- 「応酬を交わす」【おうしゅうをかわす】
- 「応酬話法」【おうしゅうわほう】
「応酬を繰り広げる」【おうしゅうをくりひろげる】
相手とのやりとりがいつまでも続いて終わらない様子を表しています。
「繰り広げる」が付くことで、一方が何か新しい意見を言えばそれに対してもう一方が意見を述べて、議論がどんどん展開していく様子を表しています。
議題となっている内容が複雑で、様々な問題点があったり解釈の仕方が様々である時等に使われます。
「応酬を交わす」【おうしゅうをかわす】
様々な会議の場で、賛成意見と反対意見を活発に交換して、深く話し合うという意味です。
お互い自分の意見を持ちながら相手の意見も聞き、すぐに結論を出すのではなく徹底的に議論をしつくしてから決めることを言います。
社内会議よりも、業界単位の会議や国際会議など、大規模でそれだけ違った考え方や風習を持っている人達が集まる場で使われます。
「応酬話法」【おうしゅうわほう】
「顧客の言うことに対して一定の切り返しをマニュアル化すること」を言います。
顧客の問い合わせや反応を見極めて、そのタイプに応じて受け答えをして、次に根拠や理由を説明するというトークテクニックです。
まずはお客の言うことを聞き、言い負かすのではなくそこにこちらからの意見を被せて相手を納得させていくという考え方です。
顧客のニーズを引出し、それに合わせて自社商品を勧めることで結果的に相手が納得して商談を成立させられるというメリットがあります。
契約が成立した後の顧客満足度も高く、研修として応酬話法を教える企業も増えています。
「応酬」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「応酬」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「応酬」を使った例文1
- 「応酬」を使った例文2
「応酬」を使った例文1
「会議で激しい応酬が続いた」
会議の場で意見が対立して、お互いが譲らずにああ言えばこう言うを繰り返していた様子を表します。
一般的にビジネスの場では活発な意見が出ることは好ましいことであり、悪い意味はありません。
「応酬」を使った例文2
「しつこい相手とのメールでの応酬に疲れた」
理屈っぽい相手とメールのやり取りをしたところ、中々納得してくれずにすぐに返信が来ます。
分り易い様に言葉を選んで返信するのですが、今度は違うことを質問してきたりして、中々終わらない様子を表しています。
「応酬」の類語や言い換え(シソーラス)
「応酬」の類語には以下のものがあります。
- 「舌戦」【ぜっせん】
- 「応戦」【おうせん】
「舌戦」【ぜっせん】
意味は文字通り舌を使って論を戦わせることで、お互いが激しく反論し合うことを表します。
「応戦」【おうせん】
相手の行為に対してこちらも応じてやり返すことです。
意見を戦わすことだけではなく、武力や暴力で応じることも意味します。
「応酬」の英語(解釈)など
「応酬」の英語訳には以下の表現があります。
“They debated for so long about that issue.”
「彼らはその問題について非常に長い時間議論の応酬を交わした」になります。
“debate”は「討論する=議論の応酬」という意味があり、活発な意見交換をする時に使われます。
単に返信をするだけならば“reply”で良いのですが、単発で終わる時にも使われます。
直接対面して議論する場合は“debate”の方が良いでしょう。
「応酬」は「相手に対して相応のお返しをすること」です。
言葉だけではなく暴力を表すこともあります。
相手があり、しつこくて中々引き下がってくれずにやり取りを繰り返している時に使ってみましょう。