「人夫」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
「人夫」とは、「力仕事に従事する肉体労働者」や「国家権力・共同体に命令されて労働の夫役に従事している人民」です。
「人夫」の「意味・読み方・使い方・使う時の注意点・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・英語と解釈」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「人夫」の意味とは?
- 「人夫」の読み方
- 「人夫」の言葉の使い方・使うときの注意点
- 「人夫」を使った言葉と意味を解釈
- 「人夫」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「人夫」の類語や言い換え(シソーラス)
- 「人夫」の英語(解釈)など
「人夫」の意味とは?
「人夫」には、以下のような意味があります。
- 「人夫」の意味1:肉体労働者
- 「人夫」の意味2:労働を命令された者
「人夫」の意味1:肉体労働者
「人夫」の意味は、「自分の体を使って働く肉体労働者」や「力仕事に従事する労働者」になります。
近代以降に「人夫」という時には、頭脳労働・知識労働ではなくて、「土木建設・解体業などを中心にして自分自身の身体(体の力・腕力)を使って働く労働者」のことを意味しています。
しかし現代では、「人夫」という言葉は他の職業・仕事と差別した言い方であるという批判もあり、ほとんど使われなくなっています。
「人夫」の意味2:労働を命令された者
「人夫」の意味は、「近代以前に、公役によって徴用されて働かされた人民」や「国家権力・法律などに命令されて働かされた人々」になります。
近代以前、「人夫」という言葉には江戸幕府や諸藩の命令によって公役(働く夫役・戦う兵役)を課せられた人民・庶民という意味合いがありました。
古代から「人夫」は存在していて、時の権力・支配者・法令などに命令されて本人の意思や希望とは関係なく、「義務として強制的に働かされている人民」や「選択の余地なく労役や兵役に従わされている人民」を意味していました。
「人夫」の読み方
「人夫」の読み方は、「にんぷ」になります。
近代以前の古い読み方として、「人夫」は「にんぶ」と読まれたこともありましたが、現代では「にんぷ」と読まれます。
「人夫」の言葉の使い方・使うときの注意点
「人夫」の言葉の使い方は、「自分の体・腕力を使って働く肉体労働者」や「土木建築などの力仕事に従事する労働者」を指示する時に使うという使い方になります。
「人夫」には「会社員(サラリーマン)ではない日雇いの肉体労働者」といった意味のニュアンスがあります。
例えば、「汗水流して働く人夫の労苦がこの道路をつくったのです」などの文章で、「人夫」という言葉を使用することができます。
「人夫」という言葉を使う時の注意点としては、「人夫」には「安定したサラリーマンではない日雇いの肉体労働者(不安定で過酷な労働階層の下層)というニュアンス」があったり、「近代以前には権力・法律によって強制的に働かされていた人民という意味」があったりするので、現代では基本的に「人夫」ではなく「労働者・作業員」という言葉を使うほうが無難であるということがあります。
「人夫」には差別的・労働階層的・使役的な意味合いがあると解釈されやすいので、現代では文学作品などを除いては、ニュース報道や日常会話でも使わなくなっています。
「人夫」を使った言葉と意味を解釈
「人夫」を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「人夫出し」
- 「人夫頭」
「人夫出し」
「人夫出し(にんぷだし)」の言葉の意味は、「きつい単純労働・重労働(過酷で危険な労働)をする労働者を集めて斡旋(あっせん)すること」です。
「人夫出し」とは、「過酷・危険・汚いの要素がある重労働に従事する人」をあの手この手で集めて斡旋したり派遣したりすることであり、基本的には「日雇い労働者の派遣」を意味しています。
「人夫出し」は「人材派遣」と比べると、「日雇いが多い・過酷で危険な業務が多い・労働条件の明示がない(現場に行かないと分からない)・借金のカタなどで派遣する・途中でやめにくい」などの違いがあるとされます。
「人夫頭」
「人夫頭(にんぷがしら)」というのは、「人夫(肉体労働者)を取りまとめる班長・リーダー」を意味しています。
「人夫」は数人〜数十人程度の集団を単位として働くことが多いのですが、そのグループの中でリーダーとして任命されている人を「人夫頭」と呼んでいるのです。
「人夫」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「人夫」を使った例文や短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「人夫」を使った例文1
- 「人夫」を使った例文2
「人夫」を使った例文1
「炎天下の下で重たい石材を人力で運んだため、大勢の人夫が脱水状態になりかけていました」
この「人夫」を使った例文は、「炎天下の下で重たい石材を人力で運んだため、大勢の肉体労働者が脱水状態になりかけていた」ということを意味しています。
「人夫」を使った例文2
「古代の王朝(朝廷)は天皇の権威や律令の施行によって、公共の土木事業のために人夫を動員することができました」
この「人夫」を使った例文は、「古代の王朝(朝廷)は天皇の権威や律令の施行によって、公共の土木事業のために夫役(労役)に従う人民を強制的に動員することができた」ということを意味しています。
「人夫」の類語や言い換え(シソーラス)
「人夫」の類語(シソーラス)・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「肉体労働者・労務者」
- 「土方・人足」
「肉体労働者・労務者」
「人夫」の類語(シソーラス)・言い換えとして、「肉体労働者・労務者(ろうむしゃ)」があります。
「肉体労働者」というのは、「自分の肉体・腕力(筋力)を用いて働く人」を意味しています。
「労務者」の意味は、「現場業務に従事する者・工場などで体を使って働く労働者」になります。
力仕事をする労働者を意味する「人夫」のシソーラスとして、「肉体労働者・労務者」を上げることができます。
「土方・人足」
「人夫」の類語(シソーラス)・言い換えとして、「土方(どかた)・人足(にんそく)」があります。
「土方」とは、「土木工事に従事する肉体労働者・土工(どこう)」を意味しています。
「人足」の言葉の意味は、「荷物運搬や建物の普請・土木などの肉体労働に従事する者」になります。
土木建築などの肉体労働者を意味する「人夫」は、「土方・人足」の言葉に言い換えられますが、いずれも現代では労働階層の差別的なニュアンスがあるとして公的な場面・報道では使われていません。
「人夫」の英語(解釈)など
「人夫」を意味する英語として、“laborer(力仕事の労働者)”や“workman”(作業員・労働者)、“navvy”(主にイギリスで使われる肉体労働者を意味する単語)、“porter”(運搬人)などがあります。
- “Laborers were forced to do extremely bullwork(extremely hard labor).”
- “Employer raised a skilled workman's wages.”
“Laborers were forced to do extremely bullwork(extremely hard labor).”
この「人夫」を使った英語は、「人夫たちは極めて過酷な労働を強制されました」ということを意味しています。
「人夫」という言葉は、一般的に力仕事・肉体労働をする人を示す“laborer”という英単語で表すことができます。
“Employer raised a skilled workman's wages.”
この「人夫」を使った英語は、「雇用主は、技術のある人夫の日給を上げました」を意味しています。
「人夫」を「作業員・職人の要素がある肉体労働者」の意味で使う時には、“workman”の英単語で表すことができます。
「人夫」という言葉について徹底的に解説しましたが、人夫には「力仕事に従事する肉体労働者」や「国家権力・共同体に命令されて労働の夫役に従事している人民」などの意味があります。
「人夫」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「肉体労働者・労務者」「土方・人足」などがあります。
「人夫」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。