「人非人」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
人を非難する言葉として「人非人」という言葉があります。
正しい意味をしっておき、慎重に使える様にしておきましょう。
目次
- 「人非人」の意味とは?
- 「人非人」の読み方
- 「人非人」の語源や由来
- 「人非人」の使い方
- 「人非人」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「人非人」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「人非人」の英語(解釈)など
「人非人」の意味とは?
「人非人」の意味と言葉の成り立ち、「非人」との違いについて紹介します。
- 「人非人」の意味
- 「人非人」の言葉の成り立ち
- 「人非人」と「非人」の違いについて
「人非人」の意味
「人非人」の意味は、「人として許されない様な冷酷なことや悪事をする人をののしる言葉」です。
人間は理性がある動物で、どんな事情があったとしても、人を貶めたり或いは危害を加えるなどはしてはいけない行為であることが分かっています。
しかし理性がきかずにその様なことをしてしまった人に対して、他の人達が「人の道に外れたことをする人だ」という意味で使うのがこの言葉です。
周囲から強く非難されている、排斥されようとしている時に言われると思って良いでしょう。
「人非人」の言葉の成り立ち
「人非人」は、「人+非人」で成り立っています。
「人」は「人・人の道」を意味します。
「非人」は、「非」は「あらず」という否定の意味ですので、「人間ではない」という強い意味を持ちます。
この言葉の場合は「人間とは思えない様なことをする人」という意味です。
2つの言葉が組み合わさり「人でありながら人ではない行為をする人」という意味で使われる様になりました。
「人非人」と「非人」の違いについて
「人非人」は「人+非人」という言葉で成り立っています。
これに対して「非人」という言葉もありますが、この2つの言葉は意味が違います。
「非人」は乞食や罪人など、身分が低く卑しいとされている人を表す差別用語になり、一般的にはNG用語として使えません。
しかし「人非人」は「人の道を外れたことをする人」という意味で、差別的な「非人」という意味とは違うのです。
但し、メディアでは大勢の人達の感情を考慮して「人非人」は放送禁止用語になっています。
「人非人」の読み方
「人非人」は「にんぴにん」と読みます。
シンプルな言葉ですが「非」の読み間違いに注意しましょう。
「人非人」の語源や由来
「人非人」の語源には以下の説があります。
- 「インドの神様」説
- 「平家物語」説
「インドの神様」説
「人非人」は仏教用語で「緊那羅(きんなら)」というインドの神様のことを言います。
「緊那羅」は音楽の神様で見た目は半人半獣で、人でありながら人ではない姿をしていました。
この神は「人非人」と日本語訳され、「人でありながら人ではない」という意味が変化して現在の意味になったと言われています。
「平家物語」説
日本で有名な「平家物語」の中に「此の一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし」という一節があります。
これは「平家にあらずば人でなし=平家一門でない人は裏切る可能性がある」という意味で、重要な役職には就けない様に管理したのです。
この時の「人非人」は「人数のうちに入らない人」という意味ですが、時代が経つに連れて「人にあらざるもの」という意味に変わって行きました。
「人非人」の使い方
「人非人」は直接人に対して使われる言葉です。
- 人として許せない行動をする人に対して使う
- 言った側の人格も疑われる可能性がある
人として許せない行動をする人に対して使う
「人非人」は人を非難する最も強い言葉の一つです。
その人の行為が「非常識」というレベルを超えて、人として許せないレベルの時に使います。
単なるウソをついたり悪口を言ったりするのではなく、人をだまして金品を奪って平気な顔をしていたり、人を陥れることで自分が大きく出世したりする様な人のことです。
言った側の人格も疑われる可能性がある
「人非人」は人をののしる時の言葉ですので、直接人に言うのは控えた方がいいでしょう。
感情的になるあまりに口走ってしまうと、言った側も悪い印象を持たれてしまいます。
特に人間関係を大切にする組織の中ではなるべく使わない様にしましょう。
「人非人」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「人非人」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「人非人」を使った例文1
- 「人非人」を使った例文2
「人非人」を使った例文1
「うつ病による求職者が続出する企業は上層部が人非人に違いない」
労働環境が悪くストレスが溜まってしまいうつ病になる従業員が複数でる部署があります。
上層部が環境改善の為に何も策を講じずに野放しにしているのは、人としてすることではないという非難の言葉です。
「人非人」を使った例文2
「借金の取り立て人は血も涙もない人非人だ」
現在では法律により、金融機関からの催促にはルールが制定されています。
ところが現在でも一部の金融機関により、悪質な取り立てが続いているのです。
家まで行って脅迫したりするなど、弱い者に対して過剰な取り立てをする人を非難する言葉です。
「人非人」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「人非人」の類語は以下の通りです。
- 「ひとでなし」【ひとでなし】
- 「人間のクズ」【にんげんのくず】
- 「ろくでなし」【ろくでなし】
「ひとでなし」【ひとでなし】
「人でありながら、人間らしい感情や思いやりを持たない人のこと」です。
放送や文章で「人非人」の言い換えの言葉として使われています。
「人間のクズ」【にんげんのくず】
「その人が人間としての価値がない」と侮辱する言葉です。
クズの様にムダで捨て去られるべき存在という意味で、人に言うべき言葉ではありません。
「ろくでなし」【ろくでなし】
「全く何の役にも立たず、いても仕方のない人」のことです。
働かない人や怠け者、常識知らずで騒ぎばかり起こしている人に使われます。
但し、「ろくでなし」には性格的に悪いという意味はなく、自分の身内を謙遜した上で親しみを込めて呼ぶ時にも使われます。
「人非人」よりも人間味のある人を表し、最悪の意味ではありません。
「人非人」の英語(解釈)など
「人非人」の英語訳は知っていても実際には使わないのがおすすめです。
- “You beast!”
- “You jerk!”
“You beast!”
「このひとでなし!=人非人」という意味です。
“beast”は「獣」という意味で、正に「人非人」の直訳です。
“You jerk!”
「この最低野郎!=人非人」という意味です。
“jerk”は元々「急にガクンと動き出すこと」という意味ですが、俗語として非常に下品な意味にも使われます。
「人非人」は「人とやってはいけない様な悪いことをする人」のことです。
かなり悪い意味の言葉で人を侮蔑する時に使うので、意味を理解しても使うことがないに越したことはありません。
また、将来的に自分が「人非人」と言われない様に気を付けることも大切です。