「空隙」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
「空隙」という言葉は日頃あまり使うことがないかもしれませんが、知っていると時折役に立つ言葉です。
ここでは、「空隙」という言葉についてご紹介していますので、聞いたことがない方も、そういえば曖昧だ、という方も、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「空隙」の意味とは?
- 「空隙」の読み方・漢字
- 「空隙」の使い方
- 「空隙」を使った言葉と意味を解釈
- 「空隙」を使った例文や短文など
- 「空隙」の類語や言い換え
- 「空隙」の英語
「空隙」の意味とは?
「空隙」とは、一語で表せば「すきま」のことを言います。
「すきま」とは、あるものと、別のあるものの間になにも置かれていないこと、また、空間があること、という意味の言葉です。
つまり、「空隙」とは、ものとものの間に空間がある、という状態を意味する言葉です。
「空隙」の読み方・漢字
「空隙」は「くうげき」と読みます。
「空」という漢字はほかに、「そら」「あ-く」「から」「うつ-ろ」など多くの読みを持ち、そら、からっぽ、うつろ、といった意味を持っています。
「隙」という漢字はほかに、「すき」「ひま」といった読みを持ち、すきまや間を意味します。
「空隙」の使い方
「○○の空隙」や「空隙を○○する」「空隙ができる」のような使い方が一般的です。
すきまがあるときに、すきま、といわず、「空隙」というようにするだけでも使うことができますが、あまり日常会話で使われる言葉ではないので、使うと相手が意味を理解できない、ということもありえます。
「空隙」を使った言葉と意味を解釈
次に、「空隙」という言葉を使った語句を紹介します。
しょっちゅう使われる言葉というわけではないですが、知っていると、このことか、と思う時があるかもしれません。
- 「空隙率」
- 「空隙歯列」
「空隙率」
「くうげきりつ」と読み、土木、薬学、製造業、科学の世界など多方面で使われている言葉です。
多孔度、間隙率とも呼ばれ、たとえば砂や石、岩にどれだけのすきまがあるかを、単位面積あたりの割合として表すことを言います。
土のなかに、土そのものと、空気と水があるとして、全体に対する空気と水の割合がわかると、土のなかにどれだけの「すきま」があるかわかります。
「空隙歯列」
「くうげきしれつ」と読み、聞いたことがない、という方も多いでしょうが、一般には「すきっ歯」と呼ばれます。
「空隙歯列」の原因としては、もともと歯の数が少ないことや、歯の大きさが小さいなど、さまざまなものが考えられます。
弊害がなければよいのかもしれませんが、「空隙歯列」がひどい場合には、滑舌に問題をきたしたり、食べものが詰まりやすくなる傾向があるようです。
「空隙」を使った例文や短文など
次に、「空隙」を使用した例文を見ておきましょう。
具体的な使い方がわかっていれば、どこかで目にしたときにもすぐに意味がわかるようになります。
- 「空隙」を使った例文1
- 「空隙」を使った例文2
「空隙」を使った例文1
「子どもの頃、可愛がってくれた叔母が逝去したと聞き、心にぽっかりと空隙ができたように感じる」
人は大事なものを失ったとき、それが死であれ別れであれ、心の一部分を失ったように感じることがあります。
そのように、心理的な「すきま」に関しても、「空隙」という言葉を使うことができます。
「空隙」を使った例文2
「花壇にはぎっしりと土が詰まっているように見えるが、土には随分と空隙がある」
土にはどれだけ遊びがあるかが大事といわれます。
土だけのように見えてもそこには、微生物の呼吸があり、水や空気の循環があります。
それらすべてが、バランスよく存在している状態なのが、いい土の条件といえます。
「空隙」の類語や言い換え
「空隙」はどのように言い換えができるのでしょう。
類義語や類語表現を知っておくと、より語彙の幅が広がります。
- 「間隙」【かんげき】
- 「はざま」【はざま】
- 「割れ目」【われめ】
「間隙」【かんげき】
「かんげき」と読み、空間だけでなく、時間に関するすきまのこともいいます。
また、人間関係において、不和が生じることも意味することがあります。
「間隙を縫う」の形で使われることも多く、すきま時間を見つけてなにか物事を行ったり、密接したものとものとの間にわずかなすきまを見つけ、そこになにかを置いたりするときに使います。
「はざま」【はざま】
漢字では「間」や「狭間」と書き、ものとものとの僅かなすきまのこと、という意味のほかに、谷あいのこと、今の瞬間と次の瞬間との間のことなども意味します。
また、特殊な場合には、城壁に作られた小さな穴のことを意味し、矢や砲弾が出てくるすきまのことをいいます。
それぞれ矢狭間や鉄砲狭間などと呼ばれます。
「割れ目」【われめ】
もともとは一つだったものが、なんらかの理由で裂け、すきまが出来た部分のことや、そのような形をしている部分をいい、「わ(れ)め」と読みます。
氷河にできた割れ目のことはとくに、「クレバス」と呼ばれます。
また、麻雀のローカルルールにも「割れ目」と呼ばれるものがあり、このルールを採用することで、大きな番狂わせが起こり、順位に大変動が起こります。
「空隙」の英語
最後に、「空隙」を表す英語をご紹介します。
知らない言葉を調べるときは、英語もあわせて押さえておくと、一気に語学力もアップします。
- “gap”
- “crack”
“gap”
“gap in the window”(窓のすきま)
洋服のブランドとしても有名な単語ですが、“gap”とは、すきまやズレのことを意味する言葉です。
とてもか弱そうな女性が畜産の現場で働いているときに、見た目とかなりギャップがあるね、などといいますが、このギャップというのも、ズレのことを意味します。
理想と現実、建前と本音などにも、ギャップがあることが多いかもしれません。
“crack”
“crack in the window”(窓のヒビ)
割れ目、裂け目、ヒビなどを意味する単語です。
ガラスのコップにヒビが入った、というようなときに使われます。
また、動詞的用法として、「割る」という意味でも使われています。
ものに対してのみ使われるわけではなく、あの人との関係に亀裂が生じた、というようなときにも使うことができます。
また、カタカナ語として、マンション管理の業界などでは、「クラック」と呼ばれ、壁の亀裂などを表すときに使われています。
「空隙」とは、すきまのことを意味する言葉でした。
風通しをよくする意味でも、あまり詰まりすぎているとよくないものもあります。
人との間にも上手に「空隙」を入れて、健やかな関係を築けるようにしておくといいかもしれませんね。