「看做す/見做す」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
皆さんは、「看做す」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は人の会話を注意して聞いてみると、ごく稀に使われることがありますが、めったに出てくるものでもないでしょう。
そこで今回は、この「看做す」について、説明をしていくことにします。
目次
- 「看做す」の意味とは?
- 「看做す」の読み方は?「見做す」との違いはある?
- 「看做す」の漢字を分解して解釈
- 現在の法令では「みなす」とひらがな書きする?
- 「看做す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「看做す」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「看做す」の英語(解釈)など
「看做す」の意味とは?
「看做す」とは、「仮にそうというふうに見る」、「そうでないものをそうとして見る」、「仮定する」という意味があります。
他に「ある決断をしてそうと決めつける」、「見とどける」、「世話をして育てあげる」などの解釈もあります。
また、法律面では、「ある事物と性質の異なる他の事物を、一定の法律関係について同じと認識して同じ法律効果を生じさせる」という定義でも使われます。
具体的には、「未成年者が結婚すれば、婚姻すれば成年として扱う」という場合に「看做す」が当てはまります。
「看做す」の読み方は?「見做す」との違いはある?
「看做す」は「みなす」という読み方になるのですが、「見做す」という書き方もあります。
しかし、言葉の意味や使い方は全く同じものになります。
本来は「看做す」と書くのが正しいのですが、常用漢字の制約から「見做す」と書くようになっています。
法的解釈で「看做す」を使う際にも「みなす」とひらがなで書くことになっています。
「看做す」の漢字を分解して解釈
「看做す」を2つの漢字に分けて、それぞれの意味を見ていくと、言葉の意味に興味深いものが見えてきます、
「看護師」という職種でも使われる「看」は、「みる」という読み方があり、「注意して見る」という意味があります。
「做」音読みで「さく」、「さ」、訓読みでは「つくる」や「なす」と読みます。
意味は「なす」、「する」ということを指しています。
現在の法令では「みなす」とひらがな書きする?
前の項目でも、少し触れましたは、常用漢字ではないために、法令でも「みなす」とひらがなで表記されます。
法律で使われるケースとしては、「みなし規定」、「みなし公務員」などがあります。
「看做す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、ここで「看做す」を使った例文を見ていくことで、どのような場面で使えるのか考えていくことにしましょう。
- 「看做す」を使った例文1
- 「看做す」を使った例文2
「看做す」を使った例文1
「郵便局員は、その職業上、看做し公務員とされています」
郵便職員は今でこそ民間企業の職員となっていますが、実際には法律上では、公務員として扱うようになっています。
実際には公務員ではないが、業務の公共性などを考慮して、公務員として扱われる「看做し公務員」です。
しかし、普段の表記では「みなし公務員」として使われています。
「公務員」となると、世間からの見方も厳しくなるので、そのような立場にある人は、プライベートの生活も厳しくなってしますので、大変な仕事です。
「看做す」を使った例文2
「今回のネットアンケートで回答しなかった人は、同意しとこと看做すことにします」よくあるのは、企業内で社内アンケートを全社員に求めて、会社の経営方針に対しての賛否を問うことです。
社内イントラで社員の意思を確認するために、スピーディーな収集が可能になってきます。
しかし、答えなき人は賛同したことと「看做す」ことは、ちょっと強引かもしれませんね。
ここまで強硬なことをしないと中々、物事が進まないということもあるので、ある意味、強引なやり方で進めていかないと、結論を導き出せないこともあるのかもしれません。
「看做す」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「看做す」は、他に似ている言葉ではどのようなものがあるでしょうか?
類義語をいくつか見ていくことにします。
- 「推定する(すいていする)」
- 「取りなす(とりなす)」
- 「見立てる(みたてる)」
「推定する(すいていする)」
「推定する」という言葉が「看做す」の類義語として扱うことができます。
意味は、「おそらくそうだろうと推し量って判断すること」ということを指しています。
「推定する」行為は、ビジネスシーンでは、よくあることです。
予測することが難しいことに対して、「推定する」ことで、それ以降の結論に近づける検証を進めることになってきます。
「推定する」という行為は、何となく研究分野に携わる人や技術部門で出てきやすい言葉かもしれません。
エンジニアや研究者は、ある目的に向かって、研究を進めたり、技術者開発を行って行きます。
しかし、その目的に果たして達することができる保証が必ずしも、あるわけではありません。
その前に「推定する」ということを行い、それが正しいことなのかという確認ステップを何度も繰り返しながら、研究・技術開発を行っているのです。
「取りなす(とりなす)」
「取りなす」というという言葉も類義語の1つとして挙げることができるでしょう。
「あるものを別のものとして扱うこと、判断する」という意味もある言葉です。
「この問題は、個人的な問題としてだけでなく、僕ら全体の課題として取りなすことにする」というような使い方になります。
「見立てる(みたてる)」
「見立てる」という言葉もありますが「仮にそうであろうと判断すること」という意味で使われます。
「A国を敵国として見立てて対策を打つ」などで用いられるケースがあります。
「見立てる」という言葉は、仕事をしている中でもよく使われている言葉ではないでしょうか?
「君の見立てでは、今月の売り上げ見込みは、どのくらい?」というような会話があります。
会議中での会話で上司から売上予想を聞かれるような場面です。
「看做す」の英語(解釈)など
「見做す」を英語で訳すなら、“regard something”、“consider”、“think of something”などの言葉で表現することができます。
「看做す」という言葉が使われるケースは結構身近な場面でもよくあることです。
「看做す」は言い換えると、「仮定する」という行為になるので、「仮説」と「検証」ということを行う時に当てはまる言葉ではないかと思われます。
ビジネスシーンでは、新たな事業を立ち上げる時に、ある「仮説」を立てて進めることがあります。
その後に「検証」することが重要なのですが、「看做す」は、このような場面で使える言葉です。
しかし、言葉自体に重たい印象があるので、他の言葉(類義語)で言い換えることが多いのかもしれません。