「上梓」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
皆さんは「上梓」という言葉を見たり聞いたことがあるでしょうか?
この言葉は普段の会話の中では、頻繁に出て来ることがないので、どのような意味があるのか、また読み方も知らないという人が結構いるのではないかと思います。
そこでここでは、この「上梓」について解説をしていくことにします。
目次
- 「上梓」の意味とは?
- 「上梓」の読み方
- 「上梓」の語源や由来
- 「上梓」使った言葉や意味を解釈
- 「上梓」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「上梓」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「上梓」の英語(解釈)など
- 「上梓」のお祝いはどうしたらいい?
「上梓」の意味とは?
「上梓」とは、「図書を出版すること」や「文字を版木に刻むこと」、あるいは「書物を出版すること」という意味を持つ言葉です。
また、「出版」という解釈の他に「研究の成果を発表する」、「自分の研究成果を社会の役に立てること」、「原稿を書くこと」、「(下書き)を清書すること」というような意味合いで使われることがあります。
何れにしても、文書を書いてそれを世間に公表するような行為に関連している感じがします。
「上梓」の読み方
「上梓」は「じょうし」という読み方になりますが、めったに出て来る言葉ではないので、ここて忘れないようにチェックしておいてください。
「上梓」の語源や由来
「上梓」という言葉はどのような由来で生まれた言葉でしょうか?
「上梓」は中国から伝わってきた言葉で、昔の中国で梓(あずさ)の木を版木として使い、多くの印刷を行ってきたことから発生した言葉とされています。
日本の版木の印刷は古くから行われていましたが、山桜、つげの木が版木として使われていたので、やはり「上梓」は中国伝来の言葉であることが分かります。
「上梓」使った言葉や意味を解釈
では、「上梓」を使った言葉を解釈してみることにしましょう。
- 「上梓する」
「上梓する」
「上梓」は名詞形の言葉なので、これに「する」を付けて、動詞形の「上梓する」という言葉で使われます。
「自分の著書を出版する」という解釈が最もポピュラーな活用法ですが、「今まで自分が取り組んできた研究成果を世間に発表する」という意味でも使えるかもしれません。
「上梓」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、「上梓」を使った例文をいくつか挙げて行きますので、どのような活用法ができるのか、理解を深めてもらえればと思います。
- 「上梓」を使った例文1
- 「上梓」を使った例文2
「上梓」を使った例文1
「田中先生は、今回の作品の前作の続編として上梓することにしたのです」
作家は優秀な作品を書き続けることに、大変な労力を費やすことあります。
特にベストセラーとなった小説だと、その後に続く作品は、非常に苦労することになるでしょうが、それが作家の宿命なのでしょう。
「上梓」を使った例文2
「我が社の社員が処女作を上梓して社内の人間を驚かせた」
最近は無名だった作家がいきなり大賞を取ったりして、世間の注目を浴びることがあります。
芸能人やコメディアンでも、小説を書いてベストセラーになることで「先生」に格上げされることが珍しくないのですが、企業でもサラリーマンが小説を発表するだけでなく、それが出版会社の目に止まり、「上梓される」ことがあるので、普通のサラリーマンが、ある日から「先生」と呼ばれるのです。
「上梓」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
では、ここで「上梓」と似ている言葉をいくつか挙げてみることにしましたが、どのような類義語があるのでしょうか。
- 「出版」
- 「発行」
- 「発刊」
「出版」
「出版」という言葉が「上梓」の類義語として、すぐに思い浮かべる言葉ではないかと思います。
「出版」とは。
「印刷物を冊子(さっし)にして広めること」という意味を持っている言葉で、冊子は、私達が普段から読んでいる本や書籍のことを指しています。
時々、「新聞を出版する」という言葉を使うそうになる人もいますが、新聞は冊子ではないので、この表現は誤用となり、注意が必要です。
「発行」
「発行」という言葉の「上梓」に近い意味を持つ言葉で。
「本や書籍だけでなく価値の高いものを印刷して交付する」という意味があります。
そのために冊子や新聞のみならず、お札(お金)や切手でも、この「発行」という言葉が適用されます。
時々「再発行」という言葉を耳にすることもありますが、「免許の再発行」や「定期券の再発行」という場面でも使われます。
本や書籍、雑誌などの冊子を印刷して世間に送り出すことを「発行」という言葉で表現しますが、「発行」と「出版」を混同して使うことがあるので、正しい理解の上で使い分ける必要もあります。
本や書籍なら、「出版」、新聞だと「発行」という具体で使うことですが、間違っても「免許を出版」なんて使う人はさすがにいないでしょう。
「発刊」
「発刊」も「上梓」に近い意味を持つ言葉ですが、「継続的に出版して世間に送り出す」ということを指しています。
週間単位、月間単位で連載される雑誌やコミックを出すことも「発刊する」という言葉で表現しています。
「定期刊行物」という位置付けにあるコミックや雑誌の類いは、初めての「発刊する」場合に「創刊」という言葉で表現して、それ以降は「発刊する」と言っています。
身近な言葉だけに、これらの類義語を正確に使えるようにしたいものです。
「上梓」の英語(解釈)など
「上梓」を英語で訳すと、“issue”、“release”、“bring out”、“publish”などの言葉で表現することができます。
“publish”は「印刷」という意味ですが、“release”はカタカナ語で「リリース」という言葉で使われることがあるので、意外に認知されている言葉ではないかと思います。
「上梓」のお祝いはどうしたらいい?
人が著作を「上梓」した時はある意味おめでたいことかもしれませんが、友人や知人が本を「上梓」した場合、記念式典などが催されることがあります。
そのような時は、何かお祝いをしなくてはならないでしょうか?
結婚式のように招待されることがあるなら、何かお祝いを考えておいた方がいいかもしれませんので、大きな会場で披露パーティーがあるなら、ご祝儀として1万円〜2万円包むことがいいでしょう。
「上梓」という言葉の意味や活用シーンを調べていくと、本当に日本語には本当に色々な言葉があることを想い知らされます。
あまり使うことがない言葉だけに、この言葉の意味を調べていくと、「出版」や「刊行」というような類義語まで広がり、言葉の奥深さに感動さえ覚えてしまいます。
私達は、日頃から使っている言葉をきっかけに、もっと日本語のすばらしさを理解する必要があると思います。