「幽玄」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
「幽玄」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは日本文化の感覚を表す理念の1つであり、歴史や美術が好きだという人であれば知っているかもしれません。
ここでは「幽玄」という言葉について紹介します。
目次
- 「幽玄」の意味とは?
- 「幽玄」の読み方
- 「幽玄」の使い方
- 「幽玄」を使った言葉と意味を解釈
- 「幽玄」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「幽玄」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「幽玄」の英語(解釈)など
「幽玄」の意味とは?
「幽玄」という言葉は日本文化の文化や芸能、絵画や建築など、様々な芸術領域における理念の1つと考えられています。
もともとは仏教などの中国の思想で用いられる言葉でしたが、平安時代後期からこの言葉が日本に入り込み、特に鎌倉時代に有名となった代表的な家人である藤原俊成によって多く用いられました。
それにより、特に歌を評価するための言葉として使われるようになったと考えられています。
今では能楽、前、茶道、などでも使われます。
そして物事の趣が奥深い、高尚で優美である、気品があって優雅である、上品である、などという時に使われています。
「幽玄」の読み方
「幽玄」という言葉は「ゆうげん」と読みます。
幽霊という漢字と同じ字を書きますので、なんだか怖い言葉ではないかと思う人もいるかもしれませんが、そのような事はありません。
「幽玄」の使い方
「幽玄」という言葉は奥深くて計り知れない、趣が深くて味わいが尽きない、など、褒める意味合いで使われています。
美的理念の1つであるため、美術や歴史についてよく知っている人であれば、知っている・使いこなせる、という言葉なのではないでしょうか。
中世の美的理念の代表であり、日本的な美しさを表すときに使われます。
徒然草でもこの表現が使われています。
「幽玄」を使った言葉と意味を解釈
ここでは「幽玄」という言葉を使った表現をいくつか紹介します。
- 「幽玄微妙」
「幽玄微妙」
「幽玄微妙」という言葉は非常に趣き深いという「幽玄」という表現を強調したものだと言えるでしょう。
微妙という言葉には趣深く、何とも言えない美しさや味わいがあるという意味を持ちます。
一言では言い表せないほどの繊細さがあるとも言われており、「幽玄」という表現に微妙という表現を加え、より趣がある、という表現にしています。
「幽玄」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「幽玄」の例文1
- 「幽玄」の例文2
「幽玄」の例文1
「美術展に行ってきたけれど、あの幽玄な絵画は本当に奥深い」
日本の美術展などに行くと、日本文化を象徴したような絵画がたくさん飾られていますね。
中には理解しにくいと思うものもあるでしょう。
一方で、誰が見ても趣がある、誰が見ても美しい、と思える絵画もたくさんあります。
そのような感性を磨くために、美術展に足を運ぶということも良いのではないでしょうか。
また、絵画ではなくても清水寺や金閣寺など、特に京都に行くと様々な建築物があります。
このような建築物は日本の美意識を表しており、外国人にも人気があります。
銀閣寺などは地味だと思う人もいるかもしれません。
しかし、そこに表された日本古来の美というものが多くの人の関心を集めているのです。
「幽玄」の例文2
「先日はたくさんの絵画に没頭し、幽玄な1日を過ごしました」
美術が好きな人にとっては、美術館などは宝の場所なのではないでしょうか。
どれだけ普段疲れていたとしても、そのような場所に足を運んで絵画を見、芸術に浸ることで、幸せな1日が過ごせるという人もいるかもしれませんね。
また、先ほどと同じように、奈良や京都にある古い建築物を見てみると、心が安らぐという人もいるのではないでしょうか。
奈良や京都と言えば日本の文化が集まった場所です。
最近趣のあるものに触れていない、日本の文化に浸ってみたい、と思うのであれば、このような地域を訪れても良いでしょう。
「幽玄」、風情がある、などといった感覚を感覚は目に見えませんが、ぜひ養っていきたいものです。
「幽玄」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
ここでは類義語を紹介します。
- 「わびさび」
- 「趣」
- 「風情」
「わびさび」
わびさびというのは日本の美意識の1つです。
質素で静かなものを指すことが多く、本来、ワビとサビは別物ですが、ひとまとめに語られることがほとんどだと考えられます。
ワビというのは龍安寺や兼六園に代表され、銀閣寺などもよく知られています。
不足の中に心の充足を見出そうとする意識というものを指しているのです。
それに対してサビというのは閑寂さの中に奥深いものや豊かな物がおのずと感じられる美しさ、を指しています。
ちなみに、わびさびのものはどうしても地味であるということから、最近では「ワビ・サビ・ジミ」などと言われることもあります。
ただし、地味なものの全てがわびさびというわけではありません。
「趣」
趣というのはそのものが感じさせる風情を指しています。
しみじみとした味わい、上品で雰囲気があり、心惹かれる味わい、などという意味を持っています。
これは「おもむき」と読みますので気をつけましょう。
例えば紅葉の時期の清水寺に行き、清水の舞台を眺めて「趣があるね」と表現することも可能です。
紅葉の時期や桜の時期には特に人気がある観光スポットですので、興味がある人は行ってみると良いかもしれません。
「風情」
風情とは、独特の趣や味わい、あるいは気配を指す場合もあります。
日本古来に存在する美意識の1つと考えられており、長時間かけて大自然がもたらした物体の劣化、本来の日本の季節が作り出す儚さや質素さ、空虚なものの中にある美しさなどを見つけ、感じるものを指しています。
「ふぜい」と読みます。
劣化しているものも風情の1つ、ということを覚えておきましょう。
全てが新しければ良いというわけでは無いのです。
「幽玄」の英語(解釈)など
この表現は日本古来のものですから、英語に直訳することはできません。
辞書では“subtle and profound”などという表現が紹介されており、“A world of dedicated beauty”などと説明される場合もあります。
- 「幽玄」の英文例
「幽玄」の英文例
“At the museum, we enjoyed the mysterious profundity of this picture.”
これは、「美術館で私たちはその絵画が持っている幽玄な趣を楽しんだ」という意味になります。
「幽玄」、という表現は日本古来の言い回しですので、日本人としてはぜひ覚えておきたいものです。
日本の美意識の中には感覚で捉えるものも多いですが、このような表現は使えるようにしておきたいですね。