「穀潰し」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
「穀潰し」、という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
悪い意味を持つ言葉なのではないかと思っている人もいるかもしれません。
それならば、「穀潰し」という表現にはどのような意味があるのでしょうか。
ここでは「穀潰し」という言葉について紹介します。
目次
- 「穀潰し」の意味とは?
- 「穀潰し」の読み方
- 「穀潰し」の語源
- 「穀潰し」を使った言葉と意味を解釈
- 「穀潰し」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「穀潰し」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「穀潰し」の英語(解釈)など
「穀潰し」の意味とは?
「穀潰し」という言葉には食べるだけは一人前で何の役にも立たない人、という意味があります。
罵って使う言葉であり、ただ単に役に立たない人を指すわけではありません。
飯を食うだけで働かない人、などという意味もあり、定職もなくふらふらと遊び暮らしている人を罵った表現です。
最近ではニートなどという定職につかない人、という表現も使われるようになりましたが、「穀潰し」というのは生産性がない人を指しており、例えば仕事に就いていたとしても人並みの仕事をせず、それで給料をもらおうとしている人を「穀潰し」、と表現する場合もあります。
「穀潰し」の読み方
「穀潰し」は「ごくつぶし」と読みます。
穀物の「穀」ではありますが、濁点がついた形になります。
「穀潰し」の語源
「穀潰し」の語源は「穀物を潰す」から来ています。
かつて日本は農業で成り立っていましたが、農業に全然協力的でないにもかかわらず、食べることだけは人一倍、という人は今以上に白い目で見られていた傾向があります。
今でも「働かざるもの食うべからず」などと言いますが、その比ではなかったと考えられます。
そのため、「苦労して収穫できた穀物を潰すようになくされてしまう」という気持ちが「穀潰し」という言葉を作り出したと考えられています。
また、穀物の「穀」は「こく」と発音しますが、「穀潰し」に対する怒りや穀物を食べられてしまった後悔の気持ちが含まれているため、そこに濁点がついたのではないかと言われています。
「穀潰し」を使った言葉と意味を解釈
ここでは「穀潰し」の表現を使った言い回しを紹介します。
- 「穀潰し息子」の意味
「穀潰し息子」の意味
自分の子供には学校卒業したらきちんと就職して欲しいですよね。
仮に何かしら仕事ができない理由があるならば、家事をすることもできるはずです。
しかし、定職に就くどころかアルバイトもしない、仕事をする気もないため家事をせずに遊び歩いてばかりいる、という息子がいれば、その息子は「穀潰し息子」と言われてしまうでしょう。
それなりに仕事をして家にお金を入れれば「穀潰し」、と言われる事はありません。
しかし、働かず家事もしない、遊んでばかり、働く気もない、それでも家族が稼いだお金で食事を取る、遠慮も見せない、ということであれば「、穀潰し息子」になってしまいます。
「穀潰し」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「穀潰し」の例文1
- 「穀潰し」の例文2
「穀潰し」の例文1
「あそこの息子さんは本当に働かず、穀潰しらしくて奥さんも困っているみたい」
噂は素早く広まります。
もしも近所で仕事をせず、家のことも手伝わず、お金を稼ぐ気もなくお父さんが稼いだお金で購入した食品を食べている、という人がいたら、その噂は瞬く間に広まってしまうのではないでしょうか。
その息子である本人のお母さん、つまり近所の奥さんが困っている、などという話も広まっていくかも知れませんね。
人は噂話が好きですから、このような噂は悪い意味で広まっていく可能性があります。
「穀潰し」の例文2
「たとえ定職につけなかったとしても、穀潰しとは言われないようにね、自分の面倒は自分で見られるようになりたいです」
最近は経済的に厳しい時代です。
そもそも企業などが新入社員を募集していない場合もあり、正規社員として働くことが難しいとも言われています。
派遣などの非正規社員として働く人も珍しくありません。
しかし、それなりに仕事をすればお金は稼げるものです。
自分が食べる分ぐらいは稼げる、なんとか頑張れば、夫婦で協力すれば十分食べていけるものです。
「穀潰し」にならないように、自分の面倒は自分で見られるように、そして何かあっても大丈夫なようにスキルを身に付けるなど、日ごろから努力を重ねていきたいものです。
「穀潰し」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
ここでは類義語を紹介します。
- 「ニート」【にーと】
- 「パラサイト」【ぱらさいと】
- 「タダメシ食い」【ただめしくい】
「ニート」【にーと】
ニートというのは就学、就労、職業訓練のいつでも行っていない人を指しています。
日本では15歳から34歳まで、日労働力人口のうち、学校も行っておらず家事もしていない、という人を指します。
例えば20代後半で仕事をしていなかったとしても大学院や専門学校に通っていればニートとは呼びません。
就職氷河期等を迎え、正規雇用で就職できなかった人たちが自宅に引きこもりようになり、ニートが増えたとも言われています。
「パラサイト」【ぱらさいと】
パラサイトとは学校を卒業した後も親と同居し、基礎的な生活条件を親に依存している独身者のことを指しています。
親に依存していなかったとしても、過剰な財産分与等を受けたことで自分で生活力を持たなくても大丈夫、という人を指す場合もあります。
これは東京学芸大学の助教授によって作られた表現です。
もともとはパラサイトシングルという表現から作られた言葉で、最近ではパラサイト中年という表現もできあがりました。
「タダメシ食い」【ただめしくい】
タダメシ食いというのは家族や他人の家に居候をして、働きもせずに養ってもらっている人のことを指しています。
人間は生きていく上で何かを食べなければいけませんが、何かを食べようと思えば食費がかかります。
その食品を人任せにして食べて生きていこうとする人のことをタダメシ食いというのです。
「穀潰し」の英語(解釈)など
「穀潰し」という表現を英語にすると“good for nothing”や“idler”などになります。
例えば、「あの人は穀潰しだ」というのであれば“He's good for nothing.”になります。
「穀潰し」という表現は農業で成立していた日本ならではの表現です。
確かに人間は食事をしていかなければ生きていけませんが、食事はタダではありませんね。
特に最近では年金で生活できる時代ではなくなり、年金生活になったら親に頼って生きて行く事はまず困難だといえます。
きちんと自立できるように、そして自分の面倒は自分で見られるようなスキルは大切です。
自分には何の能力もないと思うのであれば、専門学校に通ってみても良いかもしれません。