「令」とは?意味と使い方!関連語まで解説!『令』と『マ文字の令』はどちらも正しい?
激動の平成が終わり、いよいよ新しい時代になってきますが、「令和」という元号に新たな幕開けを予感させてくれるのではないかと思います。
そこで、今回は「令和」に使われている「令」という文字についてフォーカスしていこうと思います。
目次
- 「令」の意味とは?
- 「令」の読み方
- 「令」の言葉の使い方
- 「令」を使った言葉と意味を解釈
- 「令」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「令」と「マ文字の令」はどちらも正しい
「令」の意味とは?
「令」には、実に様々な意味が込められています。
「命令」、「布告」、「法令」という意味があり、「長から家臣に令を下す」などの活用法があります。
また、古い中国の制度のことを「令」と表現する際に使われることがあったのですが、現代で言う「地方長官」のことを指しており、郡県制下での県の行政官のトップである「県長官」のことになります。
併せて、明治初期には、府や県の長官のことも意味しており、今の知事の古い呼び名でもありました。
このような解釈が「令」に見ることができるのです。
「令」の読み方
「令」は「れい」という読み方がポピュラーですが、「りょう」と発音することもできます。
「令」の言葉の使い方
「令」を使うケースとしては、「令」一文字で活用されることは少なく、たいていは他の文字と組み合わせた言葉として用いられることが多くなっています。
身近な場面では、「命令」、「指令」という言葉や、「辞令」、「解放令」、「県令」というような言葉でも出てきます。
「令」を使った言葉と意味を解釈
では、ここで「令」を使っている言葉を見て、それぞれの意味を解釈していくことにしましょう。
- 「令色」
- 「令和」
- 「令月」
- 「時令」
- 「律令」
「令色」
「令色」という言葉がありますが、「相手に気に入られようとして、自分の心とは裏腹に顔色を繕う(つくろう)こと)」という意味になります。
「彼女は、上司に気に入られようと令色を振る舞っている」というような使い方になるでしょう。
「令和」
「令和」という言葉こそ、今、最もホットなキーワードではないでしょうか?
「平成」の次の元号で、日本最初の元号と言われている「大化」から248番目の元号となります。
「令和」は「万葉集」から引用された言葉とされていますが、これからの新しい時代に期待が高まってきます。
「令和」の時代に生まれてくる新しい命にも大きな期待ができそうです。
「令月」
「令月」という言葉もあるのですが、これは「何事をするにもよい月」のことで、「おめでたい月」とも言われています。
「嘉辰令月」という四字熟語で目にする言葉ですが、「めでたい月日のこと」で、「よき月よき日」と解釈することができます。
「月」という文字もどこか静寂で清楚かつ神秘的な印象を覚えるのですが、この素晴らしい意味を持つ言葉を組み入れた会話ができる人がめったにいないことは、とても残念なことです。
このような言葉をさりげなく現代の会話の中でも使うことができるようになったなら、もう知恵深い人として崇められる可能性があると思います。
「時令」
「時令」とは、「1年中の行事」、「年中行事」のことを指していますが、主に政府などの国家機関の行事を指すことが大半ではないかと思います。
また、「時節」、「時候」という意味で使われることもあります。
「律令」
701年に制定された「大宝律令」が有名ですが、「律令」も「令」が含まれた言葉としては、知名度が高い表現と言えるでしょう。
日本では「奈良や平安時代の法律」を指していますが、元々は東アジア地域に存在した法体系のことで、「律」は刑法を意味して、「令」は現代の行政、訴訟、民事に関する法律のことを指していました。
「律令」は現代社会の法治国家の起源と言ってもいいのではないかと思われますが、私達が教わった日本の歴史の中でしか触れることがないので、このような機会に「律令」の意味を勉強することは、とても意義深いことです。
「令」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「令」単独では活用されるパターンがありませんが、この文字を含んだ文章をいくつかの考察してみたいと思います。
- 「令」を使った例文1
- 「令」を使った例文2
「令」を使った例文1
「私が勤める会社では、上司の命令は絶対なのです。反論することや意義を唱えることは許されません」
今、このような企業があるとしたなら、まさにブラック企業と言われても仕方がありません。
今では「働き方改革」の波の中で、人が人らしく働くことができるようになりつつある時代なので、このような企業は自然と淘汰されていくのかもしれません。
ちなみに「令」には「言いつける」という意味もあり、「立場が上の人から下の人に言いつけること」という「命令」の成り立ちも納得できます。
「令」を使った例文2
「彼女は、大企業の社長の令嬢なので、お付き合いするのも大変だ」
ここで出てくる「令嬢」は他人の娘さん敬っていう表現ですが、「令」には「相手に関係する人」を尊敬して使われることができます。
「令嬢」という言葉を聞くと、「育ちのいいお嬢さん」というイメージがありますが、中には元気の良すぎる女性もいたりして、決して「令嬢」とは言い難い人もいますが、それでも一流家庭で育てられた人であることは間違いないでしょう。
「令嬢」の他に「令兄」、「令姉」、「令弟」、「令妹」、「令息」などの言葉もありますが、現代の会話の中では、ほとんど使われることがありません。
「令」と「マ文字の令」はどちらも正しい
色々な文章の中に「令」が「マ文字の令」となっていることがあります。
よく目にするのは、小学校の教科書などで「令」の下部が「マ」になっています。
ワードなどで明朝体でレポートを作成して紙で打ち出して見ると、正しく「令」になっています。
これは常用漢字の一例として「明朝体活字」の中で、便宜的に使われているものです。
あくまでデザインの違いから来るものであって、決して「マ」のように書かれてあっても、活字と同じく書いて問題はないとされています。
私達が普段使っている言葉には、様々な言葉がありますが、その中の一文字を深く考察するような機会は、めったにないでしょう。
しかし、時代が「平成」から「令和」と移る中で、改めて「令」という文字に触れてみることは、日本語や漢字の意味を深く学ぶチャンスでもあると思うのです。
この「令」は古くから使われていた文字だけに、この新しい時代で見つめ直してみることもいいのではないでしょうか?