「有識者」の意味とは?「識者」の違い、例文や類語、対義語や英語を紹介
「有識者」という言葉はよく使われますが、一体、どのような人が「有識者」と呼ばれるのでしょう?ここでは、「有識者」という言葉についてご紹介していますので、そういえば曖昧だ、よく知らない、という方はぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「有識者」の意味とは?
- 「有識者」の読み方
- 「有識者」の言葉の使い方
- 「有識者」を使った言葉と意味を解釈
- 「有識者」を使った例文や短文など
- 「有識者」の類語や言い換え
- 「有識者」の対義語
- 「有識者」の英語
- 「有識者」と「識者」の違い
「有識者」の意味とは?
「有識者」とは、名実ともに、ある分野に関しての専門的な知識を有しているとされる人のことを言います。
テレビなどメディアにはコメンテーターと呼ばれる、専門家ではないが意見を言う人物がたくさんいますが、「有識者」とは、専門にその分野を学び、知識と実績を多く持つ人のことです。
「有識者」の読み方
「有識者」は「ゆうしきしゃ」と読みます。
「有」という漢字はほかに、「ウ」「あ-る」「も-つ」という読みを持ち、ある、備えているといった意味で使われています。
「識」という漢字はほかに、「シ」「ショク」「し-る」「しる-す」という読みを持ち、知る、悟る、考える、見分けるといった意味で使われています。
「者」という漢字はほかに、「もの」という読みを持ち、主体となる人のことを表します。
「有識者」の言葉の使い方
「有識者」という言葉は、その人物が専門知識を有し、その界隈で立派な功績をあげてきた人物であることを、誰にでもわかる形で表すのにとても便利な言葉です。
「有識者」という言葉を使うだけでも、その人が玄人であることがわかりますが、実際にどのような功績を残してきた人なのかについての詳細がわかると、より周囲に安心や信頼を与えることができます。
「有識者」を使った言葉と意味を解釈
では、よく使われている「有識者」を使用した語句を紹介します。
一般的な使い方を知っていれば、どこかで応用をきかせることも可能でしょう。
- 「有識者の意見」の意味
- 「有識者会議」の意味
「有識者の意見」の意味
「有識者の意見」とは、素人考えでなく、その道を探求してきた人物による、専門的な見解を意味する言葉です。
知らないからこそ言える意見が重視されることがらもありますが、多くは「有識者の意見」を無視して考えられるものではなく、その世界を知り尽くした人からの意見を大事にして考えられます。
「材料にこだわったパン屋を開きたいので、まずは有識者の意見を聞きに行こうと思う」
「有識者会議」の意味
「有識者会議」は、国や地方自治体の諮問機関として存在し、各界の「有識者」から構成されます。
具体的には、経済界、マスコミ、文化人などの、さまざまな知識に精通した人物から選ばれ、偏りがなく、幅広い観点を持った人々で行われます。
「有識者」を使った例文や短文など
次に、「有識者」を使用した例文をご紹介します。
具体例を知っておくことで、応用がきくようになりますので、ぜひ目を通しておいてください。
- 「有識者」の例文1
- 「有識者」の例文2
「有識者」の例文1
「ガラス工芸の有識者を招いて、学生に講演会を開いてもらった」
若いうちに本物に触れることは、とても重要なことです。
一流の人物に会うことで、若者たちは自分の目指すべき将来のロールモデルを見つけることができるかもしれませんし、研究したい分野について、長年研究してきた人と意見交換をすることで、自分の考えが正しいのかどうかを精査することもできます。
「有識者」の例文2
「現代のいじめ問題は複雑で、有識者がなんと言おうと、現場では通用しないこともある」
教育に関する研究を行っている人は多数いますが、子どもは自分たちのことを俯瞰して考えず、ときに暴力的になったり、陰湿にだれかをいじめることがあります。
そのような子どもたちの無垢な暴力は、大人には想像もつかないものであることも多々あります。
「有識者」が語ることですら机上の空論であり、現場を見ている教師や保護者、子どもたちからすると空虚な詭弁ととられることも少なくありません。
「有識者」の類語や言い換え
「有識者」の類語にはどのようなものが挙げられるか見ておきましょう。
「有識者」という言葉が使いにくい場面では、類語を代用するといいかもしれません。
- 「専門家」【せんもんか】
- 「プロ」【ぷろ】
「専門家」【せんもんか】
「専門家」とは、技術や能力、知識が、ある特定の分野で秀でている人のことを言います。
しかし、自身では「専門家」と名乗ることは簡単ですが、周囲からも「専門家」と認められるまでは道のりが遠い場合もあり、名実ともに知識人であるとされる「有識者」とは違う部分もあります。
他者からも「専門家」であると認められたときには、「有識者」と大差ないところまで道を究めてきたのだ、と感じるかもしれません。
「専門家の意見には説得力がある」
「プロ」【ぷろ】
「プロフェッショナル」の略語という形で、日本でもカタカナ語としてよく使われます。
特定の職を追究し、知識や経験の面でも申し分なく、自らの流儀を持っているような人に対して使われます。
「プロ意識」「プロ根性」などの語句もよく使われ、その仕事に向かう思いの強さや、妥協しない点などが周囲にも認められています。
「さすがプロは言うことがちがう」
「有識者」の対義語
「有識者」の対義語としては、「素人」や、プロと対の関係にある「アマ」、「アマチュア」などが挙げられます。
どちらもその分野について精通しておらず、またはまったく関係のない人のことを意味します。
なにかの分野では「有識者」として認められている人も、まったく異なる分野では「素人」であることも多く、一人の人でも分野が違えば「有識者」にも「素人」にもなりえます。
「有識者」の英語
「有識者」を表す英語としては、“expert”や“knowledgeable person”などを知っておくといいでしょう。
どちらも、「専門家」「有識者」といった意味で使われています。
また、「知的な」という意味で使われる“intellectual”という単語が使える場面もあるかと思いますので、あわせて覚えておきましょう。
「有識者」と「識者」の違い
メディアではどちらの言葉も使われていますが、「識者」とは、ある物事を判断するのに必要な能力、知識を有する人を意味します。
「識者」も「有識者」も、似た意味あいで使われますが、どちらかというと「識者」とは、ある一つの分野についての知を持っている人に、「有識者」とは、複数の分野にまたがって知を有する人に対して使われる傾向にあります。
「有識者」とは、専門的な知識を持っている人のことを意味する言葉でした。
どんな分野でも、究めれば「有識者」として重宝される日が来るかもしれません。
好きなものはとことんまでやる、というのは、人生の面白みでもあるでしょう。