「任官拒否」とは?意味と使い方!防衛大学校の学費などを紹介!
この「任官拒否」は、毎年3月になると聞くことがある言葉です。
意味が限定された言葉なので、関連する事柄も含めてここで詳しく覚えてしまいましょう。
目次
- 「任官拒否」の意味とは?
- 「任官拒否」の読み方
- 「任官拒否」の言葉の使い方
- 「任官拒否」を使った言葉と意味を解釈
- 「任官拒否」を使った例文や短文・言い換えなど(意味を解釈)
- 「任官拒否」と同じく調べられている事について解説
- 「防衛大卒業式」で大量の任官拒否が出た理由?2019年の「任官拒否」は何人?
「任官拒否」の意味とは?
任官拒否とは、防衛大学校を卒業したにも関わらず、自衛隊に入隊しないことです。
防衛大学校はご存知の通り、自衛官の幹部候補生を育成する為の教育機関なので、卒業後は原則的に自衛隊に入隊することになります。
しかし、これは強制ではないので、それを拒否して民間企業に就職したり、起業するような人も居るのが現実です。
そのような人がこの「任官拒否」したと言われることになり、毎年その人数が発表されています。
「任官拒否」の読み方
「任官拒否」は、「にんかんきょひ」と読んでください。
「任官」とは、官職に命じられることで、ここでは「自衛官」として任命されることを指しています。
それを「拒否」することが、この「任官拒否」です。
この言葉は、ほとんどの場合で防衛大学校の卒業後に自衛隊に入らない(自衛官にならない)ことの意味で使われますが、「裁判官」に対しても使われることもあります(同様に、司法研修後に裁判官になることを拒否した場合です)。
よって、厳密には専門の言葉という訳でありませんが、一般的にはここで解説している意味だと考えておいていいでしょう。
「任官拒否」の言葉の使い方
任官拒否は、それが今年は何人居たというニュースくらいしか使われない言葉です。
正直なところ、人の進路についてのことなので、あまり興味がない人も多いと思います。
ですが、だったら何の為に防衛大学校に入ったのかなどと論議されることも少なくなく、毎年3月から4月に掛けての世間の話題の1つだと考えておきましょう(当事者や関係者にとってはその限りではありませんが、そこまではここでは考えません)。
「任官拒否」を使った言葉と意味を解釈
任官拒否を使った言葉の意味です。
読んで字の如くなので、難しい解釈をする必要はありません。
- 「任官拒否者」
「任官拒否者」
そのまま「防衛大学校の卒業後に自衛官にならなかった人」のことです。
先にも書きましたが、防衛大学校は、卒業後に必ず自衛隊に入らなければいけない訳ではないので、一時的にはどうしても話題になってしまいますが、決して後ろ指を指される必要はありません。
そのような任官拒否者の中には、大学院へ進学する人もそれなりに居るようで、共通して体育会系の体質に馴染めなかった(そこから脱したい)という理由が多いと言われています。
「任官拒否」を使った例文や短文・言い換えなど(意味を解釈)
任官拒否を使った例文や短文です。
特定の意味しかない言葉なので、必然的にそれに絡む例文になります。
- 「任官拒否」を使った例文1
- 「任官拒否」を使った例文2
「任官拒否」を使った例文1
「大体毎年10%程度が任官拒否するようだ」
2016年3月の卒業生からは、毎年それくらいの任官拒否者が出ているというデータです。
2015年までは約5%程度だったので、一気に約2倍になりました。
日本も数年前からすっかりIT社会となり、それによる職業の選択の幅が広がったことが理由の1つだと考えられています。
「任官拒否」を使った例文2
「任官拒否した人には起業した人が多いと聞いている」
確かに任官拒否者には、その後に(いくつかの企業を経た場合も含めて)起業した人が多いというデータが出ています。
その体質には馴染めなかったとしても、防衛大学校時代に培った忍耐力や、チームワークの面などが活かされていると言っていいかも知れません。
「任官拒否」と同じく調べられている事について解説
「任官拒否」というキーワードと共に、世間でよく調べられていることについて解説していきます。
- 「防衛大学校」
- 「防衛大学校の学費」
「防衛大学校」
この防衛大学校とは、幹部候補生として自衛隊に入隊することを前提として入学する教育機関です。
その為の専用カリキュラムが組まれており、卒業後は警察で言うところの「キャリア」(警部補階級からスタート)のような形で自衛隊に入隊できます(原則的に三曹からのスタートになります)。
自衛隊の階級は一番下が「士」で、二士、一士、士長と上がっていき、その上が「曹」になり、三曹です。
防衛大学校の卒業生は、ここからスタートできるというのが最大の特徴です。
そのように、専門性がとても高い教育機関ですが、大学という扱いなので、高校の卒業者(もしくは、その有資格者)が入学します。
卒業後には他の大学の大学院への進学することも資格的に可能です。
「防衛大学校の学費」
防衛大学校には、一切学費は掛かりません。
それどころか、在学中は毎月約11万円(2018年現在)が給与として支払われ、半期ほどに約35万円の賞与の支給まであります。
この大学の学生は、学生でありながら「国家公務員」という扱いになる為です。
その為、卒業しても自衛隊に入隊しないとなると、心ない人から「税金泥棒」などと揶揄されることがあります。
また、任官拒否者にはそれまでに支払った給与や賞与を返還させるという法案が上がったことがありましたが、2019年現在ではまだ成立には至っていません。
よって、今後は分かりませんが、少なくともこれまでの任官拒否者は返還する必要はありません。
「防衛大卒業式」で大量の任官拒否が出た理由?2019年の「任官拒否」は何人?
2019年3月の卒業生478人のうち、49人が任官拒否しました。
その前の2018年は494人のうち、38人が同様に任官拒否しています(共に留学生を除きます)。
前述したように、2016年3月の卒業生から、それまでより急に約2倍が任官拒否するようになりました。
考えられる理由についても先に触れましたが、専門家の間では、この頃から議論が盛んになった、「自衛隊に関する憲法解釈の拡大」が絡んでいるのではないかと言われています。
それにより、場合によっては自衛官が海外の戦地へ行くこともあるかも知れないなどと言われ出した為、それを嫌って任官拒否する人が増えたのではないかと考えられているようです(あくまで専門家による一説です)。
任官拒否は、決して何の違反でもありませんが、卒業式に参加できない(その前日に卒業証書が手渡されるのが慣例です)と大学側が決めていることからも分かるように、決して好まれるものでもありません。
上でも書いたように、その場合には給与や賞与の返還を義務とするような法案まで上がるほどなので、いくら本人の人生とは言っても、これについては見解が難しいところです。