「不興」の意味とは・対義語・類語・読み方・英語【使い方や例文】
この「不興」は、同音で使われる言葉の中で一番見聞きする機会が少ないかも知れません。
その為、詳しく意味などを知らないという人も多いでしょう。
目次
- 「不興」の意味とは?
- 「不興」の読み方?
- 「不興」の英語(解釈)
- 「不興」の反対語や対義語
- 「不興」の言葉の使い方
- 「不興」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「不興」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「不興」の類語や類義表現(シソーラス)
「不興」の意味とは?
不興とは、「興味がなくなる」、「機嫌を損ねる」といった意味で使われる言葉です。
「今日の公演は不興だった」といったような使われ方になる言葉で、この場合の意味は、その公演は観客の興味を惹けなかった(為に、あまり人が入らなかったとまで意味の範疇に入ります)と解釈すればいいでしょう。
「流行らない」、「しらける」と考えても構わない言葉で、この言葉で表される対象は、少なくともそう使った人からはそのように思われていると考えてください。
「不興」の読み方?
「不興」は、「ふきょう」と発音する言葉です。
冒頭で書きましたが、同音で「不況」と「布教」という言葉があり(他にもありますが、主なものはこの2つです)、これらと比較すると、この「不興」は意味が限られている分、使われる機会が最も少ないと思われます。
「不況」は、世間で度々耳にする言葉で、「景気が悪い」ことの総称としてニュースでもお馴染みの言葉で、「布教」の方は、宗教に絡むことだけでなく、誰かに何かを詳しく教える、同じ趣味に引き込むなどの意味で、最近では若者の間でもよく使われるようになった言葉です。
最後の「布教」はともかく、「不況」とは意味的に似たところがあるので、口語で使われた時にそちらと間違えないように注意しましょう。
「不興」の英語(解釈)
不興は、英語では“displeasure”と表現します。
この言葉には「不満」、「立腹」という意味があり、“this performance with a displeasure”とすると、「今日の公演は不興だ」と解釈できます。
観客から不満があったり、立腹されてしまった公演の内容から、「不興」だったと訳せるからです。
「不興」の反対語や対義語
不興の反対語は、「不」をとった「興」(きょう)です。
この「興」という一文字で、「楽しい様子」が表現できます。
元々「不興」という言葉は、「興」を否定する為に頭に「不」と付けているので、「興」がそのまま反対の意味となる訳です。
しかし、実際の使い方では「盛況」(せいきょう)が最も近い意味だと考えることができます。
「盛況」は、「盛んに賑わっている様子」を表現する言葉で、「今日の公演は盛況だった」とすると、「不興だった」とした場合の全く逆の意味になります。
その為、こちらも反対語だと考えて差し支えありません。
尚、「きょう」が「況」となっており、「興」ではない点に注意してください。
「不興」の言葉の使い方
不興は、そのような状況になりそうだ、なってしまったといった時に使う言葉です。
そうなってしまってからでは遅いことも多いので、そうなりそうだと感じた時点で何らかの対策が必要かも知れません。
しかし、なってからこそ分かることも度々あるもので、その場合には、後の対策の方をきちんと考える必要があります。
「不興」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
不興を使った言葉や表現、その意味の解釈です。
「招く」という使い方は特によく聞かれます。
- 「不興の心」
- 「不興を招く」
- 「不興げ」
- 「不興そうな」
- 「不興顔」
「不興の心」
この「不興の心」とは、「不満そうな顔」を指して使う言葉です。
現在の5千円札の肖像画にもなっている新渡戸稲造氏は、これが一番嫌いだったという有名な話があります。
「心」としながらも、実際には「顔」のことなので、知らないと意味が分からない表現の1つです。
ここでしっかり覚えておきましょう。
「不興を招く」
「不興」は、この「招く」と使われることが多い言葉です。
「機嫌が損なわれる」と解釈できる使い方で、「あの発言が不興を招くことになった」と使うと、「あの発言が原因で機嫌が損なわれてしまった」という意味になります。
この他に「買う」という表現も、同様の意味で使用できます。
「不興を買ってしまった」と使った場合も、「招いてしまった」と同じ意味だと理解して構いません。
「不興げ」
「不興な様子」を表現する使い方です。
「今日の公演は不興げだった」のように使いますが、そのまま「不興だった」とするより、「そのように見えた(感じた)」というニュアンスが強くなります。
この「げ」は、漢字では「気」のことで、「不興気」としても構いません。
「不興気味」のことだと考えると分かりやすいでしょう。
「不興そうな」
「不興のように見える」という使い方です。
上の「不興げ」に近い意味ですが、それよりも実際に「不興」なのかどうかが曖昧で、「そうかも知れない」というレベルの表現だと考えてください。
「不興顔」
こちらの「不興顔」が、先の「不興の心」の意味となります。
この表現なら、どんな意味なのかがすぐに(「不興」の意味さえ知っていれば)分かるというものです。
「不興」を使った例文や短文など(意味を解釈)
不興を使った例文や短文です。
基本的な意味は1つなので、解釈に困ることはないでしょう。
- 「不興」を使った例文1
- 「不興」を使った例文2
「不興」を使った例文1
「こう毎回不興では、閉鎖も考えないといけない」
遊戯施設や演劇場などが、いつも「流行っていない」と言っている例になります。
不興には、先に挙げたように、暗に「人が集まらない、入らない」といった意味も込められているので、そのような施設が「不興」と言えば、その意味を強く踏まえた上で使っていると考えていいでしょう。
「不興」を使った例文2
「無理にお願いした為に、不興そうな顔をされてしまった」
この「不興そうな顔」は、上で説明した「不興の心」や「不興顔」のことになりますが、「そうな」としていることで、まだそこまではいっていない(それでもそれに近い)と解釈してください。
それらの言葉や表現を複合的に使った例になります。
「不興」の類語や類義表現(シソーラス)
不興と似た意味の言葉や、言い換えに利用できる表現です。
どれも、いい意味のある言葉ではない点が共通しています。
- 「興醒め」【きょうざめ】
- 「非興」【ひきょう】
「興醒め」【きょうざめ】
興味がなくなった、機嫌を損ねたといった人たちが、この状態になっていると考えてください。
「今日のイベントは興醒めだった」と言えば、「とてもつまらなかった」、「すごくしらけた」という意味になり、そのイベントが「不興」に終わってしまった理由が、観客にこの「興醒め」を与えてしまったからだと解釈してください。
「非興」【ひきょう】
上の「興醒め」することを表現する言葉で、同様の例で続けると、観客側から「このイベントはとても非興だった」(興醒めするものだった)と使うことになります。
共に「不興」に関わる言葉として覚えておいてください。
不興は、「人気にならない」、「人が入らない」と考えると、分かりやすい言葉です。
実際にもそのような使われ方がほとんどなので、これらが意味だと考えておいてもいいでしょう。