「全うする」の意味とは・「全うする」と「真っ当する」の違い・対義語・類語・英語
社会人になると、時々、「全うする」というような言葉を耳にすることがありますが、この意味を理解できている人はどのくらいいるでしょうか?
プライベートな友人との会話の中では、自然に出て来る言葉ではありませんが、ビジネスの世界では珍しい言葉ではありません。
そのようなことで、今回は「全うする」について見ていくことします。
目次
- 「全うする」の意味とは?
- 「全うする」の読み方?
- 「全うする」の英語(解釈)
- 「全うする」の対義語
- 「全うする」の言葉の使い方
- 「全うする」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「全うする」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「全うする」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「全うする」と「真っ当する」の違い
「全うする」の意味とは?
「全うする」とは、「成し遂げる」、「完全に終わらせる」というような意味を持っている言葉です。
人には色々な立場があり、様々な使命や義務がありますが、それら諸々のことをしっかりと完了するような時に「全うする」が出てきます。
「全うする」の読み方?
「全うする」は「まっとうする」という読み方になります。
「全うする」の英語(解釈)
「全うする」を英語で言うと、“carry out”、“put through”、“follow through”、“follow out”、“go through”、“follow up”などのイディオムで訳すことができますが、実に豊富な訳し方があることから、シチュエーションによって、使い分けが必要になってくるかもしれません。
「全うする」の対義語
「成し遂げる」という意味を持つ「全うする」の対義語としては、次のような言葉が見られます。
- 「放棄する」
- 「挫折する」
「放棄する」
「放棄する」という言葉が「全うする」に対して、対義語の1つとして挙げられますが、「放棄」には2つの意味が含まれています。
まず、1つ目は、「物事や役割など投げてしまうこと」という意味で、「彼は仕事を投げ捨ててそれ以降は全く振り返ることをしなかった」というような活用法ができます。
2つ目の意味は、「自分の権利を手放したり、使うことをしない」という意味で、「今まで培ってきた経験でせっかく資格など取得したのですが、それも放棄したのです」という場面で使われることがある言葉です。
「挫折する」
「挫折する」という言葉も「全うする」の対義語として挙げられると思いますが、「何かの取り組みやプランを途中でストップする」や「そのことがだめになってしまったことで、取り組む意欲や姿勢をなくすこと」という意味があります。
「人生は挫折の連続だが、それを乗り越えることで強くなっていく」という活用ができます。
「全うする」の言葉の使い方
「全うする」という言葉が活用されるシーンとしては、何か自分がやならなければならないことをしっかりと完了させることができた時に使う言葉になり、ビジネスの場面では、そのようなシチュエーションが数多くあるので、身近な表現して使われます。
「全うする」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
では、ここで「全うする」を使った言葉を見ていくことにします。
- 「職務を全うする」
- 「人生を全うする」
- 「本文を全うする」
「職務を全うする」
「職務を全うする」とは、「自分が担当する仕事・任務をしっかりとやり遂げること」ということを言っています。
「職務」という表現は公務員など官庁関係の人々が使う硬いイメージがありますので、一般的なビジネスマンでは、「仕事を全うする」というような言い回しの方が身近な表現かもしれません。
「人生を全うする」
「人生を全うする」とは、「一生を終える」ということですが、シンプルな解釈よりも、「色々な苦難を乗り越えてきて、最後は平穏な気持ちで人生の幕を下ろすことができた」とようなイメージになるでしょうか。
「天寿を全うする」というような言い方もできる表現です。
「本文を全うする」
「本文」とは、「人が本来尽くすべき勤め」のことで「本文を全うする」となると、「自分のやるべきことを最後までしっかりとやること」という解釈になってきます。
「学生の本分」は「勉強」や「学問を究める」ことですし、「ビジネスマンの本文」は「仕事」と言えるでしょう。
「全うする」を使った例文や短文など(意味を解釈)
もう少し「全うする」を使った例文を見ていくことで、具体的な活用場面を理解していくことにしましょう。
- 「全うする」を使った例文1
- 「全うする」を使った例文2
「全うする」を使った例文1
「心を傾けて深く愛し合い、人生を全うすることができるのであれば、これ以上、臨むことはありません」
この例文は、長年連れ添った夫婦のことでしょうか。
パートナーと深く愛し合い、そして、その気持ちを大切に持ったまま、人生を全うすることが一番の理想なのかもしれません。
「全うする」を使った例文2
「与えられた役目を全うすることは、社会人としての義務であることを君立ちが忘れないで欲しい」
この言葉が卒業式の時に学長から卒業生に贈られた言葉なのか、それとも入社式の時に社長から送られた言葉かもしれませんね。
心新たに新入社員の人達は、このことを忘れずに、会社に早く慣れていくことです。
「全うする」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
では「全うする」の類語も見ていきましょう。
- 完遂する
- 「やり遂げる」
- 「やりきる」
完遂する
「物事を最後までやり抜くこと」という意味では、「完遂する」も類義語の1つになってきます。
「困難な仕事を何とか完遂することができて、ホッとしている」というような形で使うことができます。
「やり遂げる」
「やり遂げる」も「全うする」と同じ意味を持つ類義語ですが、「全うする」よりも、身近な慣用句ではないでしょうか?
「よく、これだけの仕事をやり遂げたなあ。
大したものだよ」というような言葉を先輩社員や上司から言われた経験を持っている人もいるのではないかと思います。
「やりきる」
「やりきる」も日常会話などでよく使われており、「全うする」と同じ意味を持つ言葉です。
「これだけの問題をやりきらないと、合格圏内には届かないぞ」というシチュエーションで出てきます。
「全うする」と「真っ当する」の違い
「まっとうする」という発音では、「真っ当する」という言葉もありますが、これら2つの言葉には解釈の違いがあるのでしょうか?
「全うする」とは、「物事を最後までやり遂げること」という意味ですが、「真っ当する」は「しっかりとしていて、いい加減なことがないことがようにすること」という解釈になります。
大まかな解釈では同義語という理解もできるのですが、「真っ当」は当て字的な使われ方をしており、「真っ当する」と動詞形よりも、「真っ当な生活」。
「真っ当な人生」というように形容詞としての使い方が多い言葉になります。
「全うする」が「物事をやり遂げる」という意味の言葉であることを理解すると、私達が「全うすべき」ことは、実にたくさんあるのではないかと思います。
会社に行くと仕事を「全うする」ことになりますし、家に戻ると親の務めを「全うする」ことになりますので、この言葉は人本来のあるべき姿を表現しているのではないでしょうか。