「回し者」の意味とは・読み方・英語【使い方や例文】
「回し者」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「敵の回し者」、などという言い回しならば聞いたことがある、使ったことがあるという人もいるかもしれませんね。
それならば「回し者」とはどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「回し者」という言葉について解説します。
目次
- 「回し者」の意味とは?
- 「回し者」の読み方?
- 「回し者」の英語(解釈)
- 「回し者」の語源
- 「回し者」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「回し者」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「回し者」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「回し者」と「ステマ」の違い
「回し者」の意味とは?
「回し者」という言葉は内情を探るため、密かに敵の中に差し向けられた人、スパイ、間者、イヌを指します。
他の陣中に忍び込み、密かに情報を得ようとしていた人たちのことが「回し者」です。
今の時代ではスパイといった表現が一般的でしょうか。
外から情報を得るようにと命令され、敵の1部であるかのように振る舞い、情報を得てから下の主の場所に変えていくのです。
例えば江戸時代ではこのような「回し者」は当たり前でした。
間者という形で関係者しか知らない情報を得て、主人のもとに帰っていた人たちがいたのです。
「回し者」の読み方?
「回し者」という言葉は「まわしもの」と読みます。
簡単に読める事ですよね。
それ以外にも間者「かんじゃ」という表現が使われる場合もあります。
ぜひ合わせて覚えておきましょう。
「回し者」の英語(解釈)
「回し者」という表現を英語にするとspyになります。
職場で違う部署にわざと送られ、その部署の話を聞いて来なければいけないなどという場合“secret agent”とかっこいい訳しかたをする場合もあります。
例えば、FBIのエージェントが匿名で他の場所に行き、FBIであることを隠して仕事をする場合は“secret agent”と言えるでしょう。
あるいは“undercover agent”と表現することもできます。
競合他社の企業の秘密を得るため、会社に秘密諜報部員が雇われることもあるのです。
「回し者」の語源
「回し者」というのは基本的には悪い人を指しており、国家に対して悪い働きをするもの、という意味になります。
行ってから戻ってくる、ということで「回る」という表現が使われるようになりました。
これが「回し者」という表現の語源になります。
スパイという表現もぐるぐる回ってくる、そして帰ってくる、ということでスピンするという表現ができあがり、そこからスパイになったのではないかと考えられています。
「回し者」という表現自体は今でも使われており、冗談めかして使われることもあります。
しかし実際には「回し者」は日本酒の中にもたくさん存在していたと言われています。
「回し者」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
ここでは「回し者」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「敵の回し者」
- 「メーカーの回し者」
- 「回し者みたいな人」
「敵の回し者」
「敵の回し者」という表現は敵のスパイが自分たちの身内にいるということになります。
自分たちの1部として活動している人がいると、誰もが自分たちの味方だと考えますよね。
しかし、もしかしたらその人は「敵の回し者」の可能性もあります。
特にパソコンなどをいじる部署などではそこに全ての情報が蓄積されていますので情報が全てばれてしまいます。
また、企業同士等はお互いに競争するため、スパイを送り込んで穏やかに話をし、情報を得るということもあります。
調査している、内部調査、などといった表現で表され、同業者からは嫌がられる傾向にあります。
「メーカーの回し者」
「メーカーの回し者」というのはそのメーカーを宣伝する一般人のことを指しています。
メーカーというのは、例えばショー等を開いてその商品を購入したい人を集め、もしもその人が誰かにそのメーカーの商品を得られればその人にもお小遣いが入る、などといったやり方で顧客を得ようとすることがあります。
一般的にネズミ講と言われる悪徳商法であり、まわりからは懸念されます。
しかし、お金が戻ってくる、自分の下に着いた人が多ければ多いほど得をする、ということに魅力を感じ、多くの顧客を得ようとする人が出てきます。
このような人たちを「メーカーの回し者」と呼びます。
「回し者みたいな人」
「回し者みたいな人」、というのはまるで自分たちの1人であるとは思えず、どっちの味方なのかよくわからない人たちのことを指しています。
自分たちを助けるための発言をしたかと思えば、他の人を助けるような発言をしたり、周りから「あなたはどっちの味方なのか」と言われるような人はまさに「回し者みたいな人」かもしれません。
ただし、人によってはその状況を楽しんでいるだけということもありますし、自分自身はどちらにも賛成しかねると考えていることもあります。
必ずしも「回し者」ほど強い意志を持っているとは限りません。
「回し者」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「回し者」を使った例文1
- 「回し者」を使った例文2
「回し者」を使った例文1
「新選組は回し者に対して厳しい征伐をした」
大河ドラマなどにより、近藤勇率いる新選組は大きな人気となりました。
沖田総司、近藤勇、斉藤一など、日本には果敢な武士が存在していたのです。
彼らは徳川を守るため、新選組としての働きをしてきました。
しかし、ペリーが浦賀に来航し、開国をしなければならないという状況になり、新選組は苦労を強いられることになったのです。
そこで多くの組織が新選組にも「回し者」を送りました。
もちろんはじめての事ではありませんが、新選組はこのような間者達に対し、厳しい征伐をしたのです。
「回し者」を使った例文2
「回し者は顧客の顔をしてくるので気をつけてください」
商売などでは、競合企業が「回し者」を送り、競争相手がどのように商品を売っているのか、どのくらいの商品を仕入れているのか、などということを調べようとするでしょう。
特にレベルが高いデパートやショッピングモールには多くの「回し者」が派遣されています。
しかし「回し者」は「回し者」だとわからないように派遣されるケースがあります。
一般的には無邪気に商品に関心を持つ顧客として差し向けられることが多いため、お店側も注意しなければいけません。
しかし顧客だと思えば雑に扱うこともできませんので、難しいところです。
「回し者」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは「回し者」という言葉の類義語を紹介します。
- 工作員【こうさくいん】
- 使者【ししゃ】
工作員【こうさくいん】
工作員というのはスパイのことを指します。
諜報活動など隠密裏の活動に従事する人という意味を持ちます。
日本では工作員というと北朝鮮工作員などという言い方がよく知られていますね。
情報の収集に着手したりなど、秘密の活動を命じられた人を指しています。
使者【ししゃ】
使者は他の人が決定している意思を相手方に表示したり、本人の意思表示を相手に伝達する人のことを指しています。
使いの者という表現もでき、なんだかスパイとは関係ないのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、命令や依頼を受けて使いに来る人を指していますので、スパイをするようにと命令を受けてきた人も同様に使者になります。
「回し者」と「ステマ」の違い
ステマというのはインターネットで使われている言葉です。
こっそりする、という意味の「ステルス」と得るための活動である「マーケティング」を合わせて得る活動をこっそりやる事が「すマーケティング」になりました。
これが短くなって「ステマ」と呼ばれるようになったのです。
これ自体は行動を意味していますが、「回し者」という表現は人のことを指しています。
「回し者」という表現は冗談めかして使われることもありますし、シリアスな場で使われることもあります。
いずれにせよ正しい意味合いを覚えておかなければ誰かを傷つけてしまうかもしれません。
正しい使い方が出来るように気をつけましょう。