「ひょんなことから」の意味とは・方言・語源・英語・【使い方や例文】
「ひょんなことから」、という言い回しを知っているでしょうか。
何となく聞いたことがある、可愛らしい方だ、などと感じる人もいるかもしれませんね。
それならば「ひょんなことから」、というのはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。
ここでは「ひょんなことから」、という言い回しについて詳しく紹介します。
目次
- 「ひょんなことから」の意味とは?
- 「ひょんなことから」の英語(解釈)
- 「ひょんなことから」の語源
- 「ひょんなことから」の方言(岡山)
- 「ひょんなことから」の言葉の使い方
- 「ひょんなことから」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「ひょんなことから」の類語や類義表現など(シソーラス)
- 「ひょんなことから」のビジネスでの言い換え
「ひょんなことから」の意味とは?
「ひょんなことから」というのは、物事のきっかけが大した事ではなかった、ということを表します。
ささいなことをきっかけとして何かが起こった、思いがけないことがきっかけとして何かが起こった、という意味になるのです。
例えば、子供たちがお互いに相談し、両親に隠し事をしていたとしましょう。
しかし、末っ子が「ひょんなことから」それに関連する発言をしてしまい、両親に気づかれてしまった、ということもあるかもしれません。
全然勉強する気がなかったにもかかわらず、「ひょんなことから」勉強する気になった、大学を目指そうと思った、などということもあるのではないでしょうか。
「ひょんなことから」の英語(解釈)
「ひょんなことから」、という表現を英語にすると“by a strange coincidence”、“by accident”、“by chance、unexpectedly”などといった表現が使えます。
偶然だった、誰も予想していなかった、という表現になるのです。
例えば、「息子は全然勉強する気がなかったのに、ひょんなことから大学を目指し始めた」というのであれば、“my son didn’t want to study at all but he started aiming at university by accident. ”と表現できます。
「娘はひょんなことから結婚に興味を持ち始めた」であれば“my daughter got interested in marriage unexpectedly”と言えるでしょう。
「ひょんなことから」の語源
「ひょんなことから」、というのはなんだかかわいらしい表現だと思う人もいるかもしれません。
それならば、「ひょんなことから」という表現の語源は何なのでしょうか。
- 中国語の読み方から
- ひょんの木の実から
中国語の読み方から
まず、ひょん、という言葉から解説します。
これは不吉な、という言葉を持つ「凶」という中国語の読み方から来たと考えられています。
これは中国では「ひょん」と読まれていました。
室町時代にはこの言葉は不吉な、奇妙な、という意味があり、ここから「ひょんなことから」という表現ができたのではないかと考えられています。
ひょんの木の実から
イスノキという植物がありますが、これはヒョンノキと呼ばれることがあります。
そしてこれにできる虫こぶのことを「ひょんの実」というのです。
これは笛として使われており、これ自体がヒョンノキの由来になりました。
このような奇妙な木の実からひょんという言葉ができたのではないかと考えられています。
「ひょんなことから」の方言(岡山)
ひょんなげな (岡山の方言)という表現は方言としても使われています。
よく、「ひょんなことから」、という表現は方言なのではないかと考えられることもありますが、これは方言ではありません。
ちなみに、「ひょんなことから」、という表現を方言で使う場合は確かにあります。
どのような地域でこのような言葉が使われているのか、探してみても面白いかもしれませんね。
「ひょんなことから」の言葉の使い方
「ひょんなことから」、という表現は小さなことが何か大きなことのきっかけになった、などというときに使われます。
「ひょんなことから」看護師になりたいと思った、「ひょんなことから」もっと真剣に英語を勉強しようと思った、「ひょんなことから」世界を見てみたいと思った、など、様々な言い回しがあります。
ささいなことから、などという表現に合わせて使ってみたいですね。
「ひょんなことから」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「ひょんなことから」を使った例文1
- 「ひょんなことから」を使った例文2
「ひょんなことから」を使った例文1
「息子は大学に進学すると思っていたのに、ひょんなことから大学に行く前に世界を見てみたいと言い始めた」
大学は当たり前のようにいくもの、と思っている人もいるでしょう。
しかし、大学に行く前に世界を見てみたい、他の国を見てみたい、と考える人は少なくありません。
大学を卒業した後は就職しなければいけませんし、新卒ということを考えると、大学を卒業した後に世界旅行に行くとなれば就職にも影響があります。
しかし、大学に進学する前、あるいは大学在学中に休学し、旅行に行く、という方法をとれば、就職には悪い影響がありません。
大学中に休学し、アルバイト等でお金を貯めて世界旅行に行く学生も最近は増えていると言われています。
「ひょんなことから」を使った例文2
「娘は今まで一生懸命頑張ってきたのに、ひょんなことからやる気を失ってしまった」
「ひょんなことから」やる気を出したり、「ひょんなことから」目標を決めたり、という事はよくある話です。
しかし、その一方で「ひょんなことから」やる気をなくしてしまうという人もいるのではないでしょうか。
どれだけ頑張っても力にならない、どれだけ頑張っても役に立たない、など、スランプに陥っているときに努力をせずに成功しているような人を見てしまったりすると、そこからやる気をなくしてしまうこともあります。
努力はいつか報われるものです。
「ひょんなことから」の類語や類義表現など(シソーラス)
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- ささいなことから【ささいなことから】
- ふとしたきっかけで【ふとしたきっかけで】
ささいなことから【ささいなことから】
ささいなことから、というのは「ひょんなことから」、と同様できっかけが大した事ではなかったことを表します。
ちょっとしたきっかけから何か大きなことが起こった場合、ささいなことから、という表現が使えます。
ふとしたきっかけで【ふとしたきっかけで】
ふとしたきっかけで、というのは思いがけないことがきっかけになった様子を指しています。
それが小さかろうが、大きかろうが、関係ありません。
思いがけない何かがきっかけになった場合、ふとしたきっかけで、と表現できます。
例えば、今まで金欠で全然貯金ができておらず、どうしようかと思っていた時、お店で小耳に挟んだ何かがヒントになり、それをきっかけとして節約できるようになるかもしれません。
「ひょんなことから」のビジネスでの言い換え
「ひょんなことから」、という表現は確かにいつでも使えますが、この表現はビジネスにおいては不適切です。
同じことをいうにしても、例えば「些細なことからヒントを得ました」「顛末なことからヒントを得ました」などという言い回しをした方が、プロフェッショナルに聞こえます。
「ひょんなことから」、という表現は日常的にも使えますが、ビジネスにおいては軽く聞こえる可能性がありますので、熟語を使うようにしましょう。
生きていると、思いもよらないことがきっかけとなって何かを思いつく場合があります。
だからこそ、常に視野を広げておく必要があるのです。