「授与」の意味とは「授与」と「贈呈」の違い・対義語・類語・読み方・英語【使い方や例文】
「授与」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「卒業証書授与式」、などと表現した記憶がある人もいるかもしれませんね。
それならば「授与」とはどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「授与」という言葉について紹介します。
目次
- 「授与」の意味とは?
- 「授与」の読み方?
- 「授与」の英語(解釈)
- 「授与」の対義語
- 「授与」の言葉の使い方
- 「授与」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「授与」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「授与」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「授与」と「贈呈」の違い
「授与」の意味とは?
「授与」というのはその感じの通り、ものを授け与えることを指しています。
例えば「卒業証書授与式」という事は卒業証書を「授与」されるということであり、卒業した証明を授け与えられる、ということになります。
あるいは勲章を「授与」するなどと表現することもありますね。
天皇陛下から勲章を「授与」される人もいるでしょう。
ただし、この表現はプレゼントをもらうなどというときには使えません。
あくまでも授け与えるという意味合いが重視され、これは目上の者が目下の者に特別に与えるということになります。
つまり、友達からプレゼントをもらう、部下からクーポン券をもらう、などというときには「授与」とは言わないのです。
「授与」の読み方?
「授与」は「じゅよ」と読みます。
単体での言葉はなかなか使わなかったとしても、「卒業証書授与式」、「学位記授与式」等であれば、誰もが聞いた経験を持つのではないでしょうか。
中学や高校であっても「卒業証書授与式」という言い方をします。
「授与」の英語(解釈)
「授与」という表現を英語にすると“Award”や“confertment”、“presentation”や“give”という表現が使えます。
「卒業証書授与」であれば“The presentation of diplomas”と表現できますし、「授与式」であれば“an awarding ceremony”と表現できます。
「卒業証書授与式」などという言い方は誰もが覚えておきたい言い回しです。
単純に、与えるという意味で“give”を使っても構いません。
「授与」の対義語
「授与」という言葉の対義語は受領になります。
「授与」というのは授け与えるという意味ですが、受領というのは何かを受け取るという意味になります。
卒業証書を受け取る、メールを受け取るなど、これは必ずしも年上から年下に授け与えられたもの、という意味ではなく、幅広く使えます。
ただし、受領という表現は「受け取りました」という意味の敬語でもありますので、同僚からメールを受け取った、部下からお土産をもらった、などというときには使えません。
丁寧に表現するのであれば「受領いたしました」と表現しましょう。
「授与」の言葉の使い方
「授与」という言葉は授け与えるという意味で使われます。
一般的には、「卒業証書授与」などという使われ方があり、厳かな雰囲気の中で一人ずつ、校長や学長から卒業証書や学位記を受け取る、ということが行われるのではないでしょうか。
また、先ほども述べた通り、目上の人から目下の人に与えられることに関して使われる表現ですから、同僚や友達、部下から何かを与えられるというときにはこの表現は使いません。
「授与」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「授与」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「授与品」
- 「金銭授与」
「授与品」
「授与品」というのは授け与えられた品、ということになります。
例えば、卒業式のときには保護者会から記念品をもらうこともあるのではないでしょうか。
学校の名前が入った筆記用具等を受け取る人もいるでしょう。
このようなものはまさに「授与品」と言えます。
保護者会という立場の上の人たちから卒業生に与えられる、授け与えられる、ということになります。
「金銭授与」
「金銭授与」というのは金銭を授け与えるということになります。
少々オーバーな例ではありますが、おじいさんやおばあさんなど、年上の人たちからお金をもらった場合、それは確か「金銭授与」になります。
もしかしたら年上のパートナーからお金を受け取る、生活費ももらう、ということもあるかもしれません。
この場合はこのお金を返す義務はありません。
「授与」とは授け与えるということであり、返してもらわなければいけないというものではありません。
つまり、貸与ではなくもらったものということになります。
「授与」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「授与」を使った例文1
- 「授与」を使った例文2
「授与」を使った例文1
「祖父は長年の警視庁での働きを評価され、天皇陛下から勲章を授与された」
目に見えた功績を残した人などに、天皇陛下から勲章が与えられる場合があります。
これはまさに天皇陛下という、これ以上の立場の人はいないという目上の人から授け与えられるということになり、「授与」という言葉が適切な言い回しになります。
一定の功績を残し、後世のために結果を残した研究者などが勲章を受け取る場合もあります。
「授与」を使った例文2
「あの人はノーベル賞を授与され、今までに増していっそう研究に力を入れるようになった」
近年、日本人でもノーベル賞を「授与」される人が増えています。
ノーベル賞と言えば世界で知られるものであり、ノーベル賞を受け取るという事は世界に功績を残したということになります。
そのため、受け取った人たちは自分たちの功績が認められたということを喜び、今までに増していっそう研究などに力を入れることがあります。
ちなみに、有名な人で言えばマザーテレサやキュリー夫人などもノーベル賞を受け取ってきました。
キュリー夫人は生きている間に2度ノーベル賞を受け取った初めての女性です。
「授与」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 進呈する【しんていする】
- 授ける【さずける】
進呈する【しんていする】
進呈という言葉はものを差し上げる、という意味になります。
似た表現に贈呈というものがありますが、この2つの間に明確な違いはありません。
強いて言えば、進呈の方が軽い気持ちで使われることが多く、例えば粗品進呈などと使われます。
贈呈の場合は卒業式での記念品など、深い意味があるものに対して使われることが多いと考えられます。
授ける【さずける】
預けるという表現は上の者が下の者に対して与えるということになります。
授け与える、という表現と同等です。
「授与」と「贈呈」の違い
贈呈という言葉は人にものを差し上げること、という意味を持ちます。
特に公式の場で、改まってものを差し上げるという意味を持ち、「授与」の場合は授け与えるという意味になりますので、与えている人の立場が上になります。
贈呈の場合はものを差し上げるという意味ですから、受け取る側の立場が上の場合もあります。
「授与」という言葉はぜひ覚えておきたいものです。
日常的に使う言葉ではありませんが、公式の場では非常に大切な意味合いを持つ表現になります。