「巧妙」の意味とは・「巧妙」と「巧み」の違い・対義語・類語・英語
「巧妙」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
3推理小説やミステリーが好きだという人の中には、犯人の手口が「巧妙」であると読んだことがある、という人もいるかもしれません。
それならば、「巧妙」とはどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「巧妙」という言葉について紹介します。
目次
- 「巧妙」の意味とは?
- 「巧妙」の読み方?
- 「巧妙」の英語(解釈)
- 「巧妙」の対義語
- 「巧妙」の言葉の使い方
- 「巧妙」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「巧妙」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「巧妙」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「巧妙」と「巧み」の違い
「巧妙」の意味とは?
「巧妙」というのは極めて巧みなこと、という意味を持ちます。
物事のやり方などが優れて巧みである、という意味を持っており、よくできている、水準がすばらしい、などという意味を含みます。
推理小説などで「犯人の手口が巧妙である」などと聞くと、「巧妙」というのは悪い意味を持つ言葉なのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、「巧妙」というのは優れていること、水準が高いこと、などという意味を持ちますので、必ずしも悪い意味では無いのです。
「巧妙」の読み方?
「巧妙」は「こうみょう」と読みます。
知らなければ読めない漢字になりますので、きちんと読めるようにしておきましょう。
「巧妙」の英語(解釈)
「巧妙」という表現は“ingenious”、“skillful”などと訳すことができます。
英訳を見ると、必ずしも悪い意味ではない、むしろ良い意味で使われる、ということがわかりますね。
“skilled”や“clever”などという英訳も可能です。
例えば、「巧妙」な細工ということであれば“elaborate workmanship”と表現できます。
「巧妙」な嘘をつく、などという場合も「巧妙」という言葉が使います。
「巧妙」の対義語
「巧妙」という言葉の対義語は拙劣になります。
拙劣というのは技術などが劣っていること、あるいは劣っている様子を指します。
何が言いたいのかよくわからないような文章であれば、拙劣な文章と呼ばれることもあります。
質や性能が平均を下回っていること、下手、ひどい、などという場合に拙劣という表現が使われます。
かしこまった表現ですので、会話で使われる事はあまりありません。
「巧妙」という言葉の方がよく使われます。
「巧妙」の言葉の使い方
先ほども述べた通り、「巧妙」という単語は悪い意味で使われる単語ではありません。
どうしても「巧妙」な嘘をつく、犯人は「巧妙」なトリックを使った、などという言い回しが有名ですので、ネガティブなイメージを持つと勘違いしている人がたくさんいます。
しかし、実際には優れていること、巧みなこと、などという意味を持ち、褒め言葉になります。
もちろん、「犯人は「巧妙」なトリックを使った」というのは褒め言葉ではありませんが、それなりに優れたトリックを使ったということがわかります。
「巧妙」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
ここでは「巧妙」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「巧妙な罠」
- 「巧妙な手口」
- 「巧妙な技術」
「巧妙な罠」
「巧妙」な罠、というのは周りからはわからないような罠を仕掛けるということです。
推理小説などでは「巧妙」な罠を仕掛ける、という言い回しも使われますよね。
例えば事件現場に足が向くように仕向けられていたり、食事に毒が混ざっていたりなど、殺人事件の小説や漫画では様々な罠が仕掛けられています。
映画でも同様で、ミステリーの映画などには視聴者が分からないようなトリックが隠されているものです。
「巧妙な手口」
「巧妙」な手口というのはやり方が非常に巧みである、ということです。
これも推理小説でよく使われる表現ですが、「犯人は巧妙な手口を使ってあの人を殺害した」などと言われることがよくあります。
例えば、殺人事件を起こすときにはアリバイ工作をしなければいけないこともありますし、凶器を隠さなければいけないこともあるでしょう。
あるいは、他の誰かが犯人に見えるように仕向けておかなければいけない場合もあります。
狙った被害者が仕掛けられた罠にかかるよう、さりげなく導かなければいけない場合もあります。
そのようなやり方はまさに「巧妙」な手口だといえます。
「巧妙な技術」
「巧妙」な技術というのは優れた技術ということです。
例えば、日本の場合は和紙や陶器など、様々な技術を持ち合わせています。
そのような職人たちは極めて高い技術を持ち、日本の文化や伝統を作り上げているのです。
このような職人の技術は簡単に身に付くものではありません。
中には幼い頃から教え込まれてきた、いつまでたっても完璧にはならないという意識を持っている、などという人もたくさんいます。
このような匠の技を持つ人々により、日本文化は支えられているのです。
「巧妙」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「巧妙」を使った例文1
- 「巧妙」を使った例文2
「巧妙」を使った例文1
「あの小説では、犯人のトリックが巧妙すぎて全然わからなかった」
推理小説や映画を見た場合、どうしても誰が犯人か知りたくなりますし、どのような結果が待っているのか、どのようなオチがあるのか、探ろうと思いますよね。
しかし、あまりにも「巧妙」なトリックが使われている場合、簡単に見破ることができません。
むしろ簡単にトリックが見破られてしまうストーリーでは面白くありません。
「巧妙」なトリックの方が視聴者や読者は関心を持つとも言えます。
しかし、そのような小説や映画に慣れている視聴者や読者であっても、時々見破れないようなトリックがあります。
「巧妙」を使った例文2
「あの職人は巧妙な技術を使って壺を作り上げている」
日本には有田焼や美濃焼など、様々な焼き物が存在しています。
このような焼き物を作る職人たちも高い技術を持ち、日々技術を磨いています。
特に世界に知られる焼き物等は見学者も多く、さらに若い技術者を育てていかなければいけないということもあり、さらに巧みな技術を持ち合わせています。
「巧妙」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 「腕利き」【うできき】
- 「上手」【じょうず】
「腕利き」【うできき】
腕利きという言葉は腕前が優れた人を指しています。
あるいはその技術を指す場合もあります。
評判の腕利き、と言えば、技術が高い人を指しているのです。
スキルが高い、などという意味でも使われます。
「上手」【じょうず】
上手という表現は質が高いこと、やり方が巧みで手際が良いこと、という意味を持ちます。
時間の使い方が上手、水泳が上手、字が上手、などといった使われ方があります。
対義語は下手、になります。
「巧妙」と「巧み」の違い
先ほどから巧みという言葉を使っていますが、巧みという表現は「巧妙」とは意味が若干異なります。
「巧妙」という表現は悪賢いなどという意味も含みますが、巧みというのは技術が高いという意味になります。
つまり、小説などで「犯人は高名な手口を使った」という事はできますが、「犯人は巧みな技術を使った」とは言わないのです。
「巧妙」という表現はずる賢い、悪賢い、などという意味を含みますので、そこは覚えておく必要があります。
もしも技術者に向かって使うのであれば、巧みな、という表現を選んだ方が良いかもしれません。