「もぬけの殻」の意味とは語源・類語・読み方・英語【使い方や例文】
「もぬけの殻」、という言葉を知っているでしょうか。
ドラマなどで「警察が踏み込んだら、そこはもぬけの殻だった」などという表現が使われることもあります。
それならば「もぬけの殻」とは一体なんなのでしょうか。
もぬけ、という言葉はどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「もぬけの殻」という表現について紹介します。
目次
- 「もぬけの殻」の意味とは?
- 「もぬけの殻」の読み方?
- 「もぬけの殻」の英語(解釈)
- 「もぬけの殻」の語源や由来
- 「もぬけの殻」の言葉の使い方
- 「もぬけの殻」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「もぬけの殻」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「もぬけの殻」の類語や類義表現(シソーラス)
「もぬけの殻」の意味とは?
「もぬけの殻」、というのは中身や箱の中などが空っぽである様を指しています。
漢字で書くと「蛻の殻」になりますが、基本的にはひらがなで描かれることが多いのではないでしょうか。
これはセミや蛇の抜け殻、人の抜け出した後の寝床や住居などのたとえ、という意味を持ちます。
つまり、「もぬけの殻」というのは人が抜け出した後、という意味になるのです。
そのため、ドラマなどで「警察が踏み込んだらそこはもぬけの殻だった」と表現できるのです。
この場合は犯人たちが既に逃げ出しており、アジトにはいなかった、ということになります。
また、セミや蛇などが脱皮する、人が外に出て脱出する、という意味になりますから、殻という字が使われるのです。
「もぬけの殻」の読み方?
「もぬけの殻」という表現は「もぬけのから」と読みます。
殻、という文字が使われることをしっかりと覚えておきましょう。
空、ではありません。
「もぬけの殻」の英語(解釈)
「もぬけの殻」という表現は日本語独特の表現ですので、これを英訳する事は困難です。
ただし、誰もいなかった、空っぽだった、という意味になりますので“completely empty”、“there was nobody”、と表現できます。
警察が踏み込んだときにはそこは「もぬけの殻」だった、と表現するのであれば、“there was nobody when police stepped in”と表現できます。
あるいは“criminals have already escaped when police stepped in”でも良いでしょう。
すでに逃げられていた、ということになります。
「もぬけの殻」の語源や由来
「もぬけの殻」という表現の由来は、セミや蛇が脱皮することからきていると言われています。
今は人が逃げ去った後の住居等を指しますが、もともとは虫が脱皮して抜け殻を残し、いなくなることを指していました。
そこから、そこに集まっていた人がいなくなった後、逃げて行った後、という意味で使われるようになったのです。
これが「もぬけの殻」という表現の語源になります。
「もぬけの殻」の言葉の使い方
「もぬけの殻」という言葉は、そこに集まっていた人たちがいなくなった後の状態を指しています。
例えば、大学生の息子の部屋から物音がしたから見に行ったら、「もぬけの殻」だった、などと表現できます。
寝ていると思っていたはずの息子がこっそりと家を抜け出したら、部屋は「もぬけの殻」になりますね。
「あの一家は夜逃げしたため、家は「もぬけの殻」になった」と表現することも可能です。
「もぬけの殻」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
ここでは「もぬけの殻」という言葉を使った言い回しをいくつか紹介します。
- 「部屋がもぬけの殻」
- 「心がもぬけの殻」
「部屋がもぬけの殻」
「部屋がもぬけの殻」、という事はその部屋にいた張本人がいなくなった後、ということになります。
先ほども述べましたが、寝たふりをしながらこっそり家からいなくなる、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
子供の中には親に寝ていると思わせ、こっそりと家を抜け出そうとする人もいるかもしれませんね。
そのような状態は部屋が「もぬけの殻」になります。
「心がもぬけの殻」
「心がもぬけの殻」、というのは、失恋した後や子供が独立した後などによく使われます。
恋愛をしている時、恋人の事ばかり考えるという事は珍しくありません。
しかし、もしも失恋してしまえば、その人のことを考えるわけにはいかなくなります。
心の中にいた人がいなくなってしまい、「心がもぬけの殻」になるのです。
また、子供が独立した後は今まで面倒を見ていた子供がいなくなったということで、ぽっかりと心に穴が空いたような気持ちを持つ親も少なくありません。
「もぬけの殻」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「もぬけの殻」を使った例文1
- 「もぬけの殻」を使った例文2
「もぬけの殻」を使った例文1
「部屋に行ってみたら、娘のベッドはもぬけの殻だった」
ベッドを抜け出してしまうのは息子だけではありません。
大学生位の場合は娘もベッドから抜け出してしまうかも知れませんね。
夜、彼から連絡が来てデートに出かけてしまうということもあるのではないでしょうか。
後で親に気づかれないように、部屋の中に戻ろうと考えている人もいます。
しかし、寝ていると思った子供がいなくなっていたら親はとても驚きますよね。
「もぬけの殻」を使った例文2
「友人が引っ越してしまう日だということを思い出し、急いで駆けつけたけれど、家はすでにもぬけの殻だった」
友達の引っ越しの日であるということを後から思い出し、急いで駆けつけたら、すでに引っ越した後だったという事は決して珍しくないと考えられています。
間に合わなかったというショックを味わわなければいけないかもしれません。
引っ越したという事は家具などもなくなっているという事ですから、家の中はがらんとしていてとても寂しい状態になっているかもしれません。
「もぬけの殻」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 空っぽ【からっぽ】
- 無人【むじん】
空っぽ【からっぽ】
空っぽという表現は中に何も入っていないことを指しています。
例えば財布の中が空っぽになってしまった、カバンを空っぽにする、などと表現できます。
ちなみにゆずが1998年に販売した曲の中「からっぽ」というものがあります。
無人【むじん】
無人という言葉は人がいない、人手が足りない、人数が少ない、という意味を持ちます。
全然人がいないという事だけではなく、人手が足りないということを表す場合もあります。
無人島、無人航空機、などという表現がありますね。
日常的には「もぬけの殻」という表現を使う機会は少ないかもしれません。
しかし、気づいたら子供が遊びに行ってしまっていたなど、親として経験する事は多いのではないでしょうか。
親としては心配ですが、それも子供の成長の1つなのかもしれませんね。
子供の安全を意識しながら、忍耐強くあることも大切です。