「託す」の意味とは?「託す」と「託する」に違いはある?・類語・読み方・英語
「託す」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は、プライベートな生活やビジネスの場面でも、時々耳にすることのある言葉かもしれません。
とは言うものの、そんなに頻繁に使われている言葉でもないために、詳しく意味を理解している人は意外に少ないものです。
そのようなことから、今回はこの「託す」について説明をしていきます。
目次
- 「託す」の意味とは?
- 「託す」の読み方?
- 「託す」の英語(解釈)
- 「託す」の敬語表現
- 「託す」の言葉の使い方
- 「託す」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「託す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「託す」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「託す」と「託する」に違いはある?
「託す」の意味とは?
「託す」には、色々な意味を含んでいる言葉で、使うシチュエーションによって、解釈が異なってきます。
まず、「自分がやらなければならないことを他の人に頼む」、「任せる(まかせる)」という意味があり、この解釈で使われることが多い言葉です。
その他には、「人に頼んで品物などを届けてもらう」、あるいは「用件を他人にことづける」や「自分の思いや意見を他の物に寄せて表す」というような意味も持っている言葉です。
「託す」の読み方?
「託す」は「たくす」という読み方になりますが、この発音を聞くと、普段の会話の中でも、よく出て来る言葉であることが分かると思います。
「託す」の英語(解釈)
「託す」を英語で表現すると、“repose”。
“entrust”、“place something in”などの言葉で英訳することができます。
「託す」の敬語表現
「託す」の敬語で言い表すことを考えてみると、丁寧語で「託す」を伝える場合は、語尾に「ですます」を付けて「託します」と形で伝えることになります。
これが謙譲語で表現すると、「お任せする」と変化していくので、言葉の表現方法をしっかりと憶えておくことが大切です。
「託す」の言葉の使い方
「託す」には、いくつかの意味はあり、「自分がやらなければならないことを他人に頼むこと」、「用件を他人にお願いする」や「自分の思いや他の物に寄せる」などの解釈から見て、この言葉が使われるシチュエーションや、自分の夢を他の人に引き継ぐ時や、仕事の内容を後継者にお願いするような時に使うことになります。
「託す」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「託す」には他の言葉と組み合わせた慣用句が色々とありますが、その意味を見ていくことにします。
- 「望みを託す」
- 「仕事を託す」
- 「一身を託す」
「望みを託す」
「望みを託す」とは、「自分の夢を他の人に伝えて、それを叶えてもらうように頼むこと」になります。
「相手に希望をかける」という言い方もできるかもしれません。
人には、色々な夢があるかと思いますが、その夢が中々実現できないことも少なくありません。
しかし、その夢を自分の子供や後輩、仲間に託すということで終えるわけです。
「仕事を託す」
「仕事を託す」とは、一言で言うと「仕事を任せる」という意味になりますが、「任せる」にも、短期的な意味と長期的な意味があります。
短期的な意味では、「今、仕事を休憩や有休、病気で一時的にできなくなるために、他の人のお願いする」という解釈になりますが、長期的な意味になると、「会社を退職するので、後任者に引き継ぐ」というような理解になってきます。
また、企業が事業を撤退する時でも、他の会社に顧客も含めて譲渡する時に「仕事を託す」という表現をすることがあります。
「一身を託す」
「一身を託す」は「自分の身体を他人に預ける」という意味になりますが、どのような場面で使われるか、今一つイメージできない人もいるのではないでしょうか?
ほんの一例ですが、思い病気になり信頼できるドクターに治療してもらう時などで使われることになるでしょう。
「託す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、「託す」を使った例文も見ることにします。
- 「託す」を使った例文1
- 「託す」を使った例文2
「託す」を使った例文1
「今まで何とかここまで育ててきた事業を友人に託すことにした」
自分が思いを持って取り組んできた仕事には、深い情熱と思いが込められているはずです。
しかし、何らかの事情でその仕事から離れなければならないこともあるでしょう。
とても辛いことですが、そのような時に、自分が信頼できる友人に、仕事を託すことで、その夢を継続していこうという意味が伝わってきます。
「託す」を使った例文2
「今から外出するので、先ほど上司宛にかかってきた取引先からの伝言を後輩に託した」
このような場面はオフィスにいると日常茶飯事でしょう。
上司が席を外している時に、取引先から電話がかかり、その伝言を受けた本人は、上司に使える義務があります。
しかし、その本人も営業の仕事で外出をしなくてはならなく、伝言を上司に伝えることができません。
そのために、取引先からの伝言を後輩に託して、上司に伝えるようにお願いをしたのです。
「託す」の類語や類義表現(シソーラス)
「託す」と同じ意味を持つ言葉として他にどのような言葉があるでしょうか?
ここで「託す」の類義語を見ていくことにします。
- 「委ねる(ゆだねる)」
- 「引き継ぐ」
「委ねる(ゆだねる)」
「委ねる」という言葉が「託す」と同じ意味を持つ類義語としてあります。
この言葉の意味は「権限などを譲って任せる」、「委託する」ということになります。
「ここまで自分がやってきた仕事も、年齢を重ねてきたことで、そろそろ後輩達に委ねることが必要かもしれない」といったような場面で使うことになります。
「引き継ぐ」
「引き継ぐ」とは、「前任者の業務や役割を別の人に受け渡すこと」や「繋いでいく」という意味があります。
「引き継ぐ」とは、仕事では当たり前のように出て来る言葉ですが、先輩や上司がやってきた仕事を引き継いで、自分が担当するというシチュエーションでよく使われることになります。
「託す」と「託する」に違いはある?
「託す」と「託する」には言葉の解釈や意味に違いがありません。
「託す」が「託する」の「サ変五段化」であり、この言葉の原型が「託する」ということになります。
「託す」という言葉を自分に言われると、何かプレッシャーを感じることがないでしょうか?
言った人が「自分の夢や思いを引き継いで欲しい」というように聞こえるからです。
それだけに人が精魂込めて取り組んできた仕事を引き継ぐということは、とても責任の思い仕事でもあります。
その「託された夢」のために押しつぶされそうになることもあるでしょう。
「託す」という言葉には、そのようなことがあることも覚えておく必要があるかもしれません。