「受け売り」の意味とは?語源・「受け売りの知識」と「生きた知識」の違い・類語・英語
受け売りという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
今は情報社会とも言われており、さまざまな情報が出回っています。
そこから受け売りという言葉が使われることもあります。
それならば受け売りとはどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは受け売りという言葉について紹介します。
目次
- 「受け売り」の意味とは?
- 「受け売り」の読み方?
- 「受け売り」の英語(解釈)
- 「受け売り」の語源
- 「受け売り」の言葉の使い方
- 「受け売り」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「受け売り」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「受け売り」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「受け売り」と「請け売り」は同じ意味?
- 「受け売りの知識」と「生きた知識」の違い
「受け売り」の意味とは?
受け売りというのは他人の意見や考え方をそのまま自分の意見のように表現することを指します。
他の人や教わった知識などを他から得たということを隠し、まるで自分の意見であるかのように人に伝えることを指すのです。
最近ではインターネットで誰もが簡単に情報を入手できるようになりました。
そのため極端なことを言えば、自分で考えなくてもインターネットで得た考え方を取り入れられます。
テレビでコメンテーター等の言い分を聞き、それをまるで自分の考え方であるかのように他の人に話してしまえば、それは受け売りということになるのです。
「受け売り」の読み方?
受け売りという言葉は「うけうり」と読みます。
一般的には他の人の意見などを自分の意見であるかのように表現することを指しますが、製造元や問屋からの商品を他に売りつけること、という意味を持つ場合もあります。
受けて売る、という意味ですね。
「受け売り」の英語(解釈)
受け売りという表現を一言の英単語で表す事は困難ですが、強いて言えば、“secondhand information”と表現できます。
良くない意味で「あの人はすぐに受け売りをする」という場合は“he mouths secondhand information easily”になりますが、これは「よく考えないで話すという表現を強調した言い回し」になりますので、もう少し軽いニュアンスで表現したい場合は“he passes on secondhand information easily”にした方が良いでしょう。
「受け売り」の語源
受け売りという表現はもともと、問屋などから卸してきた商品をそのまま売る、という意味を持っていました。
問屋から商品を受けて得る、ということだったのです。
そこから転じて、人の意見をそのまま変化させることなく、人に伝えるという意味を持つようになりました。
これが語源になっています。
ちなみに後ほど述べますが、商品を仕入れてきて売るという場合、「請け売り」と表記されることもあります。
「受け売り」の言葉の使い方
最近は情報が出回っていますから、誰でも考えることなく、他の人の意見をまるで自分の意見であるかのようにかっこよく表現できます。
確かにコメンテーターなどの意見を多く取り入れればまるで自分がしっかり考えているように見える、と思うかもしれません。
しかしその一方で自分で考えたわけではない意見は説得力がなく、誰かから突っ込まれてしまえば終わりです。
雑誌などに書かれている見解に対し、「この前雑誌でこう書かれていたけど、自分がこう思う」「この前インターネットでこういう意見を見たけれど、自分ならこう考える」と表現すれば、それは自分でしっかり考えた結果を他の人に伝えているわけですので何の問題もありません。
しかし、例えば週刊誌などで得た意見をそのまま伝えてしまえば、誰かがそれに気づきます。
受け売りをしているということがバレれば信頼関係を壊してしまう可能性もあります。
「受け売り」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
ここでは受け売りという言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「受け売りの知識」
- 「読んだ本の受け売り」
「受け売りの知識」
受け売りの知識というのは誰かから聞いた知識をそのまま他の人に話す、ということになります。
例えば「この商品を使うと毛穴が閉じて肌がきれいになるんだって」などと言われることがありますね。
美容に興味がある女性などは、コスメにも関心があるのではないでしょうか。
そんな時、使ったこともない商品を「これを使うと毛穴がきれいになるんだよ」と他の人に進めたり、「あの商品を使うとこうなるんだよ」などと特定の商品の宣伝をしたりする場合、受け売りの知識だと言われてしまうことがあります。
「読んだ本の受け売り」
読んだ本の受け売りというのは読んだ本から得た知識をそのまま他の人に伝えるということになります。
例えば、何か新しい研究が発表され、それが書籍として出版された場合、それを読んで自分の意見を持つことなく他の人に伝えてしまえば、それは読んだ本の受け売りをするということになります。
自分なりに考えて「最近こういう見解が発表されたけど、自分ならこう考える」と言えば、それは受け売りではありません。
「受け売り」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「受け売り」を使った例文1
- 「受け売り」を使った例文2
「受け売り」を使った例文1
「あの人の考え方は大体受け売りなので、真に受けないほうがいいよ」
受け売りをする人は、自分で物事を考える力を持ちません。
そのため、もしもその人が偉そうに何か意見を言っていれば、それは誰か強い人がその意見を言っていた、その意見をテレビなどで見た、という可能性が高いでしょう。
いちど受け売りをした人は、「あの人は受け売りをしたことがある」と思われてしまう可能性があり、信用されなくなってしまうことも考えられます。
「受け売り」を使った例文2
「論文等においては絶対に受け売りは許されません」
近年は論文の盗用などが問題視されています。
たとえ他の人の意見を受け売りしたつもりはなかったとしても、参考文献や引用文献としてその情報がどこから来たのかしっかりと明記されていない場合、それは受け売りとして扱われてしまい、学術的な世界では論文の盗用になります。
それが明らかにされてしまえば研究者の世界から追放される可能性もあり、アメリカなどでは存在として扱われます。
そのため、論文を執筆する場合の受け売りは厳禁です。
「受け売り」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 口真似
- 戯言
口真似
口真似というのは、他の人の言い方を真似ることを指しています。
他の人の話した内容をそのまま真似るのではなく、話し方を真似るという意味になります。
戯言
戯言というのはふざけていう言葉という意味がありますが、例えば他から得た意見をそのまま他の人に伝えてしまう場合、まわりからは「あの人の話は自分の意見では無いから、戯言でしかない」などと思われてしまう可能性もあります。
周りの人は自分が考えた意見を聞いてくれるのです。
ニュースで言われているようなことをさも自分で考えたかのように話したとしても、同じニュースを知っている人にとっては戯言に過ぎず、そもそも話を聞いてはもらえません。
「受け売り」と「請け売り」は同じ意味?
受け売りという表現と請け売りという表現は先ほども述べた通り、若干意味合いが異なります。
受け売りという表現はもともと問屋などからおろしてきた商品を得る、という意味からできた表現ですが、そのような意味を持つ場合は「請け売り」という表記が使われます。
そして一般的には、受け売りという言葉はあくまでも他の人の意見をそのまま自分のものであるかのように伝えること、という意味があります。
「受け売りの知識」と「生きた知識」の違い
生きた知識というのは問題解決に使える知識のことを指しています。
自分の領域で何かについて詳しくなれば、それは今役に立つ知識ということになりますこれは認知科学で使われている表現であり、生きるために身に付けなければならない知識でもあります。
これは自分の経験が元になった知識になりますので、受け売りの知識とは異なります。
今は様々な情報が出回っている時代なので、特に受け売りには気をつけなければいけません。
「週刊誌にはこう書かれていたけれど、自分はこう思う」など、さりげなくその情報がどこから来たものなのか相手に伝える、という配慮も必要です。
その上で自分はそれに反対なのか賛成なのか、という視点から意見を述べられれば、より深い議論ができるでしょう。