「依存」の意味とは?「依存」と「共存」「好き」の違い・読み方・英語・対義語・類語
この「依存」は、悪い意味で使われることが多い言葉です。
その理由が何故なのか、以下の説明から分かるでしょう。
目次
- 「依存」の意味とは?
- 「依存」の読み方
- 「依存」の英語(解釈)
- 「依存」の対義語
- 「依存」の言葉の使い方
- 「依存」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「依存」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「依存」の類語や類義表現
- 「依存」と「共存」の違い
- 「依存」と「好き」の違い
「依存」の意味とは?
依存は、「何かに頼り切りになってしまい、それがないと成り立たない」ことを表します。
有名なのが「アルコール依存」で、お酒を飲まないと気が済まなくなり、それがないと生活(人生)が成り立たなくなってしまうことの表現です。
そのような状態のことを「依存症」という言葉で表現します。
アルコールへの依存なら、「アルコール依存症」となります。
実際にも、このような使い方が多い言葉で、ほとんどの場合で悪い意味で使われます。
「依存」の読み方
「依存」は、「いぞん」と読むのが普通ですが、「いそん」と読んでも構わない言葉で、テストに出たような時に後者の「いそん」としても間違いにはなりません。
パソコンやスマホの漢字変換を使うと分かりますが、「いぞん」でも「いそん」としても、きちんと「依存」と変換できます。
ただ、「依存症」という使い方をする場合に限り、「いぞん(しょう)」と読むのが一般的です。
「依存」の英語(解釈)
依存は、英語では“dependence”と表現します。
“alcohol dependence”とすると、先の「アルコール依存」と表現できます。
この言葉は、「依存症」と訳しても構いませんが、そのように表したい時には多少使い方を工夫すると、よりそのように解釈しやすくなります。
「アルコール依存症」と言いたい時には、“dependence on alcohol”のようにするのがいい表現です。
「依存」の対義語
依存の対義語は、「自立」という言葉です。
この言葉は、「何かに頼ることなく、自分だけで成り立たせること」という、何かに「依存」している状態とは全く逆の意味になります。
また、「それだけで立っていること」という意味でも使える言葉で、そちらでの使い方の例を挙げると、「この柱は自立している」といった形で、この場合にも、「何にも支えられて(頼って)いない」という意味が多分に含まれています。
「依存」の言葉の使い方
依存は、その対象となる何かがないと成り立たないという状態に対して使われる言葉です。
先に挙げた「アルコール依存」がいい例で、そのような状態になってしまうと、依存しているお酒を断つには、多くの場合で専門的な治療が必要です。
一度、この「何かに依存している状態」になってしまうと、その状態から脱するのはかなり難しいと考えていいでしょう。
また、ハード用語としても使われる言葉で、例えば、「機種依存文字」という言葉があります。
これは、ハード自体の種類によって、使える場合と使えない場合がある文字のことです。
この場合の解釈は、「ハード種類に頼り切りになっており、その種類のハードがないと文字として成り立たない」となり、やはり悪い意味では使っていると考えていいでしょう。
「依存」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
依存を使った、よく見る言葉や表現です。
どちらにも「依存」の意味がそのまま使われています。
- 「依存体質」
- 「依存心」
「依存体質」
常に何かに「依存」していないと気が済まないという性格のことです。
「体質」と使っていますが、「性格」だと考えた方が分かりやすいでしょう。
特定の何かに依存するという訳ではなく、ころころとその対象が変わるのが特徴です。
特に何にも依存していない時には、依存できる対象を探していると考えていいでしょう。
「依存心」
この「依存心」とは、「何かに依存したいと思う気持ち」です。
これが強い人は、上の「依存体質」と呼ばれることになります。
「自分にはほとんど依存心がない」と言うと、何かに依存してしまうことがほとんどないと言っていると解釈できます。
「依存」を使った例文や短文など(意味を解釈)
依存を使った例文や短文です。
世の中でよく問題になっている「依存」について挙げていきます。
- 「依存」を使った例文1
- 「依存」を使った例文2
「依存」を使った例文1
「時間さえあればパチンコに行っている彼は、ギャンブル依存症のようだ」
パチンコがギャンブルかどうかという議論はさておき(正確には違いますが、世間ではそのように思われている場合がほとんどです)、それがやめられない、時間があればすぐに行ってしまうという状態であれば、ギャンブル依存だと言われてしまっても仕方ないでしょう。
尚、この「ギャンブル依存」は、近年病気の1つだという研究結果が発表され、その治療を専門に行う機関まで存在しています(現在のところ、病院の類いではありません)。
「依存」を使った例文2
「彼女は、いくつになっても親に依存しているようだ」
大人になっても自立することができず、ずっと親に依存している状態だという人も少なくないようです。
そして、「自立」が依存の対義語だということもよく分かる例文となっています。
「依存」の類語や類義表現
依存と似た意味で使える言葉や表現です。
これらは悪い意味でしか使わないところが特徴です。
- 「中毒」(ちゅうどく)
- 「耽溺」(たんでき)
「中毒」(ちゅうどく)
「それによって悪影響が出ている」という意味で使う言葉で、「ギャンブル依存」は「ギャンブル中毒」とも表現できます。
毒などの中毒と使った場合には、それによる悪影響という意味が強くなります。
一時的な場合も含めて使う言葉なので、それに頼り切りになっているという意味は含んでいません。
その為、上の「ギャンブル中毒」は、まだ「依存」と言われるより、その状態が軽いと考えていいでしょう。
「耽溺」(たんでき)
「何かに夢中になってしまい、それ以外のことを一切省みない状態」の表現です。
「アルコール依存」は、「アルコールに耽溺している」と言い換えていいでしょう。
そういった状態は「依存」の一種だと考えることができますが、「頼っている」という訳ではなく、「夢中になっている」という点が「依存」との違いです。
「依存」と「共存」の違い
「共存」(きょうぞん)とは、「それと共に存在する」ことを表します。
「病気と共存する」と使うことがありますが、多くの場合で不治の病だという時に使う表現で、その病気を抱えながらも生きていくという意味になります。
それに「頼っている」訳ではなく、自らの意志でそれと共に存在していくという場合に使う言葉です。
「依存」と「好き」の違い
「依存」してしまう対象は、「好き」なもののことがほとんどです。
そうでなければ、「依存」と呼ばれる状態になることはまずないからです。
その「好き」の度合いが強くなり過ぎてしまうと、そこから「依存」へと発展することがあると考えてください。
依存対象の例に挙げてきたアルコールやギャンブルが正にそうですが、いくら好きでも「依存」となってしまうまで夢中になっていけません。
依存は、実際の使われ方から悪い意味の言葉だと考えて差し支えないでしょう。
その状態になっていいことはほとんどなく、場合によっては、その解決の為に治療が必要になることまであるほどです。