「頒布」の意味とは?「頒布」と「配布」の違い・対義語・読み方・英語・類語
「頒布」という言葉を聞いたことがある人はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
最近では、意外とSNSで見ることがあるのですが、この言葉の意味は正確には理解されてはいないのではないでしょうか?
今回は、この「頒布」の読み方や意味、使い方について説明をしていくことにします。
目次
- 「頒布」の意味とは?
- 「頒布」の読み方
- 「頒布」の英語(解釈)
- 「頒布」の対義語
- 「頒布」の言葉の使い方
- 「頒布」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「頒布」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「頒布」の類語や類義表現
- 「頒布」と「配布」の違い
「頒布」の意味とは?
「頒布」とは、「物を広く分けたり配ることで行き渡らせること」という意味を持っている言葉です。
もう少し詳しく解釈すると「不特定多数の相手に物を配って行き渡らせる」という定義的な解釈ができますが、無料で配る形態もあれば、有料形式で配布することで使われることもあります。
「頒布」の読み方
「頒布」は「はんぷ」という読み方になりますが、普段の生活の場面ではあまり使う機会が少ないので、ここでしっかりと憶えておくことにしましょう。
「頒布」の英語(解釈)
「頒布」を英語で表現すると、“distribution”という言葉で訳すことができます。
「頒布」の対義語
「広く配り行き渡らせる」という意味がある「頒布」の対義語としては、「回収」という言葉があります。
「廃品回収」や「現金回収」となった熟語で使われることもありますが、「一度配った物や使った物などを、再び集めること」という意味を持っています。
「頒布」の言葉の使い方
「頒布」は、日常生活の中ではめったに聞くことがありませんが、冒頭で言ったように、最近ではSNSなどで登場してくる言葉です。
特にアニメやマンガの展示会・即売会でもあるコミケなどのイベント関連で使われることが多くなっています。
そのような意味では、コミケに足しげく通っている人などは、「頒布」というキーワードをよく理解しているかもしれません。
「頒布」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
では、「頒布」の使った言葉の意味を解釈していきます。
- 「頒布する」
- 「頒布会」
- 「頒布物」
「頒布する」
「頒布する」は、文法的には、サ行変格活用の動詞の終止形とされますが、まさに「配布することで広く行き渡せる」という動詞で使われます。
「頒布会」
「頒布会」という言葉は、特定の販売形態で用いられる言葉で、「会費制でおすすめ商品などを少量で届ける販売方法のこと」を指しています。
通信販売で昔から確立された販売形態で、顧客から見れば、毎月、少ない資金で商品を買いそろえることができるメリットがあります。
今では、少量商品に留まらず食料品も定期的に届けるような「頒布会」も普及してきています。
「頒布物」
「頒布物」とは、「展示会などで配布される品物や資料」という意味がありますが、前出しのコミケなどでは、同人誌・同人ソフト・グッズ等を指して使うわれることが目立ってきました。
「頒布」は、有料の場合と無料の場合があり「販売」という言葉を用いず「頒布」を使う場合は、作品の二次創作の同人的作品を意味していることがあります。
その趣旨は、商売のビジネスであれば、著作権が関連してくる営利行為の「販売」となるので、実費負担形態で資料を譲り渡すということになっています。
「頒布」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「頒布」を使った例文も見ていくことにしますので、具体的な活用シーンを理解してください。
- 「頒布」を使った例文1
- 「頒布」を使った例文2
「頒布」を使った例文1
「神社などで販売されているお札やお守りも、幸福を分けるという意味から、頒布と言言えるでしょう」この例文のように「頒布」は神社にお札などでも使われることが少なくありません。
一応、お金を引き換えてお守りを買う行為ではあるのですが、神仏に関わるお守りやお札は、「商売」という性質を前面に押し出すことが好まれないことから、「頒布」というキーワードで扱うこともあるのです。
「頒布」を使った例文2
「同人誌を即売するコミックマーケットでは、同人誌や人気キャラクターグッズなどを取り扱う場合には、微妙に著作権が絡んでくるので、販売ではなく頒布という言葉で交わしている」販売行為ではなく、「頒布」を強調することで、著作権に絡むことを避けようとしている苦肉の策と言える使い方かもしれませんね。
「頒布」の類語や類義表現
では「頒布」の類語には、どのような言葉があるでしょうか?
ここでは2つ、意味が似ている言葉を挙げてみることにしました。
- 「販売」
- 「ディストリビューション」
「販売」
「販売」という言葉が「頒布」の類語として扱うことができますが、「販売」は「売りさばくこと」すなわち、「商売すること」を意味している言葉でビジネスの世界では、利潤追求をする行為の場合に使われます。
ただ 「有料頒布」と似ているのですが、お金を受け取るで、利益を得る目的なのか、非営的な行為なのか、または、代金引き換えで提供する物が著作権に影響があるかどうかで、「販売」と「有料頒布」の使い分けがされます。
「ディストリビューション」
「ディストリビューション」という言葉もありますが、「流通」、「分布」を意味する言葉で、「配付」という意味で使われます。
「Linux」の世界では、「ソフトパッケージとして配布すること」も指していますし、また、ディストリビューション業務に携わる業者などを「ディストリビューター」とも称しています。
カタカナ語で物事を表現することは、ビジネス業界で流行っており、この言葉も決して目新しい用語ではなくなりつつあります。
「頒布」と「配布」の違い
「頒布」と似ている言葉に「頒布」という言葉がありますが、「配布」は、街中で配られるビラや新聞の号外など、「直接手渡しで配る」という意味と、ポスティングチラシでも用いられる言葉です。
対価、費用が不要で幅広く多くの人や場所で行き渡らせることを目的としています。
この点では、「頒布」は明確な「販売行為」ではないものの、「有料で譲渡される」行為とは異なった解釈があります。
「頒布」は「物や資料を配って、幅広い範囲に行き渡らせる」という意味で、「販売」や「配付」に限りなく近い意味を持っており、明確に使い分けすることは非常に難しいかもしれません。
正しい意味をキチンと理解できないと難しいかもしれません。
しかし、コミケなどで「頒布」が使われているように、具体的な活用シーンを通して理解すると、どのような場面で使うことができるのか、イメージしやすくなってくるかもしれません。