「公平」の意味とは?「公平」と「平等」の違い・対義語・読み方・英語・類語
「公平」という言葉を使ったことがあるでしょうか。
平等、「公平」、などという言葉は生きていく上で非常に大切な概念です。
それならば「公平」とは一体どのような意味なのでしょうか。
ここでは「公平」という言葉について詳しく解説します。
目次
- 「公平」の意味とは?
- 「公平」の読み方
- 「公平」の英語(解釈)
- 「公平」の対義語
- 「公平」の言葉の使い方
- 「公平」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「公平」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「公平」の類語や類義表現
- 「公平」と「平等」の違い
「公平」の意味とは?
「公平」というのは判断や行動をするにあたり、どちらにも偏らず、えこひいきをしないこと、という意味になります。
例えば一定集団において、偏らないという事は非常に重要です。
学校生活においては、教師は生徒を「公平」に扱わなければいけません。
自分に都合が良い生徒ばかりを可愛がる、などという事は「公平」ではなく、そのような態度は許されないのです。
偏らずに物事を見る、ということこそ「公平」に物事を見る、ということになります。
「公平」の読み方
「公平」というのは「こうへい」と読みます。
このような名前の人もいますよね。
間違えずに読めるようにしましょう。
「公平」の英語(解釈)
「公平」という表現は“fair”になります。
“impartiality”、“fairness”、“justice”などといった表現を使うこともできます。
例えば、教師が生徒を「公平」に扱わなければならない、ということであれば“teachers are supposed to treat students fairly. ”と表現できます。
「公平」に分配する、ということであれば“distribute fairly”になります。
「公平」の対義語
「公平」という表現の対義語は不公平になります。
兄弟がいる人は、親から不公平だと感じる扱いを受けたことがある、という人もいるのではないでしょうか。
例えば、兄の方が弟よりもお年玉を多くもらうということがあるかもしれません。
「公平」か不公平かと言えば、これは「公平」です。
兄の方が年上であり、お金を使う機会が多いため、お年玉が多くてもおかしくありません。
同様に大人の方が子供よりも多くの食べ物を食べますから、お父さんの方が小学生の息子よりもお茶碗に多くのご飯をよそってもらうということになります。
これは「公平」です。
もしも小学校1年生と6年生がかけっこをしたら、6年生のほうが勝ちますよね。
これは不公平になります。
「公平」の言葉の使い方
「公平」という表現は偏りがない状態で扱うという意味ですが、これは平等とは意味が違います。
先程小学校1年生と6年生のかけっこの話をしましたが、1年生の方が6年生よりも走るのが遅いですので、もしも1年生と6年生が本気でかけっこをするならば、それは不公平になります。
運動会などで、背の順で6人ずつ50メートル走をした場合、その6人の中には特に早い人が複数人数いるかもしれませんし、遅い人ばかりが揃っているかもしれません。
自分の前後にいる人の速度によって自分の順位が変わります。
これは不公平になります。
事前に全員の50メートル走の速度を図り、似たような速度の人と走らせれば、それは「公平」になります。
「公平」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
ここでは「公平」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「公平に欠ける」
- 「公平を図る」
- 「公平を欠く」
- 「公平を保つ」
「公平に欠ける」
同じ学年だからと言って、かけっこが早い人と遅い人を走らせ、順位をつけた場合、それは「公平」にかけたかけっこになります。
似たような速さの人と走れば、確かに自分の順位をつけられますが、自分よりも明らかに早い人と走れば負けてしまうのは当然です。
そのような状態こそ「公平」に欠けるといい、特に小学校などでは気をつけなければいけません。
「公平を図る」
公平を図るというのは「公平」に扱うという意味になります。
例えば、とあるフェンス越しに小学校1年生と6年生が中を見ていたとしましょう。
1年生は背が低くて中を覗けません。
そのため踏み台を用意したとします。
しかし6年生は踏み台がなくても中が見られるため、踏み台は必要ありませんね。
それを「公平」といいます。
踏み台を用意した人はまさしく「公平」を図ったと言えるのです。
この場合、6年生は「自分にも踏み台がないのは不公平だ」という事はできません。
「公平を欠く」
「公平」を欠く、というのは、「公平」を欠いた行いをするということです。
学校の場合は教師が主語になることが多いでしょう。
教師が「公平」を欠いた場合、子供たちが正確な結果を出せないということになります。
例えば、教師が1年生と6年生に同じテストをさせた場合、6年生の方が良い点を取るのは当たり前です。
これは「公平」を欠いた行いであるということになります。
「公平を保つ」
「公平」を保つというのは「公平」な状態を維持するということです。
例えば先ほどから学校生活を例に挙げていますが、様々な学年の子供たちが集まる学校では「公平」を保った行いが非常に大切です。
年齢という違いを配慮し、あるいは背の高さや走る速さなどを考慮した上で対応するということが重要です。
「公平」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「公平」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「公平」を使った例文1
- 「公平」を使った例文2
「公平」を使った例文1
「あの先生はいつも生徒を公平に扱わない」
教員の中には、子供たちを「公平」に扱わない人もいるでしょう。
どうしても自分に懐いてくる生徒ばかりを可愛がる、というのは珍しい行いではありません。
また、勉強ができる生徒ばかりを大切にする、という教師もいます。
しかし教師になるならば、自分に懐かない子供であっても、なかなか勉強できない子供であっても、「公平」に扱う必要があります。
むしろ「公平」には使えないのであれば教師になるべきではありません。
「公平」を使った例文2
「公平と平等は意味が違うので気をつけてください」
後ほど述べますが、「公平」と平等は意味が異なります。
「公平」というのは年齢等の違いを考慮した上で偏りがないように扱うということです。
平等とよく似た意味合いだと思っている人も多いですが、注意する必要があります。
「公平」の類語や類義表現
ここでは「公平」という言葉の類義語を紹介します。
- 公明正大【こうめいせいだい】
- 客観【きゃっかん】
公明正大【こうめいせいだい】
公明正大というのは私心を挟まず、公正に物事をするという意味です。
公明は「公平」であること、不正では無い事、という意味を持ち、正大というのは態度や行動が正しいという意味になります。
客観【きゃっかん】
客観は当事者ではなく、第三者の立場から観察して考えること、という意味を持ちます。
当事者になるとどうしても主観が入り、物事を冷静に受け止められない、「公平」に見られない、ということがあります。
しかし第三者として冷静に物事を考えると、より「公平」に判断できることがあります。
「公平」と「平等」の違い
「公平」と平等という言葉はよく似ていますが、実際の意味は大きく異なります。
まず、「公平」というのはそれぞれの状況に応じて待遇を変えた上で偏見がないようにする、という意味になるのです。
それに対して平等というのはそれぞれの状況を考えず、全員に対して同じ態度を取るということになります。
小学校1年生と6年生がかけっこをすれば、6年生が勝つのは当然です。
このような年齢や体力の違いを配慮することなく、かけっこをさせるのであれば、それは平等ということになります。
しかし1年生は体力がない、走るのは遅い、ということを考慮したうえで1年生同士でかけっこをさせれば、それは「公平」になるのです。
生きていく上で平等という意識は非常に大切です。
しかし、場合によっては平等よりも「公平」な態度が求められることもあります。
「公平」と平等は何が違うのかしっかりと把握し、正しい言葉が使えるようにしておきたいものです。