「易しい」の意味とは?「易しい」と「優しい」の違い・対義語・英語・類語
この「易しい」は、改めて考えてみると、意外と深い言葉なのかも知れません。
それは、使い方によって、解釈が多少ながら意味が変化するからです。
目次
- 「易しい」の意味とは?
- 「易しい」の読み方
- 「易しい」の英語(解釈)
- 「易しい」の対義語
- 「易しい」の言葉の使い方
- 「易しい」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「易しい」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「易しい」の類語や類義表現
- 「易しい」と「優しい」の違い
「易しい」の意味とは?
易しいとは、「分かりやすい」、「すぐにできる」という意味で使う言葉です。
「このスマホは操作が易しい」と言うと、「操作が分かりやすい」と言っているのと同じです。
「とても易しい」という表現にすれば、「大変分かりやすい」という意味になり、「誰にでもすぐにできる」という意味で使うこともできます。
そのような言葉ながら、「易しい」と使う対象によっては、多少応用を働かせて解釈しないといけないことがあります。
例えば、野球でバッターが「易しいボールがきた」と使った場合には、誰でも打てるような甘いコースにそれほど速くもない打ち頃のボールがきたという意味になります。
「易しい」の読み方
「易しい」は、「やさしい」と読んでください。
平仮名で「やさしい」と使われることも多く、特に子供のうちは、無理に「易しい」と漢字にはしないで使うことがほとんどです。
しかし、平仮名の「やさしい」と表記すると、下記で解説する同音の「優しい」と間違えることがあるので、文章にする時には「易しい」とした方が意味がすぐに分かるでしょう。
「易しい」の英語(解釈)
易しいは、英語では“easy”と表現します。
“simple”という言葉に、使い方次第では「易しい」という意味で使うことができます。
例として、「操作が易しい」と英語で言いたい時には、“operation is easy”と、“operation is simple”という2つの表記があります。
この「操作」になると、後者の“simple”を使った表現の方が適していると考えていいでしょう。
尚、“easy operation”という表現がありますが、この使い方は、日本語で言うと「楽勝」という意味になります。
「易しい」の対義語
「易しい」の対義語は、「難しい」でいいでしょう。
"分かりやすい"という意味から、「分かりにくい」としても構いませんが、それだとこの「難しい」の意味となってしまうので、対義語として適切な言葉ではありません。
先の野球のバッターの例で、「易しいボール」の反対は、この言葉を使って「難しいボール」となります。
バットに当てるのさえ難しいキレのいい変化球や、振り遅れてしまうような剛速球がそのように表現されます。
「易しい」の言葉の使い方
易しいは、ともかく「分かりやすい」と言いたい時に使う言葉です。
使い方(その対象)によって多少解釈に変化が加わることがありますが、それほど意味が変わることはありません。
「易しく」という形で使われることも多い言葉で、「易しく教えて欲しい」とすると、「分かりやすく教えて欲しい」という意味になり、「易しくして欲しい」と言えば、今より「分かりやすくして欲しい」と解釈できます。
「易しい」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
易しいが含まれる言葉や表現の意味を解釈していきます。
2つ目の表現は、誤用という訳でもないのです。
- 「易しい問題」
- 「易しい人」
「易しい問題」
「分かりやすい問題」と素直に解釈してください。
ただし、その人によっては「易しく」ても、他の人にはそうでもないという場合も少なくないでしょう。
あくまでこの言葉を使った本人の主観による表現だと理解しておきましょう。
また、早々に解決できると思われる問題(テスト問題といった意味ではなく、トラブルのことなど)に対して使われることもある表現です。
「易しい人」
この表現は、「優しい人」の誤用で使われることもあり、その場合には「親切な人」や「懐の深い人」という意味になりますが、「易しい人」は、扱いのが楽な人を表現する為に使います。
つまり、この言葉を使った人にとって"都合のいい人"という意味になり、決していい言葉ではありません。
その為、あまり使われることがない表現で、多くの場合は「易しい人」の誤用だと考えていいかも知れません(前後の文脈からも判断してください)。
「易しい」を使った例文や短文など(意味を解釈)
易しいと使った例文や短文です。
遭えて、多少解釈が求められる表現を挙げていきます。
- 「易しい」を使った例文1
- 「易しい」を使った例文2
「易しい」を使った例文1
「オートマチック車の運転は易しいが、反って怖いことも多い」
「易しい」を「誰にでもできる(だろう)」という解釈で使っている例になります。
「分かりやすい」という意味も含んでいますが、「運転」に掛かっていることから、「誰でも問題なくできる(だろう)」といったように少々拡大して解釈しましょう。
確かに、基本的に変速を気にすることなく、アクセルとブレーキの2つのペダルしか付いていないのがオートマチック車です。
その為、子供用のカートのような感覚で運転できそうだと言えなくもありませんが、クラッチが切れない(切った状態だと、アクセルを踏んでも車の動作に影響しなくなります)ことから、突然の急発進などによる事故が多いのも事実です。
「易しい」を使った例文2
「言われているほど易しいとは思わなかった」
「易しく」とは思わなかったものの、対義語となる「難しい」とも言っていません。
よって、それほど「分かりやすい」という訳ではないものの、「分かりにくい」とまではいかない場合にこのように使われることがあります。
少なくとも、誰にでもすぐにできるようなものではないという解釈でいいでしょう。
「易しい」の類語や類義表現
易しいと同じような意味で使える言葉や表現です。
どちらも「易しい」との置き換えに使えるほど意味や使い方が似ています。
- 「簡単」(かんたん)
- 「容易」(ようい)
「簡単」(かんたん)
「易しい」の意味としてしまってもいいほど似た意味の言葉です。
先の「打つのが易しいボール」は、「打つのが簡単なボール」と全く同じ意味です。
「易しい」と置き換える時には、多少前後の文章を工夫する必要がありますが、この言葉に置き換えてもそのまま意味が通りです。
「容易」(ようい)
これは、「易しい」を多少堅くした表現だと考えてください。
「打つのが易しいボール」は、「打つのが容易なボール」としても意味は一緒です。
堅いと書きましたが、「とても易しい」をこの言葉で置き換えた場合、「とても容易である」などと使われるように、堅めの文章に使う時に向いている表現です。
「易しい」と「優しい」の違い
前述したように、「易しい」の誤用として用いられることの多いのが、この「優しい」という言葉です。
「分かりやすい」という意味ではなく、「親切」や「感触がいい」という意味で使う言葉で、「易しい」とは発音は一緒ですが、意味は異なるので注意が必要です。
「人に優しい」と使うと、「人間にとって感触がいい」、誰かがそれだと使った時には、「他人に親切だ」というそれそれの意味になり、こちらも使い方によって解釈が少々変化する言葉でもあります。
易しいは、類語の「簡単」と置き換えてしまえば、解釈で困ることはない言葉です。
多少の意味の変化こそありますが、どのような使い方をしても、根本的な意味は1つだけです。