「立て替える」の意味とは?「立て替える」と「貸す」の違い・英語・類語
誰でもこの「立て替える」ことはしたくないものですが、場合によっては仕方なく、それをしなくてはならないこともあるでしょう。
目次
- 「立て替える」の意味とは?
- 「立て替える」の読み方
- 「立て替える」の英語(解釈)
- お金を立て替えていただいた方に対する敬語
- 「立て替える」の言葉の使い方
- 「立て替える」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「立て替える」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「立て替える」の類語や類義表現
- 「立て替える」と「貸す」の違い
「立て替える」の意味とは?
立て替えるとは、「一時的に代わりに金銭の支払いを行っておく」という意味の言葉です。
つまり、本来はその他の誰か(もしくは、団体など)が支払うべきところを、自分が代わりに払っておく時に使います。
あくまで一時的に支払いを代行しただけなので、もちろん後からその分は返してもらえる訳ですが、それがいつになるか分からないこともあるので、できれば行いたくないものです。
「立て替える」の読み方
「立て替える」は、「たてかえる」と読む言葉です。
この読み方の方は何も問題ないと思いますが、逆に漢字で表記するとなった場合には、間違いに気を付けてください。
それは、「たてかえる」と読むことができる表現には、この他に「建て替える」があるからです。
この建て替えるは、"家を建て替える"などと使う言葉で、全く意味が違います。
きちんと意味が分かっていれば、これと間違えることはまずありませんが、漢字変換をする際に、うっかり間違えてしまうことがないとは言えないので注意しましょう。
「立て替える」の英語(解釈)
立て替えるを英語にすると、“pay temporarily”となります。
“pay”は「支払い」のことで、“temporarily”は「一時的な」という意味で使う言葉です。
この“temporarily”を「一時的」(「に」が付かない形)という形にした“temporary”は、カタカナ語の「テンポラリ」でお馴染みです。
この場合にも、そのまま"一時的"として使う言葉で、パソコンではよく使う言葉でもあることから、特に難しい表現ではないでしょう。
お金を立て替えていただいた方に対する敬語
誰かに"立て替えてもらった"時には、きちんとした言い方でお礼をするのが当然です。
一時的にせよ、自分の代わりにお金の支払いを行ってくれたことに対して、そのお礼として「立て替えてくれてありがとう」程度のことは言っておきましょう。
また、それが目上の人だった場合には、「立て替えていただき、ありがとうございました」くらいの表現でお礼を言うものです。
あくまで一時的に借りたという形で、貰った訳ではないので、無理にこれより丁寧にする必要はありません。
「立て替える」の言葉の使い方
立て替えるは、誰かの代わりに一時的にその支払いを行っておく時に使う言葉です。
または、「立て替えておいて」として、逆に自分の代わりにそれをお願いする使い方があります。
相手が目上の人だった時には、やはり丁寧に、「立て替えをお願いしたいのですが」などという形で使ってください。
自分が立て替える場合には、「立て替えておきましょう」がいいでしょう。
「立て替える」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
立て替えるを使った、よく見られる表現です。
最初の"保釈金"については、万が一の時の為に覚えておいて損はありません。
- 「保釈金を立て替える」
- 「借金を立て替える」
「保釈金を立て替える」
この「保釈金の立て替え」は、起訴された後に保釈が認められても、保釈金が用意できない為にそれを利用できないといった場合におすすめの制度です。
要するに、「一時的に保釈金となるお金を借りる」行為になりますが、日本保釈支援協会というきちんとした組織が貸してくれるので、何も心配は要りません。
ただし、最大500万円までで、2ヶ月ごとに50万円につき、12500円の金利を支払うという条件付きです。
例えば、200万円の保釈金をその組織から借りたとすると、2ヶ月後に返済する場合には、205万円にして返済することになります。
この金利は年利にすると15%で、正直なところ、結構高額ですが、100万円単位にもなる(保釈金は少なくても100万円程度は掛かります)お金を別口からすぐに用意できない時には、とても頼りになる存在だと言っていいでしょう。
「借金を立て替える」
誰かの借金を、その人の代わりに返済する行為ですが、現行の貸金業法ではそのような行為は認めていません。
つまり、本人以外に請求してはいけないという決まりになっているので(その借金に対する保証人になっている場合は除きます)、この借金の立て替えを行うなら、直接金融業者にではなく、その本人に渡さないといけません。
これを覚えておくと、直接金融業者などから請求されたような時に、法律で禁止されていると正当に拒否することができるでしょう。
いわゆる"闇金"のような相手だった時には要注意ですが、例えそういう相手であろうと、本人以外が支払う必要は一切ありません。
「立て替える」を使った例文や短文など(意味を解釈)
立て替えるを使った例文や短文です。
意味自体は簡単な言葉なので、これらの例文の解釈も特に難しくないでしょう。
- 「立て替える」を使った例文1
- 「立て替える」を使った例文2
「立て替える」を使った例文1
「給料日前でお金がないという同僚の昼食代を立て替えることになった」
それくらいの立て替えなら大した金額ではないでしょうが、いくら職場の同僚であっても、高額の立て替えはしたくないものです。
お金というものは、貸した方は覚えていても、借りた方はすぐに忘れてしまうことがあります。
(本当に忘れていて)悪気はなかったとしても、折角立て替えてあげたのに、それを覚えていないというのは面白いものではありません。
「立て替える」を使った例文2
「缶ジュース代くらいの立て替えたは、大抵請求しないで終わってしまう」
自販機で缶ジュースなどを購入する際に、小銭がないと言われて立て替えるという行為は、友人間であればたまには行うものです。
しかし、金額が100円かそこらの為、後から請求するのも難だと思い、そのままになってしまうことも少なくないものです。
立て替えは、少額だと反って請求しにくいという特徴があります。
そのような100円程度であれば、いっそあげたものだと思っておいた方がいいかも知れません。
「立て替える」の類語や類義表現
立て替えると似た意味で使える表現の言葉や表現です。
どれも一度は聞いたことがあると思います。
- 「肩代わりする」【かたがわりする】
- 「用立てる」【ようだてる】
「肩代わりする」【かたがわりする】
「立て替える」とは違って、その分を自分が支払うという意味で使う言葉です。
「立て替えた」お金は後から返ってきますが、「肩代わりした」お金は原則的に返ってきません。
場合によっては、後から返すという約束でこの「肩代わり」を行うこともありますが、その場合にはあまりこの言葉は使いません(普通に「貸した」などと言います)。
「用立てる」【ようだてる】
こちらは、「立て替える」ことと同じ意味の言葉になります。
ですが、少額の場合には使わない言葉で、少なくとも数万円単位のお金を「立て替える」時に、その代わりに使うことがある言葉です。
「立て替える」と「貸す」の違い
「立て替える」ことは、つまりは「貸す」ことになりますが、お金そのものを「貸す」訳ではなく、一時的に代わりに支払っておくことだという点が違います。
その為、先に挙げた金融業者からの「借金を立て替える」場合には、「貸す」とした方が適当な表現になります。
立て替えるとは、実質的にはその分のお金を貸すことになります。
後からその分を請求する手間もあるので(それがしにくいという場合も含みます)、どうしても行わないといけないという場合以外には、友人間であってもできれば遠慮したい行為だと言えるでしょう。