「没頭」の意味とは?「集中」との違い、対義語や英語、類語を紹介!
「没頭」という言葉は普段何気なく使っている人も多いかもしれませんが、たとえば「集中」という言葉との違いを説明できるかどうか、と言われると閉口してしまう人もいるでしょう。
ここでは「没頭」という言葉についてご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「没頭」の意味とは?
- 「没頭」の読み方と漢字
- 「没頭」の英語
- 「没頭」の対義語
- 「没頭」の言葉の使い方
- 「没頭」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「没頭」の類語や類義表現
- 「没頭」と「集中」の違い
「没頭」の意味とは?
「没頭」とは、ほかのことがおろそかになるほど、一つの物事に熱中することを言います。
研究者タイプに多いかもしれませんが、寝食を忘れてなにかに打ち込んだり、他人の目などまったく気にならず、我が道を行く、という人は、一つの物事に「没頭」していることが多くあります。
周囲の状況を考えないことから、奇異な目で見られることもありますが、それすらも意に介さない状態を「没頭」といいます。
「没頭」の読み方と漢字
「没頭」は「ぼっとう」と読みます。
「没」という漢字はほかに、「モツ」「しず-む」「おぼ-れる」「し-ぬ」「な-い」といった読みを持ち、沈むこと、おぼれること、ほろびることなどを意味しますが、ここではとくに、打ち込んだりはまりこむことを意味しています。
「頭」という漢字はほかに、「ズ」「ジュウ」「あたま」「かしら」「こうべ」など多くの読みを持ち、あたまのことや、物事の始まりを意味します。
「没頭」の英語
「没頭」を意味する英語には、“absorb”や“immerse”があります。
ほかにも包まれる、という意味の“wrap up”という語句を使うことで、周囲が見えない、というところから、「没頭」を表すこともできます。
また、“lose oneself”ということで、我を忘れていた、となり、「没頭」を表すことも可能です。
「没頭」の対義語
「没頭」の対義語には、「倦怠」や「退屈」が挙げられます。
「倦怠」とは、物事に飽きること、嫌になること、つまらないことを意味します。
「退屈」とは、することもなく、時間を持て余しているようすや、興味が持てず飽きあきすることを意味します。
「没頭」とは一つの物事に熱中することですから、これらは対義語になります。
「没頭」の言葉の使い方
「没頭」という言葉は、「没頭」しているときには使わない言葉、ともいえるでしょう。
それほど熱中しているときでないと、「没頭」という言葉はふさわしくありません。
あとになって考えてみると「没頭」していた、というときや、周りから見てあの人は○○に「没頭」している、というときに使われる言葉と覚えておくといいでしょう。
「没頭」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
では、「没頭」を使用した語句を紹介します。
どれもよく使われる語句ですので、基本として押さえておきましょう。
- 「没頭する」
- 「没頭力」
- 「没頭できる仕事」
「没頭する」
「○○に没頭する」の形でよく使われます。
時間を忘れ、自分すらも忘れて何かに打ち込んでいるときのようすを表すことができます。
「バードウォッチングの奥深さに気づくにつれ、没頭するようになった」
「衣装製作に没頭する」
「没頭力」
アナウンサーの吉田尚記氏が生みだした言葉で、「没頭」をコントロールしようという考え方を言います。
時間を持て余し、なんでもできる状況にあるのになにもせず、「なんかつまらない」とさえ思っていた学生時代の反省から、「没頭力」を身につけたという氏のメソッドです。
人は「没頭」しているときには、「なんかつまらない」と考える暇すらなく、それくらいの「没頭」に自分の身を置く能力があれば、どんな環境下でも、「没頭」できることを見つけられそうですね。
「没頭できる仕事」
「没頭」することに慣れている人や、本当に興味のある仕事をしている人は、自分に課せられた仕事に対しても「没頭」することができます。
「部署が変わってすぐはふてくされた気持ちでいたが、新しい部署には没頭できる仕事が山ほどあることがわかった」
「上司は没頭できる仕事ばかり与えてくれる」
「没頭」を使った例文や短文など
次に「没頭」を使用した例文をすこし挙げていきます。
具体例の中で、どのように使われているか見ていきましょう。
- 「没頭」の例文1
- 「没頭」の例文2
「没頭」の例文1
「彼は仕事に没頭し始めるとまったく人の話を聞かなくなる」
本人はとても幸せかもしれませんが、社会生活を送る上で、他者との関係性も少しは大事にしたいものです。
かといって、「没頭」できるというのはその人の培った能力ともいえますので、大切にしたい人とはなにかしらルールを決めるといいかもしれません。
時間で区切りをつけるとか、○○のときに話を聞く、など、他者に対しても「没頭」する時間を取れるようになると、関係が長続きしそうです。
「没頭」の例文2
「彫刻にはまってしまい、家に帰るなり没頭している」
なんらかの作品制作もそうですし、ゲームなどの趣味に「没頭」しているという人も多いでしょう。
プライベートの時間を充実させることでストレスフリーになり、仕事にも打ち込みやすくなる、という方もおられるでしょう。
「没頭」の類語や類義表現
「没頭」の類語には、「専心」「熱中」「一心不乱」「夢中」「無我夢中」などが挙げられます。
それぞれ少しずつ意味の差異はありますが、どれも、ある物事に打ち込んだり、それ以外のことが考えられなくなるほどの状態を意味する言葉ですので、「没頭」では少しニュアンス的に言いたいことを伝えられない、というときには類語を考えるといいでしょう。
「没頭」と「集中」の違い
「集中」とは、なんらかの目的を達成するため、それに必要なだけの行動をする、というときに使われます。
「没頭」では、もう少し精神状態に偏りがあり、場合によっては病的とすら考えられる状態を示します。
打ち込み度合いを示すとすると、「没頭」の方が「集中」よりも深くなりますが、健全さの面から見ると、「集中」の方が周りが見えている、と言えます。
行動目的が運転であれば、「没頭」でなく「集中」が望ましいですが、研究には「集中」よりも「没頭」を求められることもあるでしょう。
「没頭」とは、周りが見えなくなるほどに一つの物事に熱中することを意味する言葉とわかりました。
限りある人生、なんとなく退屈だなあ、と思って過ごすよりも、なにか一つ、打ち込めるものがあると、日々が違って見えてきそうですね。