「一元的」の意味とは?「一元的」と「二元的」「多元的」の違い・読み方・英語・類語
私達が日頃から使っている日本語の中にも、プライベートな場面で使う言葉と、ビジネスなどのオフィシャルな場面で使う言葉では、使用する頻度が全く違うような言葉も数多くあります。
例えば「一元的」という言葉のその1つではないかと思います。
「一元的」と聞くと、かなり難しい意味があり、何か哲学的な要素が含まれており、何気に苦手意識が働く人もいるのではないでしょうか?
しかし、この表現はビジネスシーンででは、意外と耳にすることがすくなくありませんし、自分自身も意識せずに使っているかもしれません。
今回は、この「一元的」という言葉にフォーカスを当てて見て行こうかと思います。
目次
- 「一元的」の意味とは?
- 「一元的」の読み方
- 「一元的」の英語(解釈)
- 「一元的」と「二元的」の違い
- 「一元的」の言葉の使い方
- 「一元的」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「一元的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「一元的」の類語や類義表現
- 「一元的」の対義語
「一元的」の意味とは?
「一元的」と言葉の意味を調べてみると、「様々な事物が根源を1つにしているように見える状態」のことを指しています。
この表現だと、かなり難しく理解に苦しむ人もいるかもしれませんが、簡単に言うと、「色々なことを1つの観点で眺めて見る」ということで言い換えることができるでしょう。
「一元的」の読み方
「一元的」は「いちげんてき」とよう読み方をしますが、仕事をしている中では、この言葉を使っている人が意外に多いので、注意して職場の人の会話を聞いていると、よく耳にすることができるかもしれません。
「一元的」の英語(解釈)
「一元的」を英語で言うと、“monistic”、“unitary”、“unified”という言葉で訳すことができます。
「一元的」と「二元的」の違い
「一元的」という言葉があるように、「二元的」という言葉も存在しています。
それぞれの言葉が使われている文字が「一」、「二」というように意味は違ってきます。
「一元的」は、「様々な事象の根源、すなわち元となる出発点は1つ」ですが、「二元的」では、「元となる物が2つあること」という意味になります。
別の表現をすると、「物事が2つ異なる原理や考え方から成立していること」という意味で言い換えることができます。
世の中には、物の見方として「一元的見方」と「二元的な見方」が存在していると言われています。
例えば、「善」と「悪」という存在や価値観も「二元的な見方」と言えるでしょうが、このような見方は、私達の価値観としてはごく当たり前のことと言えます。
「一元的」、「二元的」という表現だと、どうしても堅苦しい印象を覚えてしまうのですが、日常生活の中での「物の見方」、「考え方」に置き換えてみると、意外にシンプルに理解することができると思います。
「一元的」の言葉の使い方
シンプルに考えることで「一元的」は理解しやすくなると言いましたが、実際にどのような場面で活用できるかを考えてみると、やはり日常生活の中でつかうよりは、ビジネスの場面で使うケースが多そうです。
様々な情報を1つの観点から集約して管理するような場合に「一元的」を使うことがあります。
「一元的」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
では、ここで「一元的」を使った言葉の意味を解釈してみることにします。
- 「一元的に管理」
- 「一元的に把握」
- 「一元的な文書管理」
「一元的に管理」
「一元的に管理」とは、「バラバラに散らばっている(点在している)事象を1つにまとめて統合的に管理すること」という意味になります。
会社で扱われている情報に例えてみれば分かりやすいのですが、企業では様々な情報やデータが扱われています。
社員に関する情報だけ見ても、「社員名簿」、「出退勤情報」、「給与情報」などがありますが、これらの情報は総務部門、人事部門、経理部門などが個別に管理をしてそれぞれの情報は連動していないことが少なくありません。
しかし、これらに情報を「1つの観点で管理すること」、すなわち「一元的に管理」することで、「出退勤情報」から「給与情報」を自動計算したり、「社員名簿」から「出退勤情報」や「給与情報」の管理もできるようになります。
これも情報を効率よく利用するために必要な「情報管理」の手法と言えます。
「一元的に把握」
「一元的に把握」とは、「様々な情報を1つの部門で集中して把握すること」という意味になります。
企業で異なる部門で似たような情報をバラバラに管理していると、非常に効率が悪く、各部門が持っている情報から関連性を見つけることができません。
しかし、これを「一元的に把握」できるようなシステム構築や部門の集約で、情報を戦略的に活用することができるのです。
「一元的な文書管理」
「一元的な文書管理」も「一元的に管理・把握」と同じ目的で活用されます。
企業では、様々な文書が存在しており、「経理帳票」、「技術文書」、「顧客情報」など様々ありますが、これら文書を「一元的な文書管理」で効率の高い情報管理ができるわけです。
最近では、この「一元的な文書管理」で「e文書法」という法律の規制緩和が行われ、この仕組みがさらに加速しているようです。
「一元的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、「一元」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「一元的」を使った例文1
- 「一元的」を使った例文2
「一元的」を使った例文1
「我が社では、各システムの統合運用と一元的な管理が可能となるように、社内で全社推進プロジェクトを立ち上げた」
企業において、社内が持つあらゆる情報を「一元的に管理」できるシステムの導入・活用が必要不可欠になっています。
しかし、このような統合管理の仕組みを作ることが簡単なことではないので、全社レベルのプロジェクトを立ち上げて進める必要があります。
「一元的」を使った例文2
「この数年のIT系機器では、あらゆる情報を統合するために、複数のシステムを一元的に管理できる仕組みが必要となっています」
この例文も前の文と同じような意味ですが、情報を統合して管理するためには、社内にある複数のシステムを「一元的に管理」できるようにしなくてはなりません。
「一元的」の類語や類義表現
では、「一元的」と似ている類語も見ていくことにしましょう。
- 「統一的」
- 「中央集権的」
「統一的」
「統一的」という言葉が類義語の1つとして挙げることができます。
「中枢が1つの箇所に集中している」という意味で使えれていますが、特に社内の仕組みを同じにする際によく耳にします。
「中央集権的」
「中央集権的」とは、一般的には、「中央政府に責任と権限が集中している状態」のことを指していますが、ビジネスにおいては、本社が全国にある支店、営業所、工場の管理を強い権限で管理するような時に使うことになるかもしれません。
「一元的」の対義語
「一元的」の対義語としては、「多元的(たげんてき)」という言葉があり、「物事の根源がいくつもあるさま」という解釈になります。
「一元的」という言葉の意味や活用場面もいくつか紹介してきましたが、現在は、情報管理の分野において使用されることが多いことが分かりました。
今では、インターネットの活用が不可欠な時代なので、あらゆる情報を「一元的」に管理することが時代のトレンドなのかもしれません。