「抽象的」の意味とは?「抽象的」と「一般的」の違い・読み方・英語・類語【使い方や例文】
日常会話で「抽象的」という言葉を耳にしたり使ったりする人も多いでしょう。
しかしその意味はと訊かれると説明に困る人もいるのではないでしょうか。
「抽象的」の意味や使い方などについて紹介します。
目次
- 「抽象的」の意味とは?
- 「抽象的」の読み方
- 「抽象的」の英語(解釈)
- 「抽象的」と「一般的」の違い
- 「抽象的」の言葉の使い方
- 「抽象的」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
- 「抽象的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「抽象的」の類語や類義表現
- 「抽象的」の対義語
「抽象的」の意味とは?
「抽象的」の意味と解釈について紹介します。
- 「一般的な共通点をまとめること」の意味
- 「ものごとに具体性が欠けている様子」の意味
「一般的な共通点をまとめること」の意味
複数のものが持っている一般的な共通点をまとめたことです。
例えば「誰かから電話が来た」と言われと「誰か=人」ということは分るのですが、どこの会社の人なのか、部署や名前などは見当が付きません。
これは単なる「人間」という共通点でまとめた「抽象的な伝え方」になります。
掘り下げていくと「女の人だった」「〇〇会社と言っていた」「名前は確か〇〇さんだった」と、どんどん相手が特定されていきます。
「抽象的」とは最もざっくりした「くくり」でまとめて伝えることなのです。
「ものごとに具体性が欠けている様子」の意味
会議で意見を述べる時に「もっと良くしたい」と言っても「その為にどうすればいいのか」がないと論議しようがありません。
また、絵画で画家が自分の内面で感じたことを表現した作品は、輪郭がはっきりしなかったり実在しているものではないなど、他人が見ても一体何を描いているのか分からないものです。
この様に「実務的でなかったり、現実味がない状態」を「抽象的」というのです。
他人が見たり聞いたりしても何を伝えたいのか分からないものごとに対して使われます。
「抽象的」の読み方
「抽象的」は「ちゅうしょうてき」と読みます。
読むことはできてもいざ書こうとすると漢字が浮かんで来ない人も多いので、覚えておきましょう。
「抽象的」の英語(解釈)
「抽象的」の最も一般的な英語訳は“abstract”です。
直訳ですが形容詞として使う時に「抽象的な」という意味になりど、動詞として使う時には「要約する・抽出する」という意味になります。
“His idea is too abstract to understand. ”は「彼のアイデアは抽象的過ぎて理解できない」となります。
「抽象的」と「一般的」の違い
「抽象的」は「ものごとの一般的な共通点を抜き出すこと」という意味ですが、「一般的」との違いは何でしょうか。
「一般的」の意味は「あるものごとに対して、全てではないがほとんどの場合において共通していること」です。
「一般的な考え方」は「多くの人達に共通している考え方」であり、「一般的な家庭」は「両親と子供がいて一定の収入がある家庭」ということです。
その表現の中には共通していれば具体的な例もあるというのが違いになります。
例えば「甘いもの好きな人は多い」というのは抽象的ですが、「女性はシュークリームが好きだ」といのは一般的で、しかも具体的な内容です。
「抽象的」の言葉の使い方
「抽象的」は、形容詞として名詞を修飾したり、「だ」をつけて形容動詞として使います。
前後に対象となるものごとを付け足さないと、言葉自体が抽象的になってしまうので注意しましょう。
また、ビジネスでは「抽象的」は焦点がぼやけて内容がよく伝わらないことを表現する言葉で、あまり良い意味はありません。
相手の意見に対して使う時には注意しましょう。
「抽象的」を使った言葉・慣用句や熟語・サービスなど(意味を解釈)
「抽象的」を使った言葉を幾つか以下に紹介します。
- 「抽象的な絵」
- 「抽象的思考」
- 「抽象的な質問」
- 「抽象的発言」
- 「抽象的な概念」
「抽象的な絵」
ピカソやシャガールなど天才画家に多い技法で、実在しているものの概念を全て無視して、自分が感じたままそのものを描いたものです。
目の前のものを心の中でもう一度見つめ直して3次元という概念を取り払ったり、実際とは違う色を使って表現するなど、モデルはあっても実際とはかけ離れた作品となります。
但し、中には基本が全くできていない、単なる「メチャクチャな絵」の場合もあります。
「抽象的思考」
ビジネススキルの一つで、「ものごとの共通点を整理する考え方」のことです。
情報のラべリングの方法を変えることで、新しい視点でものごとを見られたり、創造性や発想の転換などのスキルを養えます。
「抽象的な質問」
人に対して「最近どうですか」など、何についてどの様に答えたら良いのか分からない質問のことを言います。
多くの場合話題がなくて適当に話しかけてきているのでこちらも抽象的に「ぼちぼち」などと答えます。
「抽象的発言」
会議などで「もっとうまく行く様にしましょう」などと、根拠となるデータがはっきりしない意見のことを言います。
比較する基準となるものが全くなく、単に「頑張る」「増やす」「成功させる」などを多用しても説得力はありません。
「抽象的な概念」
そのものごとの全体から、特定の条件を抜き出して全体像を把握する思想のことです。
難しい言葉ですが、例えば「人間は考える動物である」などです。
「抽象的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「抽象的」を使った例文と解釈します。
- 「抽象的」を使った例文1
- 「抽象的」を使った例文2
「抽象的」を使った例文1
「これは猫を抽象的に捉えた作品だ」
目の前の絵画やオブジェは、とても猫がモデルには見えなかったのでしょう。
作者が自分でイメージした猫の作品であり、観賞した人がタイトルと説明を読んで初めて分ったことを表しています。
「抽象的」を使った例文2
「占いは抽象的でとらえどころがない」
占いはいつでもだれにでも当てはまる様にぼんやりとした表現しかしません。
「近い将来大きな変化が訪れます」と言われてもピンと来ない様子を表しています。
「抽象的」の類語や類義表現
「抽象的」の類語には以下のものがあります。
- 「曖昧」
- 「漠然」
「曖昧」
「あいまい」と読みます。
意味は「はっきりとしないこと」「ぼやけていて掴みどころがない様」です。
「漠然」
「ばくぜん」と読みます。
意味は「ぼんやりしていてはっきりとしない様子」「とりとめがない様子」です。
「抽象的」の対義語
「抽象的」の対義語は「具体的」です。
意味は「きちんと形や内容があり、誰もが分ること」「ひとつひとつのものごとに対応していること」です。
例えば料理でも、「肉」「魚」ではなく、「肉の種類・産地・部位・料理方法」などが分る様に説明することを言います。
「抽象的」は曖昧な表現でビジネスにはあまり向いていません。
しかし人間関係をスムーズにする為に、あまりはっきりとものを言わない方が良いこともあります。
「抽象的な表現」を使える様にして、人間関係のトラブルを回避しましょう。