「汎用」の意味とは?「汎用」の「万能」「凡庸」の違い・対義語・英語【使い方や例文】
この「汎用」は、意味は1つながら、様々な対象に使える言葉です。
その為、便利な表現だと言うことができます。
目次
- 「汎用」の意味とは?
- 「汎用」の読み方
- 「汎用」の英語(解釈)
- 「汎用」の「万能」の違い
- 「汎用」の言葉の使い方
- 「汎用」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「汎用」と「凡庸」の違い
- 「汎用」の類語や類義表現
- 「汎用」の対義語
「汎用」の意味とは?
「汎用」には、「色々な方面に用いることができる」という意味があります。
つまり、用途が1つだけでなく、いくつかの使い方があると解釈していいでしょう。
「汎用性」という形にして使うことが多い言葉で、いくつかの使い方ができるものを指して、これがあると表現します。
「物」だけに限らず、方法などの目には見えないものも対象になります。
「汎用」の読み方
「汎用」は、「はんよう」と読んでください。
難しいのは「汎」(はん)の字で、知らないとまず読めないかも知れませんが、覚えてしまえば問題ないでしょう。
尚、「凡例」(はんれい、指針となる例)の「凡」(はん)と読みは一緒ですが、こちらには部首の「さんずい」が付いていないので、表記する時に間違えないように気を付けてください。
「汎用」の英語(解釈)
汎用を英語で表現すると、“versatile”となります。
「バーサタイル」と発音し、「多目的」という意味の言葉です。
「色々な目的に対応している」という解釈から、「汎用」の英語と考えることができます。
「DVD」と言えば、お馴染みの記録媒体ですが、このDVDは「デジタル・バーサタイル・ディスク」の略です。
「デジタル・ビデオ・ディスク」と言われることもありますが、それは間違いで、ビデオだけの用途に限らず、データの記録やゲームなど、「多目的」で利用できるからです。
このDVDは日本語で、「デジタル汎用ディスク」と表現されることがあります。
「汎用」の「万能」の違い
「汎用」は、簡単に表現すれば「いくつかの使い方ができる」という意味ですが、この「万能」(はんのう)は、「何にでも利用できる」という意味の言葉です。
その為、似ているようで違う意味になる言葉同士です。
例えば、「汎用性のあるルアー(疑似餌)」と言えば、1つの種類の魚だけに限らず、色々な魚を釣ることのできるルアーになりますが、「万能な(万能性のある)ルアー」とすると、どんな魚も釣れるルアーということになります。
いくつかの魚に対応している(汎用性のある)ルアーというものは、実際にもありますが、どんな魚にも対応するようなルアーはまずありません。
「万能」の方が意味が広い分、実際に使うのは難しい(それに該当する対象があまり存在しない)言葉だと言えるかも知れません。
「汎用」の言葉の使い方
汎用は、いくつかの使い方ができると思った対象に使う言葉です。
先に挙げたように、「汎用性」という形で使うことが多く、「汎用性のあるネジ」とすると、ある製品に使うと決まっているようなネジではなく、色々な製品(や違う用途にも)に対応しているネジだという意味になります。
日常で比較的聞く言葉に、「汎用リモコン」がありますが、これは、特定のメーカーだけに限らず、設定次第で色々なメーカーの機器に対応させることができる便利なリモコンのことです。
このような使い方をする言葉だと覚えておきましょう。
「汎用」を使った例文や短文・意味を解釈
汎用を使った例文や短文です。
使う形によるいくつかの例文を挙げていきます。
- 「汎用される」を使った例文
- 「汎用品」を使った例文
- 「汎用性の高い」を使った例文
- 「汎用機」を使った例文
「汎用される」を使った例文
「これは、色々な実験に汎用される試薬だ」
特定に実験だけでなく、色々な実験に使える試薬(これとの反応によって、それがどのような性質をもっているのかが分かる試験用の薬)だと言っています。
この「汎用される」は、「汎用として使われる」と言い換えることができます。
「汎用品」を使った例文
「汎用品のインクだから、それほど品質が高くない」
プリンターなどの印刷機では、各機器に対応した純正インクと呼ばれるものの他に、この汎用品として用意されているインクも少なくありません。
純正のものより安価なことがほとんどな反面、印刷の品質が若干劣ることがあったり、場合によっては機器の故障の原因となってしまうことまである為、価格だけに捉われるのは考えものです。
「汎用性の高い」を使った例文
「キャベツはとても汎用性の高い野菜だと言える」
炒めてもよし、生のままサラダにしてもよし、更にロールキャベツといった料理にも使えるキャベツは、正に「汎用性の高い」野菜だと表現していいでしょう。
野菜にはこの他にも、汎用性の高いものが多く存在しています。
「汎用機」を使った例文
「パソコンには詳しいが、汎用機はよく分からない」
この「汎用機」とは、昔に名付けられたこともあり、現在ではその「汎用性」には注目されていません。
当時のコンピューターは、何かの1つの目的の為に作られることがほとんどでしたが、この「汎用機」は、中のソフトウェアを書き換えることで色々な用途に対応できた為、このような呼ばれ方になりました。
ですが、ご存知のように、今ではパソコンでもそのようなことが可能なので、「汎用機」は「汎用性」の意味で使っている言葉ではなく、パソコンより大型の(巨大なシステムのメインフレームとして使われるような)コンピューターのことだと考えてください。
「汎用」と「凡庸」の違い
「凡庸」(ぼんよう)とは、「ごく平凡なこと」という意味で使う言葉です。
よって、「汎用」どころか、あまりメリットのない対象を指して使います。
よって、全く似たところがない言葉ですが、口語で「汎用」の「汎」を間違って「ぼん」と読んでしまうと、この言葉になってしまいます。
これだけには注意しましょう。
「汎用」の類語や類義表現
汎用と似た意味で使える言葉や表現です。
どれも、「色々な使い方ができる」という意味があると考えていいでしょう。
- 「マルチ」【まるち】
- 「多機能」【たきのう】
- 「多用途」【たようと】
「マルチ」【まるち】
あくまでカタカナ語としての意味ですが、「汎用」とよく似た意味で使うことができます。
「マルチな使い方ができる」とすると、使い方がいくつもあるという解釈になりますが、どちらかと言えば、先の「万能」の方に近い(ですが、完全な「万能」という意味ではありません)と考えてください。
「多機能」【たきのう】
色々な機能をもっているという意味で、「汎用機能」とも表現できます。
しかし、対象が「機能」に限られているので、「汎用」より使える範囲が狭い言葉です。
「多用途」【たようと】
こちらは、色々な用途に使えるという意味になります。
「汎用」に近い言葉だと考えて構いませんが、やはり「用途」に限っているので、使える範囲はどうしても狭くなります。
その意味では上の「多機能」と似た言葉です。
「汎用」の対義語
「汎用」の対義語は、「専用」です。
「それにしか対応していない」、「それを行う為だけのもの」といった意味で使うので、全く逆の意味だと考えていいでしょう。
その意味から、「専用品なので汎用性がない」などと合わせて使われることも多いです。
汎用は、様々な対象に使えるだけでなく、この一言で、それがどんなものなのかが大体分かるとまで言えそうです。
ただし、読み方には注意してください。
間違っても「ぼんよう」と読んではいけません。