「花鳥風月」の意味とは?「花鳥風月」と「雪月花」の違い・類語や言い換え・英語
「花鳥風月」とは何とも風流な言葉ですが、どの様な意味なのでしょうか。
語源や使い方を覚えておきましょう。
目次
- 「花鳥風月」の意味とは?
- 「花鳥風月」の読み方
- 「花鳥風月」の英語(解釈)
- 「花鳥風月」の語源や由来
- 「花鳥風月」の言葉の使い方
- 「花鳥風月」を使った言い回しと意味を解釈
- 「花鳥風月」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「花鳥風月」と「雪月花」の違い
- 「花鳥風月」の四文字熟語の類語
「花鳥風月」の意味とは?
「花鳥風月」の意味は以下の2つです。
- 「美しい自然の景色」という意味
- 「自然の美しさを題材に詩や絵画を作成する趣向」の意味
「美しい自然の景色」という意味
自然の景色や自然界にある美しいものを表します。
「花鳥」は「花」と「鳥」が自然の代表的な美しさであることから、「花を見たり鳥の声を聞いたりする風雅な心」を表しています。
「風月」は清らかな「風」と美しい「月」から、「自然の風景を楽しむ風流な心」を表しています。
これらの2つの言葉が組み合わさり、「花と鳥と風と月」など、自然界における美しいものや風景を心に感じる様子を意味しているのです。
「自然の美しさを題材に詩や絵画を作成する趣向」の意味
「花と鳥と風と月」を楽しむ気持ちから、それらの自然界の美しい風物を題材にして詩歌や絵画などを作成するという優雅な趣味が生み出されました。
そしてその趣味をたしなむこと自体を表す言葉としても使われる様になっています。
「花鳥風月」を上手に取り入れて詩歌をしたためる人は「風流人」と呼ばれていたのです。
「花鳥風月」の読み方
「花鳥風月」は「かちょうふうげつ」と読みます。
文字で見ると読める人は多いのですが、急に耳で聞くと何のことか分らないという人も多くいますので、覚えておきましょう。
「花鳥風月」の英語(解釈)
「花鳥風月」は日本独特の風流な言葉ですので、直訳の英語はありません。
一般的には“beauty of nature”(自然の美しさ)が使われます。
“There are so many beauty of nature in Japan”(日本では花鳥風月がとても楽しめる). ”となります。
日本語とはかなりニュアンスが変わってきますが一言で言い表せる言葉がないので仕方ありません。
「花鳥風月」の語源や由来
「花鳥風月」の語源は日本の貴族の遊びからきています。
既に紹介した通り、「花鳥風月」は元々貴族が自然の美しい景色を堪能して、それを詩歌に盛り込んでしたためる風雅な遊びを意味していました。
室町時代になると、能楽師の世阿弥が「風姿花伝」を著し、その中に「上職の品々、花鳥風月の事態、いかにもいかにも細かに似すべし」という文があります。
花を愛でて鳥のさえずりに耳を傾けて、自然界の美しい風景に親しむ様子を「花鳥風月」と表したのです。
そこから一般的に「花鳥風月」という言葉が使われ始めて、現在まで引き継がれてきているのです。
「花鳥風月」の言葉の使い方
「花鳥風月」は、自然界にあるものの美しさの意味が全て込められているとても風流で便利な言葉です。
余計な説明は必要なく名詞として「花鳥風月に親しむ」「花鳥風月を感じる」など、「自然の美しさ」で言い換えられる言葉に全て使えます。
日本の素晴らしさを表現する時に使われる言葉ですので、アウトドアや旅行の際に使ってみると良いでしょう。
「花鳥風月」を使った言い回しと意味を解釈
「花鳥風月」を使った言い回しと解釈を紹介します。
- 「花鳥風月を愛でる」
- 「花鳥風月を友とする」
「花鳥風月を愛でる」
「愛でる」には「慈しみ愛する」「美しさを味わい感動する」という意味があります。
「花鳥」には前者の意味があてはまり、「風月」には後者の意味があてはまります。
自然界にある美しいものや、自然の景色の美しさを十分に味わい、愛する心を表しています。
「花鳥風月を友とする」
自然の美しさに魅せられて、それらを題材にして絵画や詩を楽しむ時の状況を表しています。
また、自然を愛する気持ちが募り、自ら自然に馴染んだ生活をして生涯を送る人のことも表しています。
風流な人や芸術家は自然の多い地域に自分の書斎や工房を構えている人が多いのは、花鳥風月を友として良い作品を生み出したいと思うからです。
「花鳥風月」を使った例文や短文・意味を解釈
「花鳥風月」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「花鳥風月」の例文1
- 「花鳥風月」の例文2
- 「花鳥風月」の例文3
「花鳥風月」の例文1
「日本には世界に誇れる花鳥風月がある」
日本にははっきりとした四季があり、その為に景色の移り変わりが大きく自然の美しさが楽しめる国です。
海外には四季がない国も多く、日本の自然の美しさは世界に誇れると言って良いのです。
「花鳥風月」の例文2
「この絵画は花鳥風月を見事に織り込んだ作品だ」
一枚の絵画に、日本の自然の風景や美しさをふんだんに盛り込み、観た人がそれを感じられる作品であることを表しています。
「花鳥風月」の例文3
「休暇を取って花鳥風月を楽しむ旅に出たい」
忙しくて自然に触れ合う機会がほとんどない人の言葉です。
休暇を取って自然の多い場所に旅行に出かけて、癒されたいという気持ちを表しています。
「花鳥風月」と「雪月花」の違い
「花鳥風月」は、自然の美しいものや風景を意味します。
「雪月花」は、「雪と月と花」から、日本の四季折々により楽しめる美しいものを意味します。
どちらも自然の美しいものを表しているのですが、「四季折々のもの」であるか、「自然界のもの」であるかという微妙な違いがあります。
「花鳥風月」の四文字熟語の類語
「花鳥風月」の類語として以下の四字熟語があります。
- 「春花秋月」【しゅんかしゅうげつ】
- 「花鳥月露」【かちょうげつろ】
- 「風光明媚」【ふうこうめいび】
- 「雪月風花」【せつげつふうか】
「春花秋月」【しゅんかしゅうげつ】
意味は「日本の四季折々の自然が美しいさま」で、「春の花」と「秋の月」という代表的な日本の風物から自然の美しさを表しています。
「花鳥月露」【かちょうげつろ】
意味は「自然に起きる美しい景色のこと」で、「花と鳥」「月夜に露が下りる様子」を表しています。
「風光明媚」【ふうこうめいび】
意味は「自然の景色が非常に美しくて、思わず心を惹かれてしまうこと」です。
「風光」は「風と光=美しい眺め」で「明媚」は「景色が澄んで遠くまで見渡せる様子」を表しています。
「雪月風花」【せつげつふうか】
意味は「四季折々の自然で美しい風景」で、「花鳥風月」の言い換えとして使われています。
「花鳥風月」は一見使うのが難しそうな言葉ですが、実際に景色がきれいな場所に行った時や、自然を表す芸術作品を鑑賞している時ならば、スムーズに使えます。
相手も同じものを見ているならば、感覚が伝わり易いでしょう。
ビジネスの場よりも、旅行に出かけた時に使うチャンスが多い言葉です。