「兆し」の意味とは?「兆し」と「前兆」の違い・読み方・英語【使い方や例文】
この「兆し」は、口語ではよく使われる言葉ですが、漢字ではこのように書くということも覚えておきましょう。
目次
- 「兆し」の意味とは?
- 「兆し」の読み方
- 「兆し」の英語(解釈)
- 「兆し」の言葉の使い方
- 「兆し」を使った言葉や熟語・意味を解釈
- 「兆し」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「兆し」と「前兆」の違い
「兆し」の意味とは?
兆しとは、「そのような予想ができる」状態のことです。
あくまで「予想」なので、確実にそうなるとは限りませんが、その傾向を強く感じるという時に使う言葉だと考えていいでしょう。
「〜の兆しがある」と使われることが多く、「〜となる予想ができる」、または「〜となると強く感じる」と解釈します。
どちらの意味も似たようなものですが、使い方によって、後者の「強く何かが起こると感じる」という意味を強調することができます。
例えば、「〜の兆ししか感じない」などという形がそれに当たります。
「兆し」の読み方
「兆し」は、「きざし」と読んでください。
「兆」はご存知のように、数の単位を表す言葉として「ちょう」と発音し、「億」の1万倍とも使われますが、その使い方と「兆し」は何も関係ありません。
数の単位で、その「兆」の1万倍を「京」(けい)と表現しますが、この「京」もまた、「京都」や読み方の1つの「みやこ」とは何の関係もありません。
この「兆し」と関係のある「兆」の使い方をしている言葉に、「吉兆」(きっちょう)があります。
これは、「良いことが起こる前触れ」、または「良いことが起こる気がする」という意味で使う言葉です。
もう1つ、「前兆」(ぜんちょう)という言葉もありますが、これについては「兆し」との違いも含めて後述します。
「兆し」の英語(解釈)
兆しを英語で表記すると、“a symptom”となります。
もっとシンプルに、“a sign”としても構いませんが、前者の方がより「兆し」に近い表現だと考えていいでしょう。
“sign”はカタカナ語の「サイン」の元の英単語で、「サインする」という意味がありますが、「〜のサイン(合図)」という意味でも使える言葉で、その意味から、「兆し」と似た表現で使うことができます。
尚、既に「書かれた(後の)サイン」は、英語では“autograph”(オートグラフ)と表現します。
日本語とは違って、それを書くという表現とは別なので注意してください。
「兆し」の言葉の使い方
兆しは、そのような予想ができる、強くそう感じるといった時に使う言葉です。
「予感がする」という表現にも近いですが、その「予感」とは違い、必ずそうなると決まっている訳ではありませんが、「なる確率が高い」と思われる時に使ってください。
「予感」となると、その確率が大分下がってしまう表現なので、「兆し」とはまた別の意味になってしまいますが、「兆し」とまでは言えない(そこまで確率が高いとは言えない、思えない)時には、この「予感」で言い換えるのが一番適しています。
「兆し」を使った言葉や熟語・意味を解釈
兆しという言葉を使っている、よく見られる表現です。
どれも日常で見聞きする機会があるでしょう。
- 「回復の兆し」
- 「兆しが見える」
- 「良い兆し」
「回復の兆し」
「回復する見込みが高い」という意味で使います。
「業績が回復する兆しがある」などと、少し形を変えて使っても意味は同じです。
そして、この場合、「強くそう感じる」という意味だと考えていいでしょう。
「兆しが見える」
「兆し」の前の段階だと考えていい表現です。
その為、意味が弱くなり、「結果が出る兆しが見える」と使うと、「結果が出ると予想できる」くらいの意味だと解釈してください。
もう少し詳しく書くと、「(その時点では)それほど確率が高いとは言えないが、結果が出そうだと予想としている」といった意味だと考えると分かりやすいでしょう。
「良い兆し」
この言葉は、「良い方向に向く(だろう)」という意味で使ってください。
単に「良い兆しがする」と言うと、「(恐らく)良い方向に向かっている」と言い換えることができます。
「このままだと良い兆しだ」の場合は、「"このままなら良い方向に向かう(だろう)」という意味になります。
「兆し」を使った例文や短文・意味を解釈
兆しを使った例文や短文です。
それほど難しい言葉ではないので、どの例文も解釈は簡単です。
- 「兆し」の例文1
- 「兆し」の例文2
- 「兆し」の例文3
「兆し」の例文1
「この銘柄は、そろそろ底値になる兆しがある」
株式のある銘柄が、そろそろ一番狙いやすい価格まで下がると予想しています。
「底値」という言葉の意味は人それぞれで、ここで挙げたような、その人が思っている最近で一番狙いやすい値段だと考えるのが一般的です。
しかし、「○日の底値」といった表現の場合はその限りではなく、○日の中で一番下がった時の価格を指して使います。
「兆し」の例文2
「そんな兆しがあったとは知らなかった」
後から、「そんな予想はできなかった」と言っている使い方です。
あまり強い意味では使っておらず、「予想しなかったことがあったようだ」という程度の意味だと考えてください。
「兆し」は、前後の表現でその意味を強くも弱くもできる言葉だといういい例でもあり、「そんな兆しすらなかった」とすると、「そんな気さえしなかった」となります。
「兆し」の例文3
「このままだと、全くうまくいく兆しがない」
反対の意味で使っている例になります。
「全くうまくいきそうにない」と言っており、その通りになる(うまくいかない)可能性がかなり高いと予想しています。
「兆し」は、このように「ある」、「ない」、または多少意味が弱くなる「見える」、「見えない」、同様の(弱い)意味で「感じる」、「感じない」といった使い方がほとんどになります。
いずれも、前者は良い意味で使い、後者は悪い意味で使います。
「兆し」と「前兆」の違い
「前兆」とは、何かが起こる「前触れ」です。
よって、その後にほぼ確実にそれが起こるという場合に使う言葉で、「兆し」より「そうなる確率が高い」と思われる時に使ってください。
「この空気の生暖かさは、雨が降る前兆だ」(雨が降る確率がかなり高い)といったような使い方になり、その時点でそうなると分かっている場合に使ってもいい言葉です。
兆しは、「そう感じる」と思った時に使える言葉ですが、あまり確率が高そうではない時には使わない方がいいでしょう。
その時には「予感がする」という表現に留めておいてください。