「詰めが甘い」の意味とは?「詰めが甘い」と「脇が甘い」の違い・対義語・類語・英語
この「詰めが甘い」状態だと、どれだけそこまでがよかった場合でも、最後に汚点を残すことになってしまうので注意が必要です。
目次
- 「詰めが甘い」の意味とは?
- 「詰めが甘い」の読み方
- 「詰めが甘い」の英語(解釈)
- 「詰めが甘い」の対義語
- 「詰めが甘い」の言葉の使い方
- 「詰めが甘い」を使った言葉と意味を解釈
- 「詰めが甘い」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「詰めが甘い」と「脇が甘い」の違い
- 「詰めが甘い」の類語や類義の表現
「詰めが甘い」の意味とは?
詰めが甘いとは、「最後の締め方が悪い」という意味で使う言葉です。
その所為で失敗してしまった時には「詰めが甘かった」という使い方になり、「最後の締め方が悪かったので失敗に終わってしまった(もしくは、悪い終わり方になってしまった)」ということをそれだけで表せます。
物事にだけでなく、「あの人はいつも詰めが甘い」などと、最後を締めるのがうまくない人に対して使うこともできます。
また、「詰めが甘いのはいつものことだ」(いつも決まって最後が締まらない)といったような使い方をしても構いません。
「詰めが甘い」の読み方
「詰めが甘い」は、「つめがあまい」と読んでください。
難しい読み方をする訳ではないので、間違えて読むことはまずないでしょう。
「詰が甘い」(読み方は同じ)と表記されることもありますが、一般的には「詰めが甘い」の方で使ってください。
辞書などにも「詰めが甘い」の方で記載されている為、「詰が甘い」は間違いだと考えていいでしょう。
「詰めが甘い」の英語(解釈)
詰めが甘いの意味で使える英語はいくつかありますが、“not thorough”が一番適当で、多くのシチュエーションで使える表現です。
「(最後まで)徹底していない」という意味になるので、「詰めが甘い」の英訳としてピッタリです。
単に“lax”(手ぬるい、甘い)と表現しても、その場面によっては「詰めが甘い」という意味で使えることがありますが、一般的には先の“not thorough”の方がいいでしょう。
「詰めが甘い」の対義語
「詰めが甘い」の逆は、「最後がよかった」という意味になります。
よって、対義語は「有終の美」(ゆうしゅうのび)だと考えることができます。
この言葉は、「終わり方がよかった」という意味で、そこまでの過程はともかく(関係なく)、最後は綺麗に締められたという意味になるので、「詰めが甘い」とは全く逆の状態です。
状況によっては、「正確」(せいかく、間違いがない)や「緻密」(ちみつ、細かいところまでしっかりしている様子)なども反対の意味で使えます。
「詰めの甘さが見られた」の反対は、「最後まで正確(緻密)だった」と表現できます。
もちろん、「有終の美だった」でも構いません。
「詰めが甘い」の言葉の使い方
詰めが甘いは、最後が締まらない、失敗に終わったという時に使われる言葉なので、いい意味で用いられることはありません。
その為、使わないに超したことはない言葉ですが、最後の終わらせ方や始末が悪かったということを言いたい時に簡単にその表現ができる便利な言葉でもあります。
「詰めが甘い」を使った言葉と意味を解釈
詰めが甘いを使っている言葉や表現の解釈です。
2つ目は、この言葉の語源でもある使い方です。
- 「詰めが甘い仕事をする」
- 「将棋の詰めが甘い」
「詰めが甘い仕事をする」
「最後が締まらない仕事をする」という解釈で、途中まではよかったものの、きちんと終わらせることができていないと判断されていると考えてください。
例として、ビジネスにおける価格交渉で、200万円以内に抑えるように指示されていたので、何とか交渉によってそうなったものの、消費税は全く考えていなかった為、その分を含めると軽く200万円以上になってしまったという具合です。
これはもう、「詰めが甘い」としか言いようがありません。
「将棋の詰めが甘い」
「詰めが甘い」という言葉は、元はこの将棋からきています。
将棋で相手に勝つには、相手の王様を詰ませる他になく(途中での相手の投了=降参もありますが、それは考えないとします)、それによって以って終局となります。
その王様を詰ませる段階(最終局面)で、甘い手によって王様に逃げられてしまったという状態がこの「詰めが甘い」の語源です。
その将棋では文字通り、「詰めが甘かった為に勝ちを失った」などと普通に使っています。
「詰めが甘い」を使った例文や短文・意味を解釈
詰めが甘いを使った例文や短文です。
「詰めの甘さ」と少し変化させて使っているものも含めます。
- 「詰めが甘い」の例文1
- 「詰めが甘い」の例文2
「詰めが甘い」の例文1
「あそこまでうまくやっておきながら、この詰めは甘さはいただけない」
途中まではよかったのに、肝心の最後がうまく締まっていないと言っています。
途中まで順調だっただけに、つい油断してしまったのかも知れません。
この「詰めの甘さ」という形は、「最後の締まらなさ(悪さ)」と考えていいでしょう。
このような使い方をすることも多い言葉です。
「詰めが甘い」の例文2
「詰めが甘いと言われるが、自分なりにうまくやっているつもりだ」
自分ではうまく締められたと思っていても、人から見るとそうでもないということも多々あるものです。
いつもそのように言われてしまうようであれば、自分1人だけで納得してしまわずに、人の意見を取り入れるなどという対策も考えてましょう。
「詰めが甘い」と「脇が甘い」の違い
「脇が甘い」とは、「油断がある」という意味で使う言葉です。
「あいつは脇が甘いところがある」とすると、「あいつには(付け込まれる)隙がある」という意味になり、「詰めが甘い」と表記は似ていますが、全く違う言葉です。
この2つを間違えて使わないように注意してください。
「詰めが甘い」の類語や類義の表現
詰めが甘いと似た意味で使える言葉や表現です。
どれも、「最後が締まっていない」ことを表しています。
- 「画竜点睛を欠く」【がりゅうてんせいをかく】
- 「仏造って魂入れず」【ほとけつくってたましいいれず】
「画竜点睛を欠く」【がりゅうてんせいをかく】
素晴らしい竜の画を描いたのに、肝心の目が書かれてなかったという語源から、「詰めが甘い」と同様に、最後が締まっていないという意味で使う言葉です。
「仏造って魂入れず」【ほとけつくってたましいいれず】
仏像の製作時に、「魂」(霊力、仏像にはどれにもこれがあるとされています)を入れるの忘れてしまったということからできた言葉です。
これもまた、「最後が締まっていない」という意味で使う表現です。
詰めが甘いは、決していい言葉ではありませんが、使い方勝手自体はなかなかいい言葉なので、そのような場面に遭遇した時には便利に使うことができます。