「忘恩」の意味とは?「忘恩」と「恩知らず」の違い・読み方・対義語・類語・英語
「忘恩」とは、「相手から受けた恩を忘れること・恩義を無視する恩知らずであること」です。
「忘恩」の「意味・読み方・英語と解釈・対義語・使い方・忘恩を使った言葉・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「忘恩」の意味とは?
- 「忘恩」の読み方
- 「忘恩」の英語(解釈)
- 「忘恩」の対義語
- 「忘恩」の言葉の使い方
- 「忘恩」を使った言葉と意味を解釈
- 「忘恩」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「忘恩」と「恩知らず」の違い
- 「忘恩」の類語や類義表現
「忘恩」の意味とは?
「忘恩」の意味は、「相手から受けた恩を忘れること」や「過去に受けた恩義を返さない恩知らずであること」になります。
「忘恩」とはその漢字が示唆するように、そのまま「恩を忘れること」を意味する言葉なのです。
「忘恩」という言葉は、「過去に良くしてもらった人・昔に助けてもらった人・過去にお世話になった人」などに対する恩義・感謝・報恩(恩返し)を忘れることを意味しています。
例えば、「苦しい時期に手助けしてくれた人を見捨てるのは忘恩行為である」や「忘恩の徒になり下がるくらいなら自決した方がマシである」などの文章において、「忘恩」の意味を示すことができます。
「忘恩」の読み方
「忘恩」の読み方は、「ぼうおん」になります。
「忘恩」の英語(解釈)
「忘恩」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“ingratitude”(もっとも一般的な「忘恩」を意味する英単語になります。「恩知らず・感謝の気持ちがない」から、「忘恩」を意味しています。)
“She was ingratitude person and rude. ”(彼女は忘恩の人で無礼でした。)
“an ungrateful person(wretch)”、“an ingrate”(「感謝のない人・奴」から、「忘恩の徒・忘恩の輩」を意味しています。)
“unthankfulness”(「感謝がない・ありがたがらない」から、「忘恩」を意味しています。)
“My brother's unthankfulness and egoism disappointed me. ”(弟の忘恩と利己主義に、私はがっかりさせられました。)
「忘恩」の対義語
「忘恩」の対義語は、「報恩(ほうおん)・感謝(かんしゃ)」になります。
「報恩」の言葉の意味は、「相手から受けた恩義に報いること・相手に恩返しをすること」です。
「感謝」の意味は、「相手から良くしてもらったことに対してありがたいと思うこと」です。
恩義を忘れることを意味する「忘恩」と反対の意味を持つ対義語として、「報恩・感謝」を指摘することができるでしょう。
「忘恩」の言葉の使い方
「忘恩」の言葉の使い方は、「相手から受けた恩を忘れているかのような態度・反応を示した時」や「過去に受けた恩義・世話を返さない恩知らずな人物であることが分かった場合」などに使うという使い方になります。
「忘恩」という言葉は「恩知らずな人物・者」という意味で、「忘恩の徒(ぼうおんのと)・忘恩の輩(ぼうおんのやから)」という言葉がよく使われる傾向があります。
例えば、「忘恩の徒とは私は絶縁することに決めています」や「感謝を忘れて忘恩行為をする人は孤立します」などの文章において、「忘恩」の言葉を正しく使用することができます。
「忘恩」を使った言葉と意味を解釈
「忘恩」を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「忘恩の輩」
- 「忘恩不義」
- 「忘恩行為」
「忘恩の輩」
「忘恩の輩(ぼうおんのやから)」とは、「恩知らずな者・奴」という意味です。
過去の恩義や援助、世話などすっかりを忘れてしまい、過去の恩人を軽視するような無礼な態度を取る人・奴のことを「忘恩の輩」と呼んでいるのです。
「輩(やから)」というのは「同類の者・一族・仲間」を意味しますが、近年では「道徳的に好ましくない特徴を示す者」といったネガティブな意味合いの俗語にもなってきています。
「忘恩不義」
「忘恩不義」とは、「恩知らずな振る舞いをして、人としての道を踏み外していること」を意味する言葉です。
「忘恩不義」という言葉は、「忘恩=恩知らずであること」と「不義=義理を欠いていて人間関係で守るべき道義・恩返しを守っていないこと」の意味を組み合わせた言葉なのです。
人間関係において恩知らずで非常識な行動を取っている場合に、「忘恩不義」の言葉が使えます。
「忘恩行為」
「忘恩行為」とは、「過去の恩義や支援を忘れたかのような失礼・無礼な行為」のことを意味しています。
「忘恩行為」というのは簡単に言えば「恩を仇で返すような行為」のことであり、過去にお世話になった人に対して恩返しをせず、逆に軽視・無視するような態度を取ることなのです。
「忘恩」を使った例文や短文・意味を解釈
「忘恩」を使った例文や短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
例文1
「あまりに急いでその場ですぐに恩返しをして貸し借りを無くそうとするのも、一種の忘恩行為になってしまうのです」
この「忘恩」を使った例文は、「あまりに急いでその場ですぐに恩返しをして、その後のつながりを無くそうとするのも、一種の恩義を忘れた冷たい行為になってしまう」ということを意味しています。
例文2
「相手から受けた恩を仇で返すような忘恩の輩は、長い人生のどこかで必ず因果応報の痛い目に遭うことでしょう」
この「忘恩」を使った例文は、「相手から受けた恩を仇で返すような恩知らずで自己中心的な奴は、長い人生のどこかで必ず、恩人を裏切った報いで痛い目に遭う」ということを意味しています。
「忘恩」と「恩知らず」の違い
「忘恩」と「恩知らず」の意味の違いは、基本的にありません。
「忘恩」という言葉を国語辞典で引くと、「人から受けた恩を忘れること・恩知らずであること」の意味になっているので、「忘恩」と「恩知らず」はほぼ同じ意味を持つ言葉として解釈できます。
強いて違いを上げれば、「忘恩」は書き言葉の文語で使われることが多く、「恩知らず」は話し言葉の口語で使われることが多いという違いがあります。
他者との話し言葉のコミュニケーションで、「忘恩」という漢文調の熟語を使う頻度はかなり少なくなっています。
「忘恩」の類語や類義表現
「忘恩」の類語や類義表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「忘恩」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「恩知らず」
- 「不義理」
「恩知らず」
「忘恩」の類語・類義表現として、「恩知らず(おんしらず)」があります。
「恩知らず」というのは、「恩義を知らないこと・他者から受けた恩を返そうとしないこと・恩義を無視するような態度を取ること」を意味する言葉です。
他者からの恩義を忘れることを意味する「忘恩」の類語として、「恩知らず」を指摘することができるのです。
「不義理」
「忘恩」の類語・類義表現として、「不義理(ふぎり)」があります。
「不義理」という言葉の意味は、「義理を欠いていること・人間が実践すべき正しい道から外れていること」や「人間関係のやり取りで守るべき道義を守らないこと(=恩を仇で返したり、相手を軽視したりすること)」になります。
「忘恩」というのは人間関係の原理原則である恩義・義理を忘れることですから、それに似た意味を持つ類義表現として、「不義理」が上げられるのです。
「忘恩」という言葉について徹底的に解説しましたが、忘恩には「相手から受けた恩を忘れること・恩義を無視する恩知らずであること」などの意味があります。
「忘恩」の類語・類義表現としては、「恩知らず」「不義理」などがあります。
「忘恩」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。