「複雑」の意味とは?対義語、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「複雑」という言葉は普段、何気なく使っているため、説明しなさいといわれるとよくわからない人も多い言葉です。
ここでは「複雑」という言葉についてご紹介していますので、そういえば曖昧だ、と思った方は、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「複雑」の意味とは?
- 「複雑」の読み方・漢字
- 「複雑」の英語
- 「複雑」の対義語
- 「複雑」の言葉の使い方
- 「複雑」を使った言葉と意味を解釈
- 「複雑」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「複雑」の類語や類義表現
「複雑」の意味とは?
「複雑」とは、物事や性格、関係が一面的ではなく、さまざまな要素が絡み合っていること、入り組んでいるためわかりづらく、簡単な説明ができないこと、という意味の言葉です。
ひとつまたはすこしの、わかりやすい部分があるのでなく、ひとつひとつは簡素なものでも、入り組むことにより部分が見えなくなり、全体として絡まり合っている、という状態です。
「複雑」の読み方・漢字
「複雑」は「ふくざつ」と読みます。
「複」という漢字にはほかに「かさ-ねる」という読み方もあり、かさなる、二つ以上である、ふたたび、という意味がありますが、ここではとくに、こみいっている、という意味で使われています。
「雑」という漢字はほかに、「ゾウ」「ま-じる」「ま-ぜる」という読みがあり、まとまりがないことや、粗いことを意味しますが、ここではとくに、まじる、まざる、入り乱れる、といった意味で使われています。
「複雑」の英語
「複雑」という英語でまず思い浮かぶのが“complex”という単語ではないでしょうか。
一般的には劣等感を意味する「コンプレックス」ですが、さまざまな感情の複合した状態から来ている言葉です。
英語での“complex”にはどちらかというと構造的な「複雑」さなど、客観的な意味あいの「複雑」が強くあります。
また、“mix”や“complicate”という単語も「複雑」を表すことができる英語ですので、あわせて覚えておきましょう。
「複雑」の対義語
「複雑」の対義語は「単純」となります。
「単純」とは、まじりけがないこと、込み入っていないこと、ほかの要素が混じっていないこと、という意味の言葉で、「複雑」とは真逆の意味を表す言葉ですので、対にして覚えておくといいでしょう。
「彼はあまり深く考えず、単純に思ったことをいっているだけだ」
「単純なミスで満点を取り逃した」
「複雑」の言葉の使い方
感情の動きに関していう場合や、構造についていう場合などがあり、どちらも同じ「複雑」ですが、主観的、感情的なものと、客観的、理論的なものとに分けられます。
どちらも入り組んでいる(と感じられる)点では同じように使われます。
「複雑」を使った言葉と意味を解釈
では、「複雑」を使用した言葉をご紹介します。
一般によく知られている使い方から覚えていくとすぐに活用することができます。
- 「複雑化」
- 「複雑骨折」
「複雑化」
より込み入った状況になること、「複雑」になること、「複雑」にすることを意味する言葉です。
それまですでに「複雑」だったものに、さらに別の要素が加わる場合もあれば、それまでは「単純」だったものに要素を加えることで「複雑」になる場合もあります。
「部下の余計な発言で、事態は複雑化してしまった」
「複雑骨折」
ただ骨が折れるだけではなく、周囲の組織が損傷を受けることによって、皮膚まで傷が開いている骨折のことを「複雑骨折」といいます。
骨が粉砕することをいう、と思っている人も多いですが、こちらは現在では「粉砕骨折」といわれ、別の症状をさします。
「足を踏み外し、階段から落ちて病院へ行ったら、複雑骨折と診断された」
「複雑」を使った例文や短文・意味を解釈
次に「複雑」を使用した例文をご紹介します。
先述したいくつかの語句以外にも、「複雑」という言葉は多くの場面で使われる言葉ですので、多くの活用法を知っておくと便利でしょう。
- 「複雑」の例文1
- 「複雑」の例文2
- 「複雑」の例文3
「複雑」の例文1
「退会したいだけなのに複雑な手続きを踏まねばならず、すっかり疲れた」
入るときは情報を打ちこむだけで簡単なのに、やめるときは面倒くさい、というものは案外多いように感じます。
企業のメールマガジンの配信停止がなかなかできなくて、結局わからなくて諦めてしまった、という経験のある方も多いのではないでしょうか。
「複雑」の例文2
「祖父がなくなってから、親族一同は遺産をめぐって複雑な関係にある」
男女の三角関係など、人間の感情をめぐる「複雑」さは、とても心労を伴うものです。
また、さまざまな場面で取りざたされる遺産争いも、肉親の信頼に亀裂を入れるおそれのある、「複雑」な問題です。
昨今では残される者のことを考えておくべく、生前整理などがすすめられており、当人が自分の遺産を「単純」化しておくことで、未然に争いを防げるケースもあるようです。
「複雑」の例文3
「複雑な建築様式にするのはいいが、デザインばかりが先行して機能性に優れないところが珠にきずだ」
有名なデザイナーの建築した物件や博物館などの箱物、芸術関係の学校などでは、デザインを重視するあまり、階段がやたらと多かったり、階層がわかりづらい、トイレまで奇抜で落ち着かないなど、実用性に欠けるものもなかにはあります。
しかし、日常のなかに一流のデザインがあるというのは、とても恵まれたことともいえます。
「複雑」の類語や類義表現
最後に「複雑」の類語表現を見ておきましょう。
日本語にはとても微妙なニュアンスを伝えるために、多くの語彙がありますので、ぜひ使い分けてください。
- 「難解」【なんかい】
- 「交錯」【こうさく】
「難解」【なんかい】
「難解」とは、わかりにくい、むずかしい、といった意味の言葉です。
「複雑」も、要素が入り組んでいることでわかりにくい、むずかしいと思われることが多々ありますので、この二つの言葉は類語といえます。
「難解」はとくに、問題などがとても高度で、解を導くのに力量が必要な場合などに使われます。
「あの作家の作品は難解な内容ばかりだが、最後にはなるほど、と思う結末が用意されている」
「交錯」【こうさく】
「交錯」は「こうさく」と読み、いくつかのものや要素が入り混じることを意味しています。
「AとBが交錯する」というように、入り混じっている要素が明らかにされている場合も多く、その場合は「複雑」のなかでも要素がすくないもの、といえるでしょう。
「精神的な病にかかってから、夢と現実が交錯することが増えた」
「複雑」とは、簡単に説明できないこと、いくつかの要素が絡みあい、入り混じっているようすを表す言葉でした。
「複雑」に絡まりあった紐をほどくように、要素をひとつひとつ、仕分けしていくことで、「複雑」に思えていた事柄が「単純」に見えるようになると、見えてくるものがありそうですね。