「私情」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
「私情」という言葉はあらゆるシーンで使われる言葉ですが、うまく使いこなせていない、という人も多いのではないでしょうか。
ここでは「私情」という言葉についてご紹介していますので、意味や使い方、類語、英語など知りたい方はぜひ一読ください。

目次
- 「私情」の意味とは?
- 「私情」の読み方・漢字
- 「私情」の英語(解釈)
- 「私情」の言葉の使い方
- 「私情」の言葉や意味を解釈
- 「私情」を使った例文や短文
- 「私情」の類語や類義表現
「私情」の意味とは?

「私情」とは、個人的な感情や利己的な考え、利己心のことを意味する言葉です。
ビジネスシーンなど公的な場所では、自分ひとりの意見でなく、団体や組織の総意を伝えるべきときが多くありますが、それとは別に、個人的な感情を伝えたい場合に使われる言葉です。
あくまで利己的な立場での意見や考えですので、場所を選んで使われる必要もあります。
「私情」の読み方・漢字

「私情」とは「しじょう」と読みます。
「私」という漢字にはほかに、「わたし」「わたくし」「ひそ-か」という読みがあり、わたしのこと、個人のこと、ひそかに、といった意味があります。
こおでも個人のこと、という意味で使われています。
「情」という漢字はほかに、「セイ」「こころ」「なさ-け」「おもむき」といった読み方を持ち、こころ、なさけ、愛、思いやり、ありさま、おもむきといった意味があります。
「私情」の英語(解釈)

「私情」を英語にするには、「私」(わたくし)と「情」(こころ)に分けて考えるといいでしょう。
「私」のことを意味する単語は“personal”、「情」つまり感じていることを表すのは“feeling”ということができますので、「私情」は“personal feelings”と言い表すことができます。
ほかに、個人的な気持ちのことを“sentiment”ということもできますが、感傷的な意味あいを含むこともありますので、使い分けが必要となります。
「私情」の言葉の使い方

「私情」には、自分の気持ちを伝えたい、というある種の利己的な意味あいが多分に含まれていますので、公の場で使うときには注意が必要です。
しかし、気心の知れた仲の相手には使いやすい言葉ともいえるため、使うシーンによっては気兼ねなくいうことができるでしょう。
相手の事情を加味せず、自分の気持ちを汲んでもらわねばならない事情があるときに、「私情」という言葉を使うことができます。
「私情」の言葉や意味を解釈

では、「私情」のよく使われる語句をいくつか紹介します。
使いづらさを感じているときは、まずはよく使われるフレーズごと覚えてしまうといいでしょう。
- 「私情を挟む」
- 「私情を持ち込む」
- 「私情を捨てる」
「私情を挟む」
「私情を挟む」とは、公的もしくは多人数での物事にもかかわらず、自分ひとりの個人的な感情や利己的な考えを取り入れることをいいます。
ビジネスなど組織だったなかで社会的な活動をしているにもかかわらず、そこで自分ひとりの私的な感情で物事を決めてしまっては、全体にとって不利益になることも多々あります。
ビジネス以外でも、多人数で行う活動などに私的なことを取り入れると、場の雰囲気を壊すおそれもありますので留意しましょう。
「翌日がゴルフだから、と彼はいつも私情を挟んでくる」
「私情を持ち込む」
こちらも「私情を挟む」と似たような意味あいで使われ、私的でない話のなかに、個人的なことを取り入れようとすることをいいます。
社内にまで家庭の問題を持ち込むなどすると、組織のなかでの活動に水を差すおそれもあり、そのような態度をつづけていると孤立してしまいかねません。
公私の境目をコントロールする能力は、社会人にとって基本的なものといえます。
「得意先に同級生がいるからといって私情を持ち込むのはやめなさい」
「私情を捨てる」
過去に関係のあった人や、世話になった人に対して、人はどうしても同情的になったり、貢献したいと感じることがあります。
しかし、そのような「私情」が仇となる可能性もあり、その場合には「私情を捨てる」覚悟が必要な場合もあります。
「彼には本当に世話になったが、それとこれとは別なのだから、私情を捨てて考えなければならない」
「私情」を使った例文や短文

次に「私情」を使用した例文をいくつか見ていきましょう。
よく使われるフレーズはほかにもありますので、例文のなかでおさえていってください。
- 「私情」の例文1
- 「私情」の例文2
- 「私情」の例文3
「私情」の例文1
「私情によりしばらく休業とさせていただきます」
個人経営の店舗などでは、私的な都合によって店を休む必要のあることもあります。
地方ですととくにはっきりと、子どもの運動会なので、妻のお産なので、と伝えることもあるようですが、都市部ではそのような事情を明らかにせず、単に「私情により」と伝えることが多くあります。
社員旅行に行っているとはいえない、というときにも使われたりしますが、このような私的な使い方が横行しているため、「私情」というとネガティブな印象を与えてしまうおそれもあります。
「私情」の例文2
「この会を成功させるには、私情を離れて考えなければならない」
組織のなかに自分と対立している人や苦手な人がいると、折り合いがつかないことがあります。
しかし、個人的な感情を優先させて組織全体の成功が果たされない、というのは責任問題にもかかわってきます。
社会の一員として生活しているわけですから、ときには自分の気持ち、私的な考えを離れ、組織の一員としての判断が求められることもあります。
「私情」の例文3
「お父さんが倒れたと聞いたが、私情を制して仕事に出るには限界があると思うよ」
「私情」とはいえ、冠婚葬祭など、人の生き死ににかかわることのなかには、人生において重要なできごとが多々あります。
そのように、社会のひとりとしての自分よりも、一個人としての自分を優先させるべきことがあるにもかかわらず、「私情を制して」社会生活を行う必要はないかもしれません。
すこし立ち止まって考えれば、なにが必要なことかが見えてくるでしょう。
「私情」の類語や類義表現

「私情」の類語表現には、自分の意見、考えを表す「私見」や、個人的な感情をいう「私意」「私心」といった言葉が挙げられます。
「恐縮ながら私見を述べさせていただきます」
「私意で決めたのではない」
「裁判では私心のない判断が求められる」
「私情」とは、個人的な感情、利己心を意味する言葉でした。
「私情を挟む」ことはよくない、とされる風潮も強いですが、「私情を制して」まで社会活動を行う必要がどこまであるのか、見極めが肝心なこともありそうです。