「大雑把」の意味とは?対義語、類語や英語、使い方や例文を紹介!
「大雑把」という言葉を聞くとなんとなくよくない、という印象がありますが、本当にそうでしょうか?
ここでは「大雑把」という言葉についてご紹介していますので、「大雑把」ってどういう意味だっけ、という方から、「大雑把」といわれてコンプレックスに感じている、という方まで、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「大雑把」の意味とは?
- 「大雑把」の読み方
- 「大雑把」の英語
- 「大雑把」の語源
- 「大雑把」と「雑」の違い
- 「大雑把」と「ガサツ」の違い
- 「大雑把」の言葉の使い方
- 「大雑把」の類語や類義表現
- 「大雑把」の長所・短所
「大雑把」の意味とは?
「大雑把」には大きく分けて二つの意味があり、一つ目は、細部にこだわらず、全体でものを見ること、大まかであること、もう一つは、細部まで行き届かず雑であること、となります。
どちらも似ていますが、あえて大まかに見るのと、細部まで行き届いていない、というのとは違います。
「大雑把」の読み方
「大雑把」は「おおざっぱ」と読みます。
「大」は「ダイ」や「タ」「おお-きい」などの読みを持ち、おおきいこと、だいじなこと、だいたい、など多くの意味を持っている漢字です。
「雑」という漢字はほかに、「ゾウ」「ま-じる」「ま-ぜる」といった読みがあり、入り乱れること、まとまりがないこと、大まかであること、という意味があります。
「把」という漢字はほかに、「ハ」「と-る」「にぎ-る」といった読みを持ち、とって、つかむこと、にぎること、たば、といった意味を持つ言葉です。
「大雑把」の英語
「大雑把」を英語にするならば、「ラフ画」などで使われる「ラフ」という言葉を思い浮かべることができます。
英語では“rough”と書き、副詞“roughly”では、おおよそ、大雑把に、手荒く、粗雑に、などの意味で使われます。
ほかにも“crude”という言葉は、自然のままの、加工されていない、粗製のといった意味を表す英語ですので、あわせて覚えておくといいでしょう。
「大雑把」の語源
そもそも「雑把」とは、雑にまとめられたもの、という意味で、薪割りした木切れをまとめておいたときに「薪雑把」などといっていました。
そのように使われていた「雑把」という言葉に、大きい、おおらかといった意味を持つ「大」の字を接頭につけた「大雑把」という言葉が、現在のような意味で使われるようになりました。
「大雑把」と「雑」の違い
「大雑把」とは、大まかにはやっているが細部まで行き届いていないことや、細部にはこだわらず、大きく見ていることでした。
「雑」とは、なにかがまじっているなど、純粋でないことや、やりかたが念入りでないことを表します。
「大雑把」でいいものもありますが、「雑」にしているというのは相手に不快感を与える場合があります。
ニュアンス的には「大雑把」は性格的なものとして捉えられますが、「雑」は当人のやる気にかかるもの、という印象があるようです。
「大雑把」と「ガサツ」の違い
「ガサツ」とは、気配りが足りず、言動に落ち着きがないこと、配慮の足りないことなどを意味します。
よくいえば気取らず、媚びない態度といえますが、多くはもうすこし改めてほしい、と相手に思わせています。
一方で「大雑把」は、ある程度おおめに見てもらえる場合も多く、程度としては「ガサツ」のほうが、行き届いていない「細部」の区域が広いという印象を持ちます。
「大雑把」の言葉の使い方
「大雑把だね」と性格面でいったりいわれたりすることもありますし、「大雑把でいいよ」と作業内容やアンケートの回答などで使われることもあります。
かならずしもネガティブな意味で使われる言葉ではなく、性格面に関しても、自ら「大雑把なんです」という人のなかには、愛嬌がある、と見られることも多くあります。
作業に関しては「大雑把」というと「手抜き」と見られがちですが、すべてを神経質にこなす必要がない場合、質より量を取る場合などには、ある程度「大雑把」であることが求められることもあります。
「大雑把」の類語や類義表現
つぎに「大雑把」の類語表現を見ていきましょう。
類語がわかると、「大雑把」という言葉についての理解も深まります。
- 「ラフ」【らふ】
- 「ざっくり」【ざっくり】
「ラフ」【らふ】
「ラフ」という言葉には多くの意味がありますが、ここでは、粗野で乱暴なこと、大まかであること、気取らないさま、という意味を「大雑把」の類語として挙げておきます。
細かいことは気にせず、楽しくいこうよ、という方向性の「ラフ」さを持っている人がひとりいると、張りつめていた緊張がふっとゆるんだり、くよくよしていたことがばからしくなったりと、いい塩梅にムードメーカーになってくれることが多々あります。
「課長はいつもラフな態度でみんなに接してくれるので、相談ごともいいやすい」
「ざっくり」【ざっくり】
「ざっくり」には、大きく切れる、裂けるといった意味もありますが、ここでは布地などがあらく編まれているようすや、そこから転じて、粗いことを意味する言葉として紹介します。
本を読むとき、きっちりと一語一句読むのを「精読」といいますが、逆に必要なところだけ拾い読みするときに、「ざっくり読み」などといったりします。
「ざっくり感想を聞かせてください」
「大雑把」の長所・短所
最後に、「大雑把」であることの長所や短所について見ておきます。
とはいえ性格とは多面的なものですので、ここは「大雑把」だが、ここは几帳面、などさまざまなため、かならず当てはまるというわけではありません。
- 長所
- 短所
長所
「大雑把」であることの長所は、気にしすぎずにいられること、どっしりと構えていられることなどがあり、そのため人から頼られることもあるでしょう。
また、気にしすぎないというのは、失敗からの立ち直りが早いということですので、営業や接客業など、客から直接的にクレームを受けやすい業種でも、くよくよせずにいられるため、長続きするなど、くよくよしやすい人からすると羨ましがられる性格ともいえます。
短所
「大雑把」であることの短所は、ミスが多いこと、繊細な作業には向かないことといえます。
ミリ単位の正確さを求められる職人のような仕事や、ひとつのミスが大きなできごとに繋がりやすい職種では、「大雑把」であることのよさが発揮できない可能性もあるでしょう。
「大雑把」とは、大まかなこと、細部にこだわらないこと、という意味の言葉でした。
細部を見ることが重要なときもありますが、大まかに見ること、俯瞰することが大事なときもあります。
どちらがよい、悪いではなく、どんな人も自分にとって個性を活かせる生きかたとはなにか、考える時間を持てると素敵です。