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「氷山の一角」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】

この「氷山の一角」は、全体像が分からない時に使われます。

使い方によって、悪い意味だけでなく、時にはいい意味としても使える言葉です。

氷山の一角

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「氷山の一角」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】>


目次

  • 「氷山の一角」の意味とは?
  • 「氷山の一角」の読み方と語源
  • 「氷山の一角」の英語(解釈)
  • 「氷山の一角」の対義語
  • 「氷山の一角」の言葉の使い方
  • 「氷山の一角」を使った例文や短文(解釈)
  • 「氷山の一角」の類義語


「氷山の一角」の意味とは?

「氷山の一角」の意味とは?

氷山の一角は、「その対象の一部に過ぎない」という意味で使います。

表から見える部分を対象として使われる言葉で、それが全てではない(と思う)と言いたい時に使われる言葉です。

例えば、いくつもの犯罪の容疑のかかった犯人を捕まえた時に、「既に分かっている件は氷山の一角だろう(もっと多くの余罪があるだろう)」といった使われ方です。

このように使われることが多いので、主に悪い意味で使う言葉だと思われてしまうかも知れませんが、冒頭でも挙げたように、いい意味で使われることもある言葉です。

例として、思わぬ財宝を掘り当ててしまったような時に、「これは氷山の一角で、もっと多く隠されているに違いない」という使い方ができます。

しかし、悪い意味で用いられることの方が多い為、そのようなイメージが強い言葉なのは否めないところです。



「氷山の一角」の読み方と語源

「氷山の一角」の読み方と語源

「氷山の一角」は、「ひょうざんのいっかく」と読みます。

氷山とは、北や南の極地の海に存在する、まるで山のように見える海から飛び出した氷の塊です。

尚、海に浮かんでいるだけの氷の塊は「流氷」(りゅうひょう)と呼び、この氷山とは別物になります。

「氷山」は海底まで根付いて存在している為、水面に出ている(目で見える)部分は「その中の一部分」だけなので、多くの場合でそれが5メートルくらいしかない場合でも、海の中にはその5倍や10倍以上もの氷の塊が存在しています。

この見える一部分だけを「一角」と表現して、これが「氷山の一角」という言葉の語源となっています。

「氷山の一角」の英語(解釈)

「氷山の一角」の英語(解釈)

「氷山の一角」は、英語でもよく使われる表現です。

その為、“the tip of the iceberg”というきちんとしたこれを意味する表記があります。

この「氷山」という存在が有名になったのは、あの1912年に起こったタイタニック号の沈没事故です。

映画でもお馴染みですが、このタイタニック号がぶつかった氷山は、水面に出ていた部分の約10倍が海の中に存在していたと言われています。

この言葉自体は、昔から船乗りの間で氷山への注意の為に(見えている部分以外にも気を付けるようにという意味で)使われていたと言われていますが、そのタイタニックの事故以来、一般にも広ってここで説明しているような意味で使われるようになりました。

「氷山の一角」は、先の“the tip of the iceberg”が日本語に訳された「輸入語」です。



「氷山の一角」の対義語

「氷山の一角」の対義語

「氷山の一角」とは反対に、「それが全てだ」という意味で使う言葉に「一切合切」があります。

「いっさいがっさい」と発音し、「残らず全て」という意味で使われます。

特に対象を選ばすに使える言葉で、「あの火事で、一切合切が灰になった」などという使い方をします。

また、財産に対して使う時には「一切合財」(読み方は同じです)と表記することがあり、その方が漢字的に状況を表すのに向いています。

「氷山の一角」の言葉の使い方

「氷山の一角」の言葉の使い方

氷山の一角は、先にも書いたように、多くの場合で悪い意味として使われる言葉です。

実際にも、その氷山の一角と言われるもの以外に隠しているものがある、見付かっていないものがあるといった用いられ方がほとんどです。

最初から悪い意味だけで使うと限定し、「見付かっては困る対象の目に見える一部分」などど解釈されている場合もあるほどで、本来はいい意味でも使えるはずですが、現在では悪い意味だけで使う言葉だと解釈しても間違いではありません。

言葉の意味は時代と共に変化することが少なくなく、この「氷山の一角」もそのうちの1つだと言えるかも知れません。

「氷山の一角」を使った例文や短文(解釈)

「氷山の一角」を使った例文や短文(解釈)

氷山の一角を使った例文や短文です。

現在の使われ方を考慮して、どれも悪い意味でのみ使っています。

  • 「氷山の一角」の例文1
  • 「氷山の一角」の例文2
  • 「氷山の一角」の例文3

「氷山の一角」の例文1

「発覚している不祥事は、恐らく氷山の一角に過ぎない」

もっと多くの不祥事を起こしていると思われるが、まだその中の一部しか発覚していないと言っています。

「氷山の一角」は、このケースのような、まだ発覚していない悪事に対して使われることが多い言葉です。

「氷山の一角」の例文2

「税関で摘発される覚せい剤や麻薬は、全体の氷山の一角だろう」

摘発されている以外の、それをうまくすり抜けてしまっている方が膨大だろうと使っている例文です。

「氷山の一角」は、そのうちの「ほんの一部」という意味を込めて使う言葉なので、10がその氷山の一角であれば、隠されている(見付かっていない)部分は50や100はあると考えることができます。

この意味から、見えている(分かっている)部分と隠れている部分が半々程度の(そうだと思われる)場合には使わない言葉です。

「氷山の一角」の例文3

「見付かっている脱税など、氷山の一角としか思えない」

脱税はもちろん違法行為になるので決して行ってはいけませんが、巧妙に行われると、それを見付けるのは難しいことも多いのが実情です。

脱税は、見付かってしまった際には追徴課税という罰金が、更に、悪質性が高いと判断された時には重加算税という更なる罰金や、場合によっては懲役刑の対象にもなってしまいます。

「氷山の一角」の類義語

「氷山の一角」の類義語

「氷山の一角」と同様に、「何かのほんの一部分」という意味で使える「千重の一重」(ちえのひとえ)という言葉があります。

「何重にもなっているうちのひと重ねの部分だけ」が語源で、「いくつもあるうちの1つ」という解釈して使ってください。

よって、「氷山の一角」と同じ意味ですが、この言葉にはいい意味で使うことの方が多いという特徴があります(悪い意味でも使えます)。

この点から、現在では悪い意味では「氷山の一角」、いい意味の場合には「千重の一重」を使うというのが一般的だと考えていいでしょう。

icon まとめ

氷山の一角は、今では悪い意味で使う言葉として覚えておいていいでしょう。

いい意味では上に挙げた「千重の一重」の方を使ってください。

この2つは合わせて覚えておくと便利です。