「長い目で見守る」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
私達が日常的に使っている言葉には、色々なものがありますが、ことわざや熟語だけでなく、慣用句もその場のことを的確に言い表すことができたり、難しい状態も分かりやすく表現することができます。
慣用句とは、いくつかの言葉が組み合わせって形成させる言葉の一種ですが、日常会話からビジネスシーンでも、様々な慣用句が用いられます。
その1つに「長い目で見守る」という表現があり、その言葉は身近な場面でもよく耳にすることがありますが、どのような意味で使われているのでしょうか?のでしょうか?
今回は、この「長い目で見守る」という言葉にフォーカスしていくことにします。
目次
- 「長い目で見守る」の意味とは?
- 「長い目で見守る」の読み方
- 「長い目で見守る」の英語(解釈)
- 「長い目で見守る」の語源
- 「長い目で見守る」の言葉の使い方
- 「長い目で見守る」を使った例文や短文(解釈)
- 「長い目で見守る」の類語や類義表現
「長い目で見守る」の意味とは?
「長い目で見守る」の使われる「長い目」を取ってみると、東洋人特有の「切れ長の目で見守る」ような印象を覚えるのですが、決してそんなことではありません。
「現状だけで判断を下さず、気長に将来を見守る」という意味があり、「新人の成長を長い目で見守る」というような言い方で使われています。
「長い目で見守る」の読み方
「長い目で見守る」は「ながいめでみまもる」という言い方なりますが、決して難しい読み方ではないので、ここで頭を悩ますことはないでしょう。
「長い目で見守る」の英語(解釈)
「長い目で見守る」を英語で表現するなら、「to look at the long term」という訳し方ができます。
「long term」とは「長い期間」という意味なので、「長期的な視点で見守る」という解釈になります。
「長い目で見守る」の語源
「長い目で見守る」の明確な語源は定かではありませんが、英語表現でもあったように「長い目」=「長期的な視点」という理解
からすると、「目」は「視点」や「視野」という意味があると思われます。
そのようなことから、「長期的な観点で見守る」と自然発生的に生まれてきた慣用句とも考えられます。
「長い目で見守る」の言葉の使い方
この言葉が使われるシーンとして典型的な場面を挙げるなら、ビジネスの場面で新入社員の将来を期待しながら、焦らずじっくりと教育していくことで、成長を待っている場合があります。
その他にも、短期的な期間で判断できない事象にたいしても使われることがあります。
「長い目で見守る」を使った例文や短文(解釈)
では、ここで「長い目で見守る」を使った例文を見ていくことにしましょう。
そうすることで、普段使われている慣用句だけに、この言葉の意味の理解度がさらに深まっていくと思います。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「投資もその状況を長い目で見守り判断していく方がよい場合もあるので、今は焦ってはいけない」
仕事も短期的な結果を求めるのではなく、長期的な視点で判断していくことが求められます。
株や先物取引でも言えることです。
個人での投資は配当を期待して行うものですが、短期的には浮き沈みが必ずあります。
ちょっと株価が上がったと喜んだり、下がることで心配することはせずに、長い目で株の動向を見守る必要があります。
同じ投資でも、企業が行う設備投資、人材投資などの先行投資においては、「長い目で見守る」は必須であると言えます。
例文2
「生活も長い目で見守ることで、新しく家を買うより、賃貸の方がいいかもしれない」
マイホームを持つことは、サラリーマンの人にとって長年の夢でしょう。
しかし、多額のローンを一生払い続けることが本当にいいのか、賃貸で生活するのか、よく議論されることです。
確かに持ち家は、自分の財産になるのですが、賃貸で過ごしていくことで、また違った生活の楽しさが見つかる可能性もあります。
例文3
「長い目で新人を見守ながら教育したことで、今では貴重な戦力になっている」
企業においては、社員は貴重な戦力であり、財産です。
しかし、新入社員はどんなに優秀な人材であったとしても、即戦力として使えるわけではありません。
長い時間をかけて教育しながら、多くの経験を積ませることによって、大きな戦力に育っていきます。
そのように考えると、上司は彼らの成長を「長い目で見守り」ながら、耐えて待つことが必要です。
その結果、数年後には部門の大きな柱の1人になっていくはずです。
「長い目で見守る」の類語や類義表現
では、ここから「長い目で見守る」に似ている意味の慣用句をいくつか挙げてみることにします。
- 「大きいスケールで見る」
- 「行く末を見守る」
「大きいスケールで見る」
「大きいスケールで見る」が「長い目で見守る」の類義語として挙げることができるでしょう。
「スケール」とは、一般的に「物の長さや角度を測る目盛りを付けた器具のこと」で、いわゆる「尺」や「モノサシ」のことを指しています。
このことから、意味が転じて「物事の規模や大きさの程度」を意味したり、「人の度量」、「ものの見方の広さや考え方の大きさ」のことを言う場合もあります。
「大きなスケールで見る」とは、「全体を俯瞰(ふかん)しながら、大局を見る」という意味になりますので、「目の前にある小さな物事に惑わされることなく、しっかりと広い視野で物事を見ていく」ということで使われます。
若い人に対しても「大きなスケールで見る」ことが必要でしょう。
「行く末を見守る」
「行く末を見守る」も「長い目で見守る」と同じように「これからの将来を見守る」という意味で使われます。
人の成長を考えると、自分が心配する我が子や部下のことをどのように育っていくのか、あたまを悩ますことがあるでしょう。
しかし、今の時点では決して焦らず、彼らの成長を信じて見守ることが必要です。
「長い目で見守る」と言うことは、ある意味、忍耐が必要なことかもしれません。
現代社会のビジネス業界は、物事がスピーディーに変化していっています。
そのために結果もスピーディーに要求されるのですが、これでは決してよくありません。
やはり「長い目で見守る」姿勢を持っておかないと、絶えず変化する流れにほんろうされてしまい、物事を本質を見誤ることになりかねません。
したがって、長期的な視点で物事を冷静に分析しながら、どのような方向に進むのかを見極めることが重要になってくるはずです。
慌ただしく動く世界だからこそ、「長い目で見守る」という姿勢が必要なのだと思うのです。