「累が及ぶ」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
この「累が及ぶ」という表現は、口語で使う分にはいいですが、表記では漢字を間違えられることも多い言葉です。
目次
- 「累が及ぶ」の意味とは?
- 「累が及ぶ」の読み方
- 「累が及ぶ」の英語(解釈)
- 「累」にはどんな意味がある?
- 「累が及ぶ」の言葉の使い方
- 「累が及ぶ」を使った例文や短文(解釈)
- 「累が及ぶ」の類義語や似た表現
「累が及ぶ」の意味とは?
累が及ぶは、「何かしらの影響や係わり合いが及ぶ」ことを指して使います。
それも、悪い影響や係わり合いに限って使う言葉なので、「累が及びそう」とすると、「何かしらの悪い影響か係わり合いが及ぶかも知れない」という意味になります。
その為、主に自分にそのような影響が懸念される時に使うことが多く、誰かに対してその危険があると知らせる場合にもよく用いられます。
「累が及ぶ」の読み方
「累が及ぶ」は、「るいがおよぶ」と読む言葉です。
読む分は特に問題はないと思いますが、問題は冒頭でも書いたように、文字でこの言葉を表記する場合で、「累」の漢字が間違えているケースがまま見られます。
そのケースにも二種類あり、見た目の似ている「塁」と間違えている場合と、この言葉の意味から「類」にしている場合が見られます。
前者は単なる間違いですが、後者は「類は友を呼ぶ」(似たような人は自然と集まる性質がある)という言葉があることから、これが正しい漢字だと思われていることも少なくないので、間違えないように注意しましょう。
「累が及ぶ」の英語(解釈)
累が及ぶは、英語では“get involved in”と表現できます。
ただし、この形は「影響される」という熟語で、その影響が悪いものだけとは限らない為、「累が及ぶ」と全く同じ意味ではありません。
「悪い影響」だけに限った表現にすると、“have a bad influence”となり、これで「悪影響を受ける」という意味で使えます。
「受けた」と言いたい場合は、最初の“have”を過去形の“had”にしてください。
「累」にはどんな意味がある?
この「累が及ぶ」の「累」は、「煩わしい係わり合い」という意味で使う漢字です。
よって、「累が及ぶ」では、それが及ぶというそのままの意味で使っています。
また、「累」は「煩わしい」の代わりに「累わしい」(どちらも「わずらわしい」)とも使えます。
訓読みでは「かさね」と読み、「累る」と使うと、「重ねる」と同様の表現になるだけでなく、「煩わす」という意味で使うことができます。
「累が及ぶ」の言葉の使い方
累が及ぶは、悪い影響や係わり合いが及んでしまうことを表現する言葉なので、そういったことがありそうだという時に使います。
そのままの形だけでなく、「及んだ」、「及びそう」などといった変化した形で見聞きすることも多い言葉で、そのようなことはないに限りますが、「及びそう」という段階であれば、未然にそれを防ぐ対策が必要になりそうです。
「累が及ぶ」を使った例文や短文(解釈)
累が及ぶを使った例文や短文です。
見掛けることの多い形に変化させて使っている挙げていきますが、意味は1つしかない言葉なので、どれも解釈に困ることはないでしょう。
- 「累が及ぶ」の例文1
- 「累が及ぶ」の例文2
- 「累が及ぶ」の例文3
「累が及ぶ」の例文1
「この件は、彼にまで累が及ぶ可能性がある」
何かの悪い影響が、その彼にまで及んでしまうかも知れないと言っています。
「累が及ぶ」は、このような使われ方が多い言葉です。
「累が及ぶ」の例文2
「累が及んでからでは遅いので、深入りはしないでおくべきだ」
「及んでから」という形にして使っています。
この場合、「影響が出たり、係わり合いをもってしまった後」と解釈してください。
よって、「好ましくない(その人にとって悪影響になる)係わり合いをもってからでは遅いので〜」という意味の例文になります。
「累が及ぶ」の例文3
「そちらにまで累が及んでいると聞いた」
「及んでいる」と使って、「影響や係わり合いが出てしまっている」という意味にしています。
もちろん、悪い意味でのそれなので、好ましくない状況だと言っていいでしょう。
上の「及んでから」とはニュアンスが多少違い、「出てしまっている」進行形の状況を表す時に使う表現です。
「累が及ぶ」の類義語や似た表現
累が及ぶに似た意味で使える言葉や表現です。
どれも「累が及ぶ」と同じく、「悪い」影響などが及ぶという意味で使います。
- 「とばっちりを受ける」【とばっちりをうける】
- 「巻き添えを食う」【まきぞえをくう】
- 「煽りを受ける」【あおりをうける】
「とばっちりを受ける」【とばっちりをうける】
「累が及ぶ」とは多少意味が異なり、「全く関係がないのにも関わらず、悪い影響や被害を受ける」ことです。
「累が及ぶ」は、何かしらの関係があった為にそうなってしまった時にも使えますが、こちらは無関係なのに、それが及んでしまったと言いたい時に使ってください。
尚、この「とばっちり」とは、自分以外が水溜りを踏んだ時に周辺に飛び散った水のことです。
「とばっちりを食う」(とばっちりをくう)と表現されることもあります。
「巻き添えを食う」【まきぞえをくう】
「下手に関わってしまった為に、悪影響や被害を被ってしまった」という時に使われる言葉です。
こちらは上の「とばっちりを受ける」とは違い、何らかの関係があった時に使います。
「元は自分には関係にないことに関わってしまった」という意味が含まれており、それが「巻き添えを食う」ことになった理由です。
このような意味の為、使えるシチュエーションが限定されますが、ちょうどそのような時には「累が及ぶ」より、詳しい状況を説明しやすい言葉だと言えるでしょう。
「煽りを受ける」【あおりをうける】
この言葉の意味は、「意図しないところから影響を受ける」ことです。
上の2つの言葉と比較すると、「とばっちりを受ける」は「全く関係のないところから」、「巻き添えを食う」は「下手に関係してしまった為」、そして、この「煽りを受ける」は「思ってもいないところから」それぞれ悪い影響や被害を受けた時に使います。
「とばっちりを受ける」と同じく、「煽りを食う」(あおりをくう)と表現しても問題なく、意味もその「とばっちりを受ける」と似ていますが、「全く関係のない」と「意図しない」は多少違うので、その場の状況によって使い分けてください。
累が及ぶは、それだけで「悪い影響や係わり合いが及ぶ」という意味を表せるので、覚えておいて損はない言葉です。
必ず悪い意味のある影響などに使う言葉で、いい意味での影響や良好な関係に対しては使えない為、そこには注意してください。