「筆致」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
私達が使っている日本語の中にも、使われている漢字から、何となく意味が想像できるものもあります。
しかし、普段の生活の中や仕事をしている最中でもあまり使われていない言葉を見ると、本当に自分なりの解釈で正しいのかと疑ってしまう言葉もあります。
例えば、「筆致」という言葉もそれに対して当てはまるかもしれません。
今回は、この「筆致」について、説明をしていこうと思います。
目次
- 「筆致」の意味とは?
- 「筆致」の読み方
- 「筆致」の英語(解釈)
- 「筆致」と「筆跡」の違い
- 「筆致」の言葉の使い方
- 「筆致」を使った例文や短文(解釈)
- 「筆致」の類語や類義表現
「筆致」の意味とは?
「筆致」という言葉には、「文字、文章、絵などの書きぶり」や「趣きのある筆使い」、「筆の趣」という意味があります。
平たく言うと、「描かれた絵や文字の雰囲気」や「筆つき」という解釈になるでしょう。
「筆致」の読み方
「筆致」は「ひっち」という読み方をしますが、めったに使われる言葉ではないので、ここでしっかりと覚えておいてください。
「筆致」の英語(解釈)
「筆致」を英語で例えるなら、“brushwork”や“a stroke of the brush”という表現でやくすことができます。
“brushwork”の“brush”は、「ブラッシュアップ」なとで使われており、「磨く」という意味があるので、言葉全体のニュアンスも何となく理解することができるのではないかと思います。
「筆致」と「筆跡」の違い
「筆致」という言葉は、日常会話の中では、かなり珍しい言葉に感じることでしょうが、「筆跡」という言葉は、比較的によく聞く言葉でしょう。
「筆跡鑑定」というようなキーワードで、刑事ドラマで科捜研の人達が使ったりしています。
しかし、この2つの言葉には、若干の違いがあり、「筆致」は「文字や文章の書きぶり」のことを指しており、「筆跡」は「書かれた文字の形」という解釈になります。
両方とも、書いた人の個性などが反映されていますが、ちょっとした違いがあることを理解力しておきましょう。
そうすることで、適切に使い分けすることができます。
「筆致」の言葉の使い方
「筆致」の使い方としては、素晴らしい書きぶりの書画やイラストなどを評価する際に使われることが多いでしょう。
「筆致」を使った例文や短文(解釈)
では、ここから「筆致」を使った例文を見ていくことにします。
普段、あまり耳にすることや自分から使うことが少ないだけに、どのような場面で使えるのか、理解していただければと思います。
- 「筆致」の例文1
- 「筆致」の例文2
- 「筆致」の例文3
「筆致」の例文1
「同じ味わいの筆致で、同じ雰囲気の情景が描かれていた絵を見て、僕はいささか飽きてしまった」
絵画でも書画でも見ていると、その迫力や美しさに吸い込まれてしまうのではないかというような作品に出会うことがあります。
しかし、似たようなフレーズやタッチが繰り返された作品ばかりだと、延々と同じ音楽を聞かされているような感覚に陥り、その魅力が半減してしまうことがあります。
名の通った画家やイラストレーターでも、そのような人が結構多いものです。
「筆致」の例文2
「この小説では、主人公の苦悩が巧みな筆致で描かれている」
この例文では、小説の内容が素晴らしいということを言っています。
「筆致」というと、どうしても文字や絵画の書きぶりをイメージしてしまうのですが、も「筆致」で評価することができます。
同じ意味の内容でも、文章の書き方で伝わり方が全く異なってきますので、ベストセラーを出している小説家の人はすごいとしか言いようがありません。
「筆致」の例文3
「真っ白なキャンバスに金の絵具で流れるような水が描いているのを見ると、その優雅な筆致に感銘を受けてしまったのです」
絵は見る人の心を大きく感動させたり、揺さぶったりする力があります。
見ているだけて熱い思いになったり、とてもそつない気持ちになったり、時には、大粒の涙を流したり。
そのように絵画は、見る人に色々な思いを起こさせてくれます。
歴史的な絵画は、その時代の出来事を止めて表現している記録でもあるのかもしれませんが、人昔の出来事を感動的に伝える一大叙情詩と言えるでしょう。
「筆致」の類語や類義表現
「筆致」に似ている意味を持つ言葉を2つほど挙げてみました。
次に出てくる言葉は、「筆致」よりも比較的に身近な表現で使われています。
- 「筆の走り」
- 「書きっぷり」
「筆の走り」
「筆の走り」が、「筆致」の類義語として挙げることができますが、「文章や絵などから伝わってくる勢い」という、意味がある言葉です。
「筆が走る」という表現は、言葉はだけを聞くと突拍子もない言い方に聞こえてしまうのですが、この言葉を聞くと意外とすんなりその意味が理解できるので、身近な言葉の1つかもしれません。
書画の大家でも、日によってコンディションがいい時と悪い時があるでしょう。
心身ともに充実感している時は、「筆の走り」もよくて、素晴らしい作品ができあがることでしょう。
「書きっぷり」
「書きっぷり」も「筆致」の類義語の1つですが、言葉や文章から感じられる雰囲気や様子のこと」を指しています。
「この作品はとても書きっぷりがいいね」というような内容で使われることがあります。
ここでも「書きっぷり」がいいとは、精神的にも体力的にも非常に充実していることが分かります。
それだけに気が散っている時には、素晴らしい作品を作ることはできないのです。
特に小説家の人などは、ストーリー性のある作品を仕上げなければなりませんので、1つの作品を書き上げるまでには、精神的なコントロールが非常に重要になってくるのではないかと思います。
連載物を月に数本も書いている小説家の人はすごいと思います。
「筆致」という言葉のことを知っている人は、そんなに多くはないと思います。
しかし、私達は心が動かされるような「筆致」の絵や小説に触れる機会はいくらでもあります。
時々、日本に世界的に有名な絵画が訪れることがあります。
世界的な絵画展が催されるのですが、そのような絵画を見て、心を震わせることは心のリフレッシュにもなるので、機会を作り積極的に触れてみることです。
そうすることで、自分の心にゆとりを持つことができることでしょう。
慌ただしく忙しい毎日を過ごしている人であれば、なおさらこのような機会で、ちょっとゴージャスや時間と空間を味わって見ると、普段とは違った気持ちになれると思います。