「如何様」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
「如何様」という言葉には全く違う2つの意味があります。
今回はそれぞれの意味や由来、使い方について紹介します。
目次
- 「如何様」の意味とは?
- 「如何様」の読み方
- 「如何様」の英語(解釈)
- 「如何様」の言葉の使い方
- 「如何様」を使った例文や短文(解釈)
- 「如何様」を使った言葉と意味を解釈
「如何様」の意味とは?
「如何様」には以下の様な2つの意味があります。
- 「どのよう・どんな」の意味
- 「偽物・いんちき」の意味
「どのよう・どんな」の意味
ものごとの状態や方法を表したり、程度を強調する時に使います。
人はものごとの感覚に個人差があるので、自分を基準に進めていくことはできません。
誰かに対して「どのよう」であるかを測る時にこの言葉を使うのです。
「如何様」の「如何」は「相手の意向を訊ねること」「自分では決めかねること」を意味します。
「様」は「ものごとや人のありさまや様子」を意味します。
この2つの言葉が組み合わさり「どのよう」という意味として使われているのです。
「偽物・いんちき」の意味
いかにもそのものらしい様子なのですが偽物であったり、勝負で不正行為をされて負けてしまった時に使います。
こちらの場合「イカサマ」と言われ、同じ「如何様」でも意味が違ってきます。
元々の意味は最初に説明した「どのよう」だったのですが、段々と「いかにもその通り」という意味に変わってきました。
そこから「いかにも本物だと思わせるもの」という意味になり、偽物や不正行為をされることとして使われる様になったのです。
江戸時代に武士が没落して生活に困り、人を騙す様になりました。
武士ならではのプライドで相手に対して「如何様、左様」と言って不正行為をしたことに由来していると言われています。
「如何様」の読み方
「如何様」の読み方は、意味より以下の様に変わってきます。
- 「いかよう」という読み方
- 「いかさま」という読み方
「いかよう」という読み方
先に説明した「どのよう・どんな」の意味で使われる時にはこちらの読み方になります。
「いかさま」という読み方
「偽物・いんちき」の意味で遣われる時にはこちらの読み方になります。
人を「なるほど、本当だ」と思わせることから「いかさま」と言われる様になりました。
「如何様」の英語(解釈)
「如何様」の英語は、意味により違ってきます。
- “anyhow”
- “cheating”
“anyhow”
「如何様=どのよう・どんな」という意味で使う時には“anyhow”が良いでしょう。
“anyhow”は「どの様な方法でも」という意味で使えて、“anyway”と同じく「とにかく」という意味でも使えます。
“Anyhow you may do it.”(どのようにしてもいいですよ) になります。
“cheating”
「如何様=偽物・いんちき」の意味で使う時には“cheating”(だます・あざむく)を使います。
何かにつけてズルいことをする時に使う言葉です。
“He is cheating”(彼はイカサマをしている). ”になります。
因みに、日本では試験で不正行為をすることを「カンニング」と言いますが、英語では“cheating”と言います。
「如何様」の言葉の使い方
「如何様」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 前後で意味を補うこと
- 若い人には通じないこともある
- 悪い意味なので注意
- 「詐欺師」を「いかさま師」と言う
前後で意味を補うこと
「如何様」を文章で使う時には一言だけで書いてしまうと、読み手が「いかよう」か「いかさま」か分らなくなってしまいます。
「いかよう」の場合は「如何様に」と助詞を補い、「いかさま」の場合は「それは如何様だ」と補助動詞を補う様にしましょう。
若い人には通じないこともある
「いかよう」として言葉で使う時には、かなり固い口調になり、若い人には通じないこともあります。
接客業で丁寧な応対を心がけたいと思っても、若い人には「どの様に」と言った方が通じ易いでしょう。
また、ビジネスの場で「如何様にも」と使うと慇懃無礼になってしまい、相手がイラッとすることがあるので注意しましょう。
悪い意味なので注意
「いかさま」として使う時には、相手の言動や人格を否定する様な言葉になります。
その場で相手が怒ってしまい、人間関係のトラブルに発展する可能性があるので、周囲の状況や相手を良く考えて使いましょう。
「詐欺師」を「いかさま師」と言う
一般的に「詐欺師」のことを「いかさま師」と言います。
この時には「如何様師」とは書かず、「いかさま師」と平仮名や片仮名で表記します。
「如何様」を使った例文や短文(解釈)
「如何様」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「如何様」の例文1
- 「如何様」の例文2
- 「如何様」の例文3
「如何様」の例文1
「ここまで出来上がったらあとは如何様にもなる」
「いかよう」として使われている例文です。
仕事で資料を作成していたり、プレゼンのスライドを作成している時の言葉と思われます。
既に完成に近い状態で、トラブルや変更があっても何とかなるという希望的観測を表しています。
「如何様」の例文2
「名前の刺繍は如何様になさいますか」
「いかよう」として使われています。
完全オーダーメイドの高級紳士服店に行くと、上着の内側に名前を刺繍してくれます。
糸の色や漢字かローマ字か、イニシャルかフルネームかまでことこまかに選べる時に使われます。
「如何様」の例文3
「さっきのゲームはどうも如何様だった様なきがしてならない」
こちらは「いかさま」として使われている例文です。
麻雀やポーカーなどのギャンブルをして、自分ばかり負けが続いてしまうと疑いたくなるものです。
何かのインチキがあったのではないかと思う気持ちを表しています。
「如何様」を使った言葉と意味を解釈
「如何様」を使った言葉と意味を紹介します。
- 如何様にもなる
- 如何様にも結構です
如何様にもなる
「いかようにもなる」と読みます。
意味は「どの様にもなる」で、これからどうなるにせよ、さほど悪い結果はならないという推測の意味が含まれています。
何かものごとが動いている時に、自分がそうしたいと望めば思い通りの方向へコントロールできたり、少しの努力をすれば期待通りの結果に導ける状態です。
如何様にも結構です
「いかようにもけっこうです」と読みます。
意味は「どのようにしても構いません」ということで、相手に方法や手段を委ねる言い方です。
ものごとが既に自分の手元を離れていて、相手の思い通りにしても良い時に使います。
「どうでもいいですよ」と言いたいところを丁寧な言い方にしているのです。
この場合の「結構です」は「遠慮します」の意味ではなく、「しても構いません」という意味になります。
「如何様」は人に対して丁寧に訊ねる時と、人をだます時と2つの意味で使われる言葉です。
自分がどの様な意味で使っているのかを明確にすることが大切です。
文章にする時には前後の意味をはっきりとさせる様にしましょう。