「愚行」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
「愚行」という言葉はあまり日常会話には使わないかもしれませんが、文書の中や小説、ドラマなどでは使われていることもあります。
ここでは「愚行」という言葉についてご紹介していますので、意味や読み方、類語や対義語など関心のある方はぜひ一読ください。
目次
- 「愚行」の意味とは?
- 「愚行」の読み方
- 「愚行」の英語
- 「愚行」の言葉の使い方
- 「愚行」を使った例文や短文
- 「愚行」の類語や類義表現
- 「愚行」の対義語
「愚行」の意味とは?
「愚行」とは、ばかげたこと、おろかな行い、考えの足りていない言動、といった意味で使われる言葉です。
SNSの普及によりばかげた行動を撮影し、世界中に垂れ流すといった騒ぎが多く見受けられますが、このような行いを「愚行」と呼ぶことができます。
本来、恥ずべきようなことを、平然としてやってのけ、あたかもそれが素晴らしいことかのように触れ回る、というような言動が「愚行」に当たります。
「愚行」の読み方
「愚行」は「ぐこう」と読みます。
「愚」は「おろ-か」という読みでよく知られる漢字で、おろかであること、つまらないこと、などを意味しています。
ほかに、自分の身内などをへりくだっていうときに「うちの愚息が」「愚弟ですが」というように使うことがありますが、ここでの意味とは異なります。
「行」という漢字はほかに、「ギョウ」「アン」「い-く」「おこな-う」など多くの読みを持ち、意味も歩く、死ぬ、旅、道路などさまざまですが、ここでは行い、ふるまい、という意味で使われています。
「愚行」の英語
「愚行」を英語にする際にはまず、ばかげた、おろかな、といった意味を考えましょう。
それらにあたる単語では、“stupid”や“folly”が挙げられます。
これに、行いを表す“act”をプラスして、“stupid act”、“folly act”とすると、「愚行」を言い表すことができるでしょう。
「愚行」の言葉の使い方
「愚行」を行うことを、「愚行をおかす」ということもできます。
この場合の「おかす」は一般的なものであれば「冒す」とし、犯罪行為については「犯す」と書くといいでしょう。
自分や他者の行ったばかげた行いについて使うことができ、「愚行を働く」「愚行を演じる」などのフレーズもあわせて覚えておくと使い勝手がよくなります。
「愚行」を使った例文や短文
それでは「愚行」を使用した例文を見ていきましょう。
具体例を見ておくと、理解がよりいっそう深まり増す。
- 「愚行」の例文1
- 「愚行」の例文2
- 「愚行」の例文3
「愚行」の例文1
「妹や弟というのは、上の兄姉の愚行を見つめて育つため、器用な子どもや耳年増になりやすい」
小さな子どもというのはだれであれ「愚行」をおかすものです。
それらの「愚行」の中から生きる上で大事な知恵を学び、また必要のないものを捨てるなど取捨選択ができます。
しかし、何人かの兄妹のうち年下にあたるものは、年上にあたるものが先駆者として多くの「愚行」をおかしてくれるため、そのうちのいくつかを経験することなく、結果だけを知ることができます。
「愚行」の例文2
「息子はなぜ銀行をおそうなどといった愚行を働く気になったのか見当もつかない」
犯罪をおかした人の親というのは、しばしばなぜ自分の子どもがそのような行動に出たのか、考えもつかない、ということがあるようです。
親がまっとうな考えの人であればあるほど、その罪は「愚行」に思われるでしょう。
しかし、はじめから「愚行」と決めつけ、考えを無視することは、その犯罪者の改心や成長には繋がらないこともあります。
「愚行」の例文3
「この季節に山へ登るなど愚行だ、と散々とめられたが、やると決めている」
なにか信念や使命感を持って生きている人の中には時として、常人には理解し難いようなことを始める人がいます。
天才と呼ばれるような人たちがやっていたことも、周囲にいた人からすれば「愚行」や「奇行」であったかもしれません。
しかし、やりとげたあとには誰もがその人の貫いた「愚行」を認め、素晴らしいことだ、などと手のひらを返すこともあります。
「愚行」の類語や類義表現
次に「愚行」の類語表現を見ていきます。
類語を知っていると、伝えたいニュアンスの部分を深掘りすることができ、より正確な言葉遣いができるようになっていきます。
- 「噴飯物」【ふんぱんもの】
- 「暴挙」【ぼうきょ】
「噴飯物」【ふんぱんもの】
「ふんぱんもの」と読み、おかしくてたまらないことを表します。
みっともない話やついついふきだしてしまうような笑い草などをいい、ばかばかしいこと、ばかげていること、を意味するので「愚行」の類語といえるでしょう。
「たった一曲を聴いてその音楽家を語るなど噴飯物だ」
「暴挙」【ぼうきょ】
「ぼうきょ」と読み、無謀な企てや暴力沙汰のことをいいます。
どう考えてもうまくいかないことをほとんど盲目的に行うときなどに使われ、「愚行」のひとつといえるでしょう。
また、乱暴で人を傷つけるような言動が見られることが多い、というのが「暴挙」の特徴といえます。
「逮捕されそうになると彼は、よくわからない言葉を叫びながらナイフを振り回すという暴挙に出た」
「愚行」の対義語
最後に「愚行」の対義語を見ておきましょう。
類語だけでなく対義語にも目を向けておくことで、さらに語彙力がアップします。
- 「快挙」【かいきょ】
- 「英断」【えいだん】
「快挙」【かいきょ】
「かいきょ」と読み、痛快な出来事や、胸がすっとするような立派な行いをいいます。
人々を不快な気持ちや残念な気もちにさせることの多い「愚行」とは真逆の意味合いで使われていますので、対義語にあたります。
「右ひざの怪我の経過が危ぶまれる中、世界新記録という快挙を達成した」
「英断」【えいだん】
「」と読み、きっぱりと決めること、素晴らしい決断を意味します。
「愚行」は、決めた行いがばかげていることを表しますので、素晴らしい決めごとをする、という意味の「英断」は対義語に当たります。
また、非常に重要な場面におけるすぐれた決断については、「大英断」ということもあります。
「引っ越すまでは家族からのブーイングを受けていたが、屋移りは英断だったと自負している」
「愚行」とは、おろかな言動、ばかげた行いを意味する言葉でした。
人は失敗の中で育っていく生きものですから、周りから「愚行」といわれようが、貫く信念を持って生きることも大事でしょう。
しかし、犯罪行為に手を染めたり、誰かの不幸を望むような「愚行」はかならず自分に返ってくる、ということを肝に銘じておきましょう。