「粗相」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
「粗相」というと、あまりいいイメージを持っていない、という方も多いのではないでしょうか。
ここでは「粗相」とはどんな言葉なのか、意味や使い方、例文や類語を見ていきますので、関心のある方やそういえば曖昧だな、と思った方はぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「粗相」の意味とは?
- 「粗相」の読み方
- 「粗相」の英語(解釈)
- 「粗相」の語源や由来
- 「粗相」の言葉の使い方
- 「粗相」を使った例文や短文
- 「粗相」の類語や類義表現
「粗相」の意味とは?
「粗相」には大きく分けてみっつの意味があり、ひとつは粗末なことを表します。
残りのふたつは似た意味なのですが、ひとつは不注意によるミス、そそっかしいこと、軽率からくる過ち、といった意味で、もうひとつはそのなかでも、大便、小便をもらしてしまうことをいいます。
知っている意味と知らなかった意味とがあるかもしれませんが、どの意味で使われている「粗相」かがわかる、というのは言葉を理解するうえでとても重要ですので、すべて覚えておきましょう。
「粗相」の読み方
「粗相」は「そそう」と読み、「麁相」とも書きます。
「粗」という漢字にはほかに、「あら-い」や「ほぼ」といった読みがあり、そまつなこと、あらさなどを表します。
「相」という漢字にはほかに「ショウ」「あい」「さが」「たす-ける」といった読みがあり、みること、すがた、うけつぐ、などさまざまな意味で使われています。
「粗相」の英語(解釈)
不注意、という意味でとらえると、“carelessness”という単語が「粗相」に当たります。
ほかにも、“mistake”、“stupid mistake”、“blunder”、“poop”などの単語を覚えておくと使える機会があるかもしれません。
また、大小便をもらしてしまった場合にはとくに、“have an accident”というと意味が通じやすいのではないかと思います。
「粗相」の語源や由来
「粗相」は「麁相」とも書く、と先述しましたが、仏教用語である「麁相」が語源ではないか、といわれています。
「麁相」には無常観と人間の弱みについて触れてあるとされており、そこから現在のような軽率さや不注意によるミス、過ち、といった意味が出てきたようです。
また、「麁相」から意味がずれていくにつれ、現在の漢字「粗」が使われ始めたのではないか、と推測されています。
「粗相」の言葉の使い方
「粗相をする」「粗相のないように」という使い方が一般的です。
相手に対して失礼な言動をしたときや、それらのミスを未然に防ぐ意味で使われたり、子どもなど、図らずも失礼な言動をとってしまうおそれのある場合に事前に言いおいたり、のちほど謝罪するときにも使います。
はっきりとどのようなミスかいわないところに日本人の奥ゆかしさ、婉曲な物言いを感じる言葉でもあります。
「粗相」を使った例文や短文
それでは次に「粗相」を使用した例文を見ていきましょう。
具体例の中でどのように使われるか見ることで理解が深まります。
- 「粗相」の例文1
- 「粗相」の例文2
- 「粗相」の例文3
「粗相」の例文1
「うちの子が粗相するようなことがあれば、叱ってやってください」
学校の先生や、子どもがよく遊んでいる友だちの親などに、へりくだって言うことが多い言葉です。
このように言っておくことで、しっかりした親の子ども、という印象もつき、多少のことは大目に見てもらえる可能性もあります。
また、実際に子どもが落ち着きがなく、「粗相」してしまうことが多い場合には、このように先に言っておくことで、怒りを買うことの抑止力にもなりえます。
「粗相」の例文2
「留守番させているあいだにペットが粗相してしまっていた」
ここでは本来、トイレとして設けていた場所ではないところに、犬猫などが大小便を出してしまっていた、という意味で使われています。
しかたがないとはいえ、しつけがうまくできていないと、「粗相」に困ることになりそうです。
同じ意味の使い方では、介護の必要な人が「粗相」してしまう場合や、子どもがトイレを我慢できなかったとき、また、体調不良による「粗相」などが起こりうると考えられます。
「粗相」の例文3
「昨日は飲みの席とはいえ、粗相してしまいまして、申し訳ございませんでした」
飲み会などで羽目を外しすぎてしまい、セクハラを疑われかねない言動をしたり、幼稚な悪口をいったり、泣き出したり怒り出したりと、奔放になってしまう人がいますが、これらも「粗相」のひとつといえます。
お酒が抜けて愕然とする人もいれば、記憶もなくなり、のちに人づてに聞いて青ざめる、という人もいるようですが、どちらの場合も早めに謝ることが肝心でしょう。
相手によっては無礼講だから、と笑ってくれるかもしれません。
「粗相」の類語や類義表現
最後に「粗相」の類語表現を見ておきましょう。
例文だけでなく類語を見ておくことで語彙が広がり、コミュニケーションに応用ができます。
- 「目溢れ」【めこぼれ】
- 「粗忽」【そこつ】
- 「失態」【しったい】
「目溢れ」【めこぼれ】
「めこぼ(れ)」と読み、見落とすことを意味する言葉です。
「粗相」にも大小あり、中でも程度の軽いミスについては、「目溢れ」と言い換えできる場合もあるでしょう。
この程度の過ちに関しては、多くの人が経験があり、改めようとしてもなかなかむずかしい場合もありますので、あまり落ち込まず、すなおにミスを認めることが打開策となりそうです。
「くまなく確認したつもりだったが、目溢れがあったようだ」
「粗忽」【そこつ】
軽率なことなど、「粗相」に似た意味のほかに、ぶしつけで失礼なこと、という意味を持ちます。
「粗相」と「粗忽」には大きな差はありませんが、「粗忽」では、「粗忽者」のような言い方がされることもあります。
「酒が入って間もなく、彼の粗忽な振る舞いに場の空気が冷え切るのがわかった」
「失態」【しったい】
目も当てられないほどの恥をかくこと、面を汚すようなしくじり、地位を失うこと、などの意味を持つ言葉です。
意味からも、「目溢れ」と比べると、失敗や過ちの程度が甚だしいことがうかがえます。
「たったひとりの社員のミスが、企業全体の失態につながるとは思いもよらなかった」
「粗相」とは、そそっかしさや軽率さからくる過ちや、大小便をもらすことなどを意味する言葉とわかりました。
生きていれば「粗相」をしてしまう場面はあるかもしれませんが、日頃から誠実に生きている人であれば、一度の「粗相」ですべてを失うようなことはないのではないでしょうか。