「首が回らない」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「首が回らない」というのは何となく情けない響きの言葉です。
どの様な時に使われるのでしょうか、意味や使い方について知っておきましょう。
目次
- 「首が回らない」の意味とは?
- 「首が回らない」の読み方
- 「首が回らない」の英語(解釈)
- 「首が回らない」の言葉の使い方
- お金で首が回らなくなる理由
- 「首が回らない」を使った例文や短文(解釈)
- 「首が回らない」の類語や類義表現
「首が回らない」の意味とは?
「首が回らない」の意味は「借金が多すぎてしまい生活費のやりくりができないこと」です。
人生何があるか分からないもので、急に病気になったり会社が倒産したりして、収入が減ったりまとまったお金が必要になることもあります。
支払わなければならないお金が手持ちのお金を上回ってしまうと、多くの人が借金をします。
ところが借金は利息というものが付き、いつの間にか借りた筈の金額を大きく上回ってしまうのです。
そうなると返済が追いつかず、生活は益々苦しくなる一方です。
毎日お金のことを考えて暮らす様になるでしょう。
この様な状態を「首が回らないと言うのです。
「首が回らない」の読み方
「首が回らない」は「くびがまわらない」と読みます。
とても簡単な言葉なので読めないということはまずないでしょう。
「首が回らない」の英語(解釈)
「首が回らない」という慣用句は英語にもあり、以下の2つになります。
- “deep in debt”
- “up to one's ears(eyes, neck) in dept”
“deep in debt”
“deep in debt”は「借金の深みにいる」という意味で「首が回らない」と同じ意味になります。
“He is deep in debt.” (彼は借金で首が回らない)となります。
非常にシンプルで日本人にも使い易い英語です。
“up to one's ears(eyes, neck) in dept”
“up to one's ears in dept”はとてもユニークな表現で、「借金が耳まで来ている=借金で身動きができない」という意味になります。
“He is up to his ears in debt”(彼は借金で首が回らない)となります。
この表現は“ears”の代わりに“eyes”、“neck”でも使えて、それほど借金まみれという意味になります。
「首が回らない」の言葉の使い方
「首が回らない」の使い方には以下のポイントがあります。
- 動詞として使う
- お金に関することのみである
- 良い意味ではないので注意すること
動詞として使う
「首が回らない」は動詞として使います。
過去形や未来形など変化させて使えますが、自動詞ですので人のことを言う場合には「首が回らない状態だ」「首が回らなくなった」など、「その様子」を表す言葉を補います。
お金に関することのみである
「首が回らない」は、お金に関する問題があり、やり繰りができない状態の時に使われます。
仕事が忙しくて時間のやりくりができなかったり、やることが多過ぎて優先順位のやりくりがつけられない時には「手が回らない」と言います。
「忙しくて首が回らない」と言うのは誤用ですので注意しましょう。
良い意味ではないので注意すること
「首が回らない」は借金ができて苦しい状況になっていることで、悪い意味になります。
人に対して使う時にはプライバシーの侵害にならない様に注意しましょう。
自分のことに関しても、ついお小遣いが足りないという意味で気軽に「首が回らない」と言ってしまうと、借金まみれになっているという噂が広まってしまうかも知れません。
お金で首が回らなくなる理由
何故借金をすると「首が回らない」ことになるのでしょうか。
「首が回らない」の語源を知るとその理由が分ります。
- 首は大切な部分であることから
- 気持ちが卑屈になってしまうから
首は大切な部分であることから
首は人間にとって最も大切な部分で、その人の存在や命に関わります。
仕事で「首を切る・首になる」は「解雇される」という意味で、その人の生きる糧である収入源を断つことを表しているのです。
このことから首を自由に回せるということは、自分で自由に生きていられる状態で「首が回らない」は何らかの縛りがあり自分で自由に首を動かせないということになるのです。
借金がある人は、お金を自由に使えずに縛りがあり「首が回らない」状態であるという意味で使われる様になりました。
気持ちが卑屈になってしまうから
借金がある人はいつも「返済をどうしよう」と考えて暗い気持ちになることから、うつむき加減になります。
外を歩いている時も他人と目を合わせたくなかったり、借金取りと出くわさない様に誰に対しても明るく社交的に振る舞えません。
下を向いて首の角度を変えずにいる状態を「首が回らない」と表現したと言われています。
「首が回らない」を使った例文や短文(解釈)
「首が回らない」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「首が回らない」の例文1
- 「首が回らない」の例文2
- 「首が回らない」の例文3
「首が回らない」の例文1
「軽い気持ちでキャッシングをしたら首が回らない状態になった」
ちょっとお小遣いが足りないから借りようと思って軽い気持ちでキャッシングをしたら、あまりにも便利なのでズルズルと続けてしまい、いつの間にか借金が増えてしまいました。
返済に苦しんで自転車操業をしている状態が伝わります。
「首が回らない」の例文2
「会社が倒産してしまい、家族を抱えて首が回らない状態だ」
会社が倒産して収入が途絶えてしまい、家族がいるので養うのに精いっぱいの状態です。
「首が回らない」を使っているので借金もしていることが分ります。
「首が回らない」の例文3
「首が回らない状態になる前に親にお金を借りて借金を返済した」
借金を繰り返してドロ沼の一歩手前でしたが、親に頭を下げてお金を借りて返済したことを表しています。
これからは親にお金を返す様に一生懸命働かなければならない状態です。
「首が回らない」の類語や類義表現
「首が回らない」の類語には以下のものがあります。
- 「火の車」【ひのくるま】
- 「金詰り」【かねづまり】
「火の車」【ひのくるま】
意味は「貧乏で非常に生活が苦しいこと」です。
「火の車」は仏教では「火車(かしゃ)」と呼ばれ、生前に悪いことをした人を地獄に運ぶ為の火でできた車のことです。
辛く苦しい状況を貧乏に例えて使われる様になりました。
「家計が火の車」というのは必ずしも借金があるとは限りません。
「金詰り」【かねづまり】
意味は「資金が不足すること」「お金がなくやりくりができないこと」です。
どちらかというと企業や組織の資金繰りに使われる言葉です。
「首が回らない」は良い言葉ではありません。
人に対して使う時には悪い噂が流れてしまうことがあるので注意しましょう。
「首が回らない」と言っている人がいたら、なるべく早く専門家に相談する様にアドバイスしてあげましょう。