「壊滅的」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
甚大な災害などが起こったとき、メディアは「壊滅的な被害」と報じることがありますが、「壊滅的」という言葉は日常的に使えるのでしょうか?
ここでは「壊滅的」という言葉について、意味や使い方、例文や類語を紹介していますので、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「壊滅的」の意味とは?
- 「壊滅的」の読み方
- 「壊滅的」の英語
- 「壊滅的」の言葉の使い方
- 「壊滅的」を使った言葉と意味を解釈
- 「壊滅的」を使った例文
- 「壊滅的」の類語や類義表現
「壊滅的」の意味とは?
「壊滅的」とは、きわめてよくない状態、組織だったものがすべて崩れ去ること、などを意味する「壊滅」という言葉の語尾に「的」をつけることで形容詞化した言葉です。
すこしも残らずに、まったくだめになる、という場合や、そのようになる可能性がある、というときに使われています。
また、現在では「壊滅的」という言葉を、ある物事や技能についてからっきしセンスがなく、まったくできないという場合にも使うことがあります。
「壊滅的」の読み方
「壊滅的」は「かいめつてき」と読みます。
「壊」にはほかに、「エ」「こわ-す」「やぶ-る」などの読みがあり、こわすこと、こわれること、やぶること、やぶれること、といった意味を持っています。
「滅」にはほかに「ベツ」「ほろ-びる」「ほろ-ぼす」といった読みがあり、ほろびること、消えること、死ぬことなどを意味しています。
「壊滅的」の英語
「壊滅的」を英語にするならば、“crushing”などが相当します。
圧砕、粉砕という意味で、クラッシュする、という和製英語も“crush”という英語からきているようです。
また、破壊を意味する“destraction”や大惨事、大災害、といったときに使われる“catastrophic”も「壊滅的」を表現するための英語として知っておくと便利でしょう。
「壊滅的」の言葉の使い方
「壊滅的な○○」のように、○○に対象物が入って使われることが多くあります。
災害時には○○に町や被害といった言葉が入り、耳にしたことがある、という方は多いかと思います。
ほかにも近年では、もともとの意味とはすこし変わったある種ライトな意味で使われる場合もありますので、そちらもあわせてご紹介します。
「壊滅的」を使った言葉と意味を解釈
では、「壊滅的」を使った語句の紹介です。
フレーズごと覚えておくと、どんな状況で使われる言葉なのかすぐにわかります。
- 「壊滅的な被害」
- 「壊滅的に下手」
- 「壊滅的にできない」
「壊滅的な被害」
「洪水で町の一部は壊滅的な被害を受けた」
もっとも耳にすることの多い形が、このような災害時の被害状況でしょう。
住居など、人にとってもっとも重要な衣食住をも脅かすほどの被害を受けたときに使われることが多々あります。
「壊滅的に下手」
「ぼくはリコーダーが壊滅的に下手だ」
近年ではこのように、なにか物事や技術が人並みはずれて下手であることについても、「壊滅的」という言葉を使う風潮があります。
本当に「壊滅的」である災害時などの様子を見ていると、軽率に使うべきではない、と感じる言葉でもありますが、あまりの下手さゆえ、自虐的に使うフレーズという側面も持っています。
「壊滅的にできない」
「数学が壊滅的にできない」
先述の例と同じく、本人ですら呆れるほど出来が悪いときに、「壊滅的」という形容詞を使うことがあります。
努力してもうまくいかないとき、絶望的な気持ちになって「壊滅的にできない」と思うことがありますが、うまく気分転換したり、長所を伸ばすなど、自分に必要な技術かどうか判断することが解決の近道、ということもあるかもしれません。
「壊滅的」を使った例文
次に「壊滅的」を使用した例文を見ていきましょう。
より多くのパターンを知っておくことで、そのまま使用できるケースもあります。
- 「壊滅的」の例文1
- 「壊滅的」の例文2
- 「壊滅的」の例文3
「壊滅的」の例文1
「ゲリラ豪雨とはいえたかだか雨だろうと軽んじていたが、ニュースでは壊滅的な被害の様子が映し出されていた」
長らく日本ではどしゃ降りや通り雨、といった言葉しかありませんでしたが、昨今ではゲリラ豪雨と呼ばれるスコールに近い激しい雨が降り、各地で堤防が決壊するなど被害が出ています。
ほかにも地震や山火事など、さまざまな自然災害に加え、他国では人災も多発しており、「壊滅的」な様子がテレビに映し出されることがあります。
「壊滅的」の例文2
「彼女に浮気現場を見られてしまい、復縁は壊滅的だ」
どう頑張ってももとには戻せない、という意味で使われている「壊滅的」です。
心という目に見えないものの「壊滅」状態についても表すことができるため、より表現の幅がある言葉といえます。
「壊滅的」の例文3
「絵のセンスが壊滅的にないので、絵しりとりをするといつも怪訝な顔をされる」
絵や歌などの芸術的センスは、もしかするとほかの科目の勉強などよりも個人差が現れやすい場合があります。
できない、というのが露わになりやすいですが、恥ずかしいと思わず、自分の個性を磨くことで見えてくる道もありそうです。
「壊滅的」の類語や類義表現
最後に「壊滅的」の類語表現を見ておきましょう。
類語を知っておくと、言葉がぶつ切りの点でなく、ひとつづきの線として見えてきます。
- 「全滅」【ぜんめつ】
- 「絶望的」【ぜつぼうてき】
「全滅」【ぜんめつ】
軍事用語では、「全滅」よりも「壊滅」のほうが被害の程度がひどく、さらに著しい被害があり、生きている人がまったくいない状況を「殲滅」といいます。
「全滅」と「壊滅」では、どちらも被害が非常に甚大である、というところで類語といえますが、厳密には程度のちがいがある、と覚えておくといいでしょう。
「全滅する前に降伏を考えたほうがよい」
「絶望的」【ぜつぼうてき】
望みがなく、事態が悪化したり、よくない状況であることをいいます。
「壊滅的」な被害を受けているとき、事態は「絶望的」に感じられます。
しかしどちらも、「壊滅」でなく「絶望」でもないのだ、というところに希望を見いだし、またひとつずつ、つくりあげていくのが人の道であり、そこには「絶望」でなく幸福があります。
「残り二分で逆転されてしまい、絶望的な状況になった」
「壊滅的」とは、まったくだめになる、という意味の言葉でした。
どんなに仕事ができる人でも「壊滅的」に片づけができない、など、誰しも欠点と思われる個性を持っています。
私たちひとりひとりがちがっているのは、そんな欠点を補いあうことで、ひとりきりでするよりも大きななにかを生み出せるからではないでしょうか。