「折しも」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
この「折しも」は、意味自体は簡単ながら、どのようなタイミングで使えばいいのかという点が分かりにくい言葉です。
目次
- 「折しも」の意味とは?
- 「折しも」の読み方
- 「折しも」の英語(解釈)
- 「折しも」の対義語
- 「折しも」の言葉の使い方
- 「折しも」を使った例文や短文(解釈)
- 「折しも」の類義語
「折しも」の意味とは?
折しもは、「ちょうどその時(タイミングで)」という意味で使います。
何かと同時に違う何かが起こった時に、もう片方のことを説明する前に使うことが多いです。
例を挙げると、「給料日は明日だが、折しも今日がその支払日だ」といった形になり、この言葉より前(ここでは給料日)は普通のことや比較的いいこと、後には多少悪いこと(支払日)と続くような文章に使うと考えてください。
それら逆にして使うケースもありますが、この言葉を使う際には基本的にこのような形になると考えていいでしょう。
古風な響きが感じられ、年配の人が使うことが多い言葉です。
「折しも」の読み方
「折しも」は、「おりしも」と発音します。
「折」は、「折る」(おる)、「折られる」(おられる)のように、普通に使う場合には一文字では「お」としか読まないので、この言葉も「折りしも」と表記されることがありますが、正確には「折しも」です。
この言葉として使う時には一文字で「おり」と読んでください。
上で挙げたような、何かの二つの対比にではなく、「その時」という意味だけで使われることもあり、これは「折」という言葉の意味からきています。
「その時」は「その折」と置き換えることができるので、「折しも」とすると、「(〜だが)その時に」となると考えると分かりやすいでしょう。
この()内の意味がなくても使えるということです。
「折しも」の英語(解釈)
折しもは、英語では“at moment”と表記するのがいいでしょう。
「正にその時」という意味で使う表現なので、「折しも」とほぼ一緒の意味で使うことができます。
“at the moment”や“at that moment”という形にしても意味は一緒で、文章(の見た目、発音)的にこれらの方がいいと思えば、そのように使ってください。
強調する為の“the”はともかく、“that”は本来、「あれ」(多少遠くにあるもの)という意味の言葉ですが、この形での使い方ではあまり意味をもっていません。
「折しも」の対義語
「折しも」と意味が逆の言葉となると、まずはどのような意味がそれなのかを考えないといけません。
「折しも」は、主に「ちょうどその時」という意味で使うなので、そこから考えると「その時ではない」という意味がそれに近いと考えることができます。
そのような言葉では、「尚早」(しょうそう)が挙げられます。
この言葉は「まだ早い」、「その時になっていない」という意味で使います。
この逆を考えると、「ちょうどその時」となることから、これが一応の反対語だと考えてよさそうです。
「折しも」の言葉の使い方
折しもは、挙げてきたように、何かの二つの出来事などを対比して、「〜だが、その時に」という使い方をする場合と、単に「その時」という意味で使う場合があります。
ですが、後者はそれなら普通に「その時」と使った方が分かりやすく、無理にこの「折しも」とする必要はないので、それほど見ない使い方ですが、そのようにも使えると覚えておきましょう。
「折しも」を使った例文や短文(解釈)
折しもを使った例文や短文です。
単に「その時」と使っている例も挙げてみます。
- 「折しも」の例文1
- 「折しも」の例文2
- 「折しも」の例文3
「折しも」の例文1
「帰ろうとした時に、折しも雨が降ってきた」
「折しも」の使い方として、よく見掛ける形です。
「〜だが、その時に」という意味そのもので、このような時にこそ使う言葉です。
この文章をごく普通の言い方にすると、「帰ろうとしたちょうどその時、雨が〜」となります。
それを多少難しく(堅く、古風な言葉で)表現していると考えてください。
「折しも」の例文2
「やっと飛行機の予約がとれたと聞いたが、折しも新幹線の券を買った後だった」
遠くへの出張に飛行機を使おうと考えたものの、(頼んでいた部署などによると)なかなかその予約ができないようなので、代用として考えた新幹線の乗車券の購入後に、予約ができたと言われたという例文です。
ここでの「折しも」は、「ちょうどその時」より(タイミング的に)少し遅い使い方となっていますが、このような解釈で使っても問題ありません。
「折しも」の例文3
「折しもバスが行った後だった」
単に「その時」という意味で使っている例になりますが、「その時」と置き換えるより、「ちょうど」の方が適当でしょう。
この言葉は、何かの二つを比べるような使い方ではなくても、「その時」より「ちょうど」と言い換えた方が日本語として適切なことが多いと言えるでしょう。
「折しも」の類義語
折しもと同様に使うことができる言葉です。
似たような言葉ばかりですが、どれもその言葉特有の特徴をもっています。
- 「折も折」【おりもおり】
- 「時しも」【ときしも】
- 「折柄」【おりから】
「折も折」【おりもおり】
見た目の通り、「折しも」とほとんど同様に使える言葉です。
特徴として、この後に「、」を付けて使うことがほとんどです。
「外出しようと思った折も折、友達が訪ねてきた」などという使い方になり、多くの場合で「折しも」と置き換えて使うことができます。
「時しも」【ときしも】
前述した通り、「その時」が「その折」と言い換えられるように、「折しも」の「折」を「時」と変えてできているという特徴のある言葉です。
造語などではなく、きちんとした言葉として存在していますが、「折しも」より見聞きする機会が少ないかも知れません。
「折柄」【おりから】
「折から」とも表記します。
漢字の場合に「おりがら」と読まないように注意してください。
この言葉は、「折しも」を例文で挙げたような「ちょうど」という意味で使う時の置き換えに向いているという特徴があります。
「折柄の」という使い方をすることが多く、「折柄の雨で〜」とすると、「ちょうど降ってきた雨によって〜」という解釈になります。
上の2つの言葉とは違い、完全な置き換えにはなりませんが、充分に代わりとして使える言葉だと思っていいでしょう。
折しもは、若者はまず使わないと思われる言葉ですが、意味や使い方をきちんと覚えておいて損はありません。
小説の中では結構見られる表現なので、詳しく知っておくと役に立つことも多いでしょう。