「世知辛い」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「この頃は世知辛い世の中になった」と思わず会社の同僚や友人などの間で呟いていないでしょうか?
サラリーマンの人達が立ち飲み屋でささやいている言葉かもしれませんが、案外とこの言葉の意味を理解している人が少ないとも思われます。
今回はこの「世知辛い」という言葉についてフォーカスしてみることにしました。
目次
- 「世知辛い」の意味とは?
- 「世知辛い」の読み方
- 「世知辛い」の英語(解釈)
- 「世知辛い」の対義語
- 「世知辛い」の言葉の使い方
- 「世知辛い」を使った例文や短文(解釈)
- 「世知辛い」の類語や類義表現・言い換え
「世知辛い」の意味とは?
「世知辛い」とは、「世渡りが難しい」、「暮らしにくい」、「けち」、「抜け目がない」といったような意味がある言葉です。
また、「こざかしい」や「計算高い」、「抜け目がない」という解釈もできます。
「世知辛い」の読み方
「世知辛い」とは「せちがらい」と読みます。
「世知辛い」の英語(解釈)
「世知辛い」は英訳するには結構難しい日本語とされています。
「住みづらい」や、「世渡りが厳しい」と意味で英訳する場合は、“difficult”、“cold”などが使えますし、「抜け目がない」を意味する英語どは“astute”となるでしょう。
この他に“hard”や“tough”が当てはまるケースもあります。
「世知辛い」の対義語
では、ここで「世知辛い」の対義語に触れてみたいと思います。
- 「暮らしやすい」
- 「太っ腹」
「暮らしやすい」
「世渡りが難しい」という意味の「世知辛い」の反対の意味で表現できる言葉となると、「暮らしすい」が挙げられます。
「景気が上向いて給料も上がったことから、生活に余裕ができましたね。
暮らしやすい世の中です」というような使い方になるでしょう。
「太っ腹」
「世知辛い」には、「けち」や「こざかしい」という意味がありましたが、反対の表現をすらと、「太っ腹」になるでしょう。
「先輩は太っ腹な人なので、いつもおごってくれます」こんな使い方になりますが、あまり「太っ腹」の人に頼るのもよくありませんね。
「世知辛い」の言葉の使い方
「世知辛い」は、「世知辛い世の中」という表現で使われることが多くいのですが、
「こざかしい」、「計算高い」という解釈から「世知辛いビジネス」と言ったような形で使われることもあります。
「世知辛い」を使った例文や短文(解釈)
では、次に「世知辛い」を使った例文を見ていくことで、活用シーンの理解を深めましょう。
- 「世知辛い」の例文1
- 「世知辛い」の例文2
- 「世知辛い」の例文3
「世知辛い」の例文1
「国会議員が汗だくになって働いているサラリーマンより高い給料もらっているなんて世知辛いもんだ」
このような言葉は、今も昔も変わらないかもしれません。
国会議員なんかは、本来国民の代表なのですが、まるで特権階級のような形で振る舞っているのですがから、一般的な庶民からすると、やりきれない気持ちになったり、怒り心頭してきますね。
「世知辛い」の例文2
「どんなに頑張っても専務の目に止まらないと昇進や昇格が期待できないとは、世知辛い会社だよ」
今やビジネス社会では、実力主義が台頭してきて、日本文化の終身雇用制が崩れて来ています。
転職も昔より増えてきて、それが歓迎される世の中でもありますが、その一方で昇進するにも実力だけでなく、上司に気に入られないと、全く上を目指すことができない所もあります。
このようなことがあってはいけないのですが、現実的にはまたまだ残っていますね。
「世知辛い」の例文3
「食事に誘っただけでセクハラ扱いになる時代。世知辛くなったものだ」
昔は軽い気持ちで会社の女の子に食事やお酒を誘えたのに、今原下手をすると、パワハラ、セクハラで訴えられることがあります。
時代が変わったとはいえ、本当に「世知辛い世の中」になったものです。
特におじさん世代は注意が必要です。
「世知辛い」の類語や類義表現・言い換え
「世知辛い」に似ている類義語としては、どんな言葉があるでしょうか?
ここで、いくつか挙げてみることにしました。
- 「暮らしにくい」
- 「抜け目がない」
「暮らしにくい」
「世知辛い」が「世渡り気難しい」という意味があることを考えると、「暮らしにくい」という表現が一番、妥当な言葉かもしれません。
「暮らしていくことが容易ではないこと」という意味がありますが、世の中は、本当に暮らしにくい環境になってきたのではないかと思います。
地球温暖化などで自然環境が崩れていっていますし、自然災害も多発。
経済環境も、ニュースでは上向き加減とは言いながら、全くそのような手応えがありません。
むしろ個人レベルの収入は下回っているような感じがしますので、やはり「暮らしにくい」世の中と言えるのではないでしょうか?
人によって受け止め方は異なりますが、「暮らしにくい」昨今ではないかと思います。
「抜け目がない」
「こざかしい」というような意味もある「世知辛い」なので、「抜け目ない」も類義語として、扱うことができるでしょう。
「自分の利益のために十分気を配っており、抜けたところがない」という意味になります。
自分の利益につながるためには、色々なことに気を回しながら、こと細かく配慮する能力に長けているのでしょう。
このような能力やスキルをビジネスで思う存分、精一杯発揮できたなら、とても高い評価を得るだけどなく、昇進・昇格も容易にできるのではないかと思うのですが、残念ながらこのような人は、己の利益のためだけに気を遣うことになるので、周りにはかなりの負担がかかってしまうことも珍しくはありません。
このような人は、全く同僚や後輩に呈する思いやりが欠如しているので、下手に関わると厄介なことになる可能性があります。
ふと考えてみると、「世知辛い世の中」とという表現は、何時の時代でも使われていたのではないかと思うことがあります。
「世知辛い世の中」とは、「暮らしにくい世の中」ということですが、時代が変わってもこの言葉が使われていたということは、昔から決して世の中が良くなっていないとも思えます。
しかし、どの時代でも人の不平不満がなくなることはありません。
その時代によって、人の不満は違った形で出てくるものです。
だからといって、その時の世の中が本当に「世知辛い」のかは個人の価値観や考え方、その時の環境によって異なって来ます。
そうであれば、今暮らしている生活環境を恨むのではなく、平穏無事に生活できているだけでも感謝することが必要です。
高みを望み頑張ることはいいことですが、決して不満を漏らさないようにしたいものです。