「終始する」の意味・類語【使い方や例文】
日々の生活や日常の仕事の中では、色々な取り込みが行われています。
特に仕事については、毎日変わらず繰り返される定型的なルーチンワークがあり、平行して、一定期間に集中したイベントやプロジェクトのような取り組みも行われていることでしょう。
企業におけるこれらの取り組みは、経営を維持・拡大するためのものですが、経営環境は刻一刻と変化していくので、その状況に合わせてフレキシブルに対応していかなくてはなりません。
その一方でルーチンワークなどは、始めから終わりまで変わらない内容で繰り返す仕事です。
単純に思見える仕事でも、正確さと迅速さを求められる仕事ですが、このようなケースで浮かんで来る言葉が、「終始する」です。
普段の会話でも時折使われる言葉ですが、この言葉には、どんな意味があるのでしょうか?
今回は、この「終始する」について、見ていこうと思います。
目次
- 「終始する」の意味とは?
- 「終始する」の読み方・漢字
- 「終始する」の英語(解釈)
- 「終始する」の言葉の使い方
- 「始終」と「終始」の違い
- 「終始する」を使った例文や短文(解釈)
- 「終始する」の類語や類義表現・言い換え
「終始する」の意味とは?
「終始する」とは、「物事の始めと終わり」という基本的な意味があり、そこから色々な意味が生まれて、「同じ態度・状態・内容などが、始めから終わりまで続くこと」、「始めから終わりまで全部」という意味で使われるようになっています。
「終始する」の読み方・漢字
「終始する」は、「しゅうしする」という読み方になります。
「終始する」の英語(解釈)
「終始する」を英語で表現すると、“be entirely focused on”、“be preoccupied with”という表現で訳すことができます。
「終始する」の言葉の使い方
「終始する」というと言葉が使われる場面としては、物事の状況が変わらず一貫して同じ状態が続いている時に使われます。
このような場面は、仕事の中はもちろんのこと、ごく身近な生活シーンの中でも出てきそうです。
「始終」と「終始」の違い
「終始」と同じような言葉で「始終」という言葉がありますが、使われている漢字が逆になっているだけで、言葉の意味に違いがおるのでしょうか?
「始終」も「始めから終わりまで」という意味がある他に、「いつも」、「しょっちゅう」というようなニュアンスもあります。
一方の「終始」は「終始する」という動詞として使われることができます。
例えば、「低調なレースに終始してしまった」という文を「低調なレースに始終してしまった」と「始終」で言い換えることことはできません。
また、始終には「全部」という意味がありますが、「今回の事件の始終を明らかにする」という文は「終始」で言い表すことは不可能なので、このような使い方に違いがあります。
また、始終は「いつも」という意味があるので、「始終、噂になっている」、「終始噂する」という例文を作ってみると、「始終」は、いつも噂をするという感じがする一方で、「終始」は、「始めから終わりまでずっと噂しているというニュアンスに聞こえてきます。
「終始する」を使った例文や短文(解釈)
では、ここから「終始する」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「終始する」の例文1
- 「終始する」の例文2
- 「終始する」の例文3
「終始する」の例文1
「あのレストランは、食事全体がその後の片づけに終始しているような気がして、落ち着いて食事を楽しむことができない」
レストランやカフェに行ってこのような経験をした人も結構いるのではないかと思います。
ウエートレスやウエーターの人が、お客さんの食べた後の食器を片付けようと、すぐ皿を取りに来るケースがあります。
気持ちが何だか慌ただしくなってしまい、せっかくの美味しい料理も落ち着いて、食べることができずに困ってしまいます。
「終始する」の例文2
「今回の打ち合わせでは、いつ本題に入るのかと待っていましたが、結局はあるべき姿を語る内容に終始してしまい、無駄な時間となった」
ビジネス業界では今や効率性を高めて、無駄な仕事は極力なくしていくことが強く求められています。
時間の使い方も同じで、打ち合わせや会議も長い時間ダラダラと行うのではなく、短い時間で結果を出すことが必要です。
この例文のような打ち合わせは、結局は時間の無駄遣いとなります。
「終始する」の例文3
「被告への質問は終始緊張した空気の中で、進められて行ったのです」裁判か取調室の場面でしょう。
緊張の張り詰めた空気がずっと続いていることを物語っていますね。
「終始する」の類語や類義表現・言い換え
では、ここから「終始する」と似ている意味を持つ類義語をあげてみました。
- 「貫き通す」
- 「信念を曲げない」
「貫き通す」
「貫き通す」は、「物の端から端まで、あるいは反対側まで突き抜いて通す」という物理的な表現で使われることもありますが、「最初の考えや態度を変えることなく最後まで持ち続ける」という意味でも使われている言葉です。
「彼は信念を貫き通す人間なので、誰からも信頼います」
このような自分の思いを「貫き通す」ことは、簡単そうで中々簡単にできることではありません。
時として、周囲から理解されなかったり、軋轢を生んでしまうこともありますが、多くの場合は、誰からも信頼される「義理堅い人」というイメージがあるのではないかと思います。
「信念を曲げない」
「信念を曲げない」も前項と同じく、「その人自身の信念を貫き通す、信念のままに行動する」という意味があります。
「信念」とは、「それが正しいと堅く信じ込んでいる心」という意味を持つ言葉で、「信念を曲げない人」となると、本当に信じるに値する人という評価ができるでしょう。
その一方で、「頑固な人」や「柔軟性に欠ける人」というようなイメージも出てくる可能性もあります。
併し、この言葉の意味に多くはいい意味で使われます。
「首尾一貫、終始する」というような使われ方がされることがあります。
簡単に言うと、「全くブレない」ということになるでしょう。
現代社会は、以前に比べても、常に社会環境が変化し続けています。
誰も予想することができないくらいに劇的な変化をすることが珍しくありません。
このような時だからこそ、「終始する」ということ姿勢を自分の中に持ちつつ、時には、フレキシブルに対応していかなくてはしていく気持ちのゆとりをもちあわせておきたいものです。
そのようなことをしていくことで、先の見えない未来に向かって突き進んで行くことができるのではないかと思うのです。