「辞さない」の意味・類語【使い方や例文】
人は行動する時に色々なことを考え抜いて、あるべき方向を見出して動くことがあります。
その時は、どのような困難なことが待ち受けていたとしても、決して後ずさりするようなことや、諦めるようなことはしないでしょう。
何故なら、その人には揺るぎない強い信念があるからです。
よくインターネットやテレビのニュース報道で、「訴訟も辞さない」という言葉を見たり、聞いたりしたことがある人もかなり多いと思います。
この時に出てくる「辞さない」という言葉にも、強い決意の現れが伝わってきます。
今回は、この「辞さない」という言葉について、意味や活用シーンなどを見ていき理解を深めて行こうと思います。
目次
- 「辞さない」の意味とは?
- 「辞さない」の読み方
- 「辞さない」の英語(解釈)
- 「辞さない」の言葉の使い方
- 「辞さない」を使った言葉と意味を解釈
- 「辞さない」を使った例文や短文(解釈)
- 「辞さない」の類語や類義表現・言い換え
「辞さない」の意味とは?
「辞さない」は、「辞する」という言葉の否定形の言葉なのですが、「職を辞める(辞職)」や「依頼ごとなどを断る」、「辞退する」などの意味がありますが、否定の「辞さない」となると、「強い決心」を表現することが多く、「志を固く保持しながら決して圧力に屈しない」という意味になってきます。
いわゆる「不退転の決意」という言葉で言い換えることもできます。
「辞さない」の読み方
「辞さない」とは、「じさない」という読み方になります。
「辞さない」の英語(解釈)
「辞さない」を英訳すると、“be willing to do”、“be prepared”などの言葉で表現することができます。
「辞さない」の言葉の使い方
「辞さない」という言葉は、かなり固い表現になりますが、日常的な会話の中では、
「ひるまない」や「恐れない」という言葉の方が平易な言い方かもしれません。
強い気持ちの表現を表す言葉として使われるのが、「辞さない」という理解もできるのですが、何か、強い抵抗勢力に遭っても決して後退することなく、「前進あるのみ」といったような姿勢を貫いている状態の時に、使われることになるでしょう。
「辞さない」を使った言葉と意味を解釈
では、ここで「辞さない」を含みよく使われている表現について、見ていくことにします。
- 「武力行使を辞さない」
- 「訴訟も辞さない」
「武力行使を辞さない」
「たとえ被害が出たとしてもこのまま下がるつもりもなく、武力行使も辞さない覚悟がある」かなりきな臭い例文ですが、このような形で使われることが少なくありません。
とくに国家間の紛争など、お互いの国益を考えて、一戦交えることも「辞さない」ということになります。
しかし、時としてこのような場合は、お互いの国としてのプライドや威信を掛けていることもよくあることですが、冷静な対応が望まれます。
「訴訟も辞さない」
「訴訟」は、民事裁判などでもよく出てきますが、一個人の人が大企業からの不当な扱いを受けて、誠意を見せない相手に対して、このような行動を起こすケースが少なくもありません。
企業という大きな組織にたった1人で立ち向かう時に、この言葉が使われます。
「辞さない」を使った例文や短文(解釈)
では、ここから「辞さない」を使った例文にも、触れてみたいと思います。
- 「辞さない」の例文1
- 「辞さない」の例文2
「辞さない」の例文1
「ことの真実を求めるためには、私は水の中や火の中に飛び込むことをも辞さないつもりなのです」
人は、どうしても真実を知りたいという衝動に駆られることがあります。
この例文でも、「私」の心境はまさにその通りで、物事の真実を掴むために、どのようなことも厭わないという強い思いが見え隠れしています。
このような心境は、学者の人が多いような気もします。
「辞さない」の例文2
「私の妻と子どもを守るために、世界を相手に戦争することや敵に回すことも辞さない気持ちです」
まるで自分の国から迫害を受けて、世界中を転々としている家族のような印象があります。
映画のワンシーンでも出てきそうなセリフですが、愛する人のためなら、自分の命も顧みず、世界を相手に戦争することも覚悟の上という感じです。
このような人の覚悟は、半端なレベルではなく、とても強い思いで支えられています。
「辞さない」の類語や類義表現・言い換え
「辞さない」を他の言葉で言い換えると、どのような言葉があるでしょうか?
「辞さない」のる意義をいくつか挙げてみました。
- 「躊躇しない」
- 「一歩も引かない」
「躊躇しない」
「躊躇(ちゅうちょ)しない」とは、「ためらわない」という意味になります。
「躊躇」とは、「ためらうこと」や「ぐずぐずすること」という意味になりますので、これを否定する言葉になります。
「躊躇することなく、淡々と仕事を進めていく」や 「どんな困難が待ち受けていても、躊躇することがない」というような使い方になります。
このように「躊躇しない」という姿勢は、ある意味「決死の覚悟」を持って行動する人や、とても難しいことや非常時の環境下にあっても、全く相手の動じない胆力のある人かもしれません。
「一歩も引かない」
「一歩も引かない」という言葉も「辞さない」の類義語として扱うことができます。
「強く主張して全く退こうとしないさま」を指している言葉です。
「お互い一歩も引かずに戦いが長引いている」という言い方を聞いたことがあると思いますが、このような場面では、お互いがそれぞれの立場や考えから、「引くことができない」という事情もあったりします。
プライドがぶつかり合うこともありますし、引くことで大きな損失や被害を招くことがあるために、何が何でも後退する選択肢がないという理解もできます。
このようなケースでは、相互に無駄な損害が出てしまい、単なる消耗戦になってしまうこともあるので、冷静な行動が必要でしょう。
始めにも触れたように「辞さない」という言葉には、「不退転の決意」が込められています。
このような立場に置かれている人や、国、組織は、とても苦しい状況にあることが分かります。
ビジネスの世界でも、似たようなケースがありますが、単なる自己の利益や立場だけで、「辞さない」覚悟で相手と闘うことや争うことは、自分自身をただ疲弊させてしまうだけです。
ここは冷静な視点で大局を見ながら、何が正しいのか、どのような選択をすれば、お互いが平和に進めるのか考えることが重要だと思うのです。
争いは決してプラスの結果を生むことはあり得ません。
お互い協議して、相互の信頼を得ることが最善の策と言えます。